昭和史発掘 新装版(4) の商品レビュー
昭和初期の出来事をま…
昭和初期の出来事をまとめたものの第四巻。二・二六事件へとつながる「陸軍士官学校事件」などを収録。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「天皇機関説」言葉は聞いたことがあったら、こういう内容だったのか。「知は力なり」と言われているが、無知のほうが理屈がきかない分、強力だと思わせる内容。感情、信念ほど怖いものはないのか。所詮、どこでも人間関係、好きか嫌いで動いているような。学校だけでなく、軍隊、政治の世界でもそうなのか。読んでいて古さを感じない。そういう歴史が繰り返されている…のか。
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☆☆☆2020年3月☆☆☆ ・小林多喜二の死 ・京都大学の墓碑銘 ・天皇機関説 ・陸軍士官学校事件 「京都大学の墓碑銘」は難解だったが、他のテーマは面白く読めた。 「小林多喜二の死」では、当時の共産党へのすさまじい弾圧の状況が伝わってくる。田口たきに対する多喜二の優しさ...
☆☆☆2020年3月☆☆☆ ・小林多喜二の死 ・京都大学の墓碑銘 ・天皇機関説 ・陸軍士官学校事件 「京都大学の墓碑銘」は難解だったが、他のテーマは面白く読めた。 「小林多喜二の死」では、当時の共産党へのすさまじい弾圧の状況が伝わってくる。田口たきに対する多喜二の優しさを感じる内容であった。多喜二の『蟹工船』がなければ、プロレタリア文学という存在自体が忘れられていたかもしれない。 「天皇機関説」では、言論の自由が奪われていく歴史が描かれる。美濃部氏は命がけで学問を守ろうとした。 美濃部氏の「天皇機関説」を激しく非難した軍部がもっとも天皇を軽視している行動に出るのだから恐ろしい・ 「陸軍士官学校事件」では、派閥争い。 統制派と皇道派の争い。お互いがお互いの追い落としに必死で、あさましい。誰がどっち派だっけ?と混同してしまう。
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「小林多喜二の死」「京都大学の墓碑銘」「天皇機関説」「陸軍士官学校事件」。次第にきな臭くなってきた。作家、学者の思想への介入。その時代に生きた不運を感じる。2019.6.20
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以下は松本清張が「嵐と闘ふ哲将荒木」から引用した箇所の一部抜粋。昭和8年、荒木貞夫は来日したバーナード・ショウに、以下のような地震論を吐いて、唖然とさせた。最後のショウの言葉は彼らしい皮肉である。人工地震という話は、こんな時代から出ていたのか。 荒木「戦争の器材が進歩してくるが...
以下は松本清張が「嵐と闘ふ哲将荒木」から引用した箇所の一部抜粋。昭和8年、荒木貞夫は来日したバーナード・ショウに、以下のような地震論を吐いて、唖然とさせた。最後のショウの言葉は彼らしい皮肉である。人工地震という話は、こんな時代から出ていたのか。 荒木「戦争の器材が進歩してくるが、それだけ金が嵩む。最も経済的でよろしいのは竹槍で戦争することだ」 荒木「(略)地震は災害であると共に国民精神陶冶の上に幸いであるかもしれぬ。上から来る空襲は予報があるが、地震は突然である。だから、国民に空襲は上からの地震だと思わせる」 ショー「もし閣下が英国の陸軍大臣になられたならば、ダイナマイトを地下に埋めて人工地震を起して国民を教育するか、もし地震がそんなにいいことならば…」
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