検証 日露戦争 の商品レビュー
日露戦争は最近では第0次世界大戦という位置づけでとらえ直されているという。20世紀に入って早々、日露戦争はこのような近代装備の総力戦の初めての例となった。開国して40年にも満たない国が戦術の面に置いてはもとより、政治的にも経済的にも世界列強の間隙をぬって伸してくるこのスピード感は...
日露戦争は最近では第0次世界大戦という位置づけでとらえ直されているという。20世紀に入って早々、日露戦争はこのような近代装備の総力戦の初めての例となった。開国して40年にも満たない国が戦術の面に置いてはもとより、政治的にも経済的にも世界列強の間隙をぬって伸してくるこのスピード感は何なんだろう。人間ならば天才少年というところかも知れない。日本という国は善くも悪くも慌ただしく成長していく国だなあとおもう。 だが勝利という思いがけない好結果に、これまでの「命がけのキャッチアップ」とでも言うべき急成長はストップしてしまったのではないかと思う。それ以降この国が行ってきたことは進歩のように見えながら結果的に全くの進歩ではなかったのだと思う。天才少年は若い時期に世に出てちやほやされ世の中を見誤ったのであろうか。やがてこの世間知らずの青年はアメリカという恐いおじさんにぶち当たってボコボコにやられて坂道を転げ落ちていくのである。 日露戦争は日本が慢心しその後の道を誤るきっかけとなったという位置づけがよくなされるが、天狗の鼻は遅かれ早かれへし折られる。むしろ問題なのはあの開国当時の地に足の着かない急成長だったのではないかとも思えてくるが、あの時期のんびり構えていれば中国のように列強の餌食になっていたことは明白だろう。だから開国から40年日本は実に良くやったという評価でいいのだと思う。
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ドラマ化されたこともあり、「坂の上の雲」が語る日露戦争の影響は大だが、本書では様々な見方があることを伝えてくれる。第二部対談で、リーベン氏の次のことばが印象に残った。「その時代の論理を理解しないというのは、未熟な歴史の見方だと思う。」12.3.24
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日露戦争を様々な視点でとらえた本。私は日本の近代史をほとんど勉強してこなかったため、知らないことだらけで読んでいて楽しかった。
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