有栖川の朝 の商品レビュー
有栖川宮家の詐称事件に着想を得た物語。 生前の久世さんはこの話に身を乗り出して興じていたという。 子供だましのような、大人をだます 無邪気な遊び 演出家の目は最後まで光を失っていなかったんだなぁと実感する一冊。 久世さんの描写で一等好きなのは、 虚空に舞い散る塵がカー...
有栖川宮家の詐称事件に着想を得た物語。 生前の久世さんはこの話に身を乗り出して興じていたという。 子供だましのような、大人をだます 無邪気な遊び 演出家の目は最後まで光を失っていなかったんだなぁと実感する一冊。 久世さんの描写で一等好きなのは、 虚空に舞い散る塵がカーテン越しの日差しにきらきら輝く様子をとても綺麗に描くところ。 夢なのか現実なのか。 気持ちと願いがない交ぜになって綺麗な悪夢を見せてくれる。 久世さんの騙る物語は毒と甘い蜜の味がしてとても美味しい。 最後の一行の潔さがやっぱりいい。 この書き手を失ったのが今更ながらに悔やまれる。
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川獺を思わせるおばあさん、穴太月-あのおつき-こと、お月さんと、 華族顔の役者くずれ・安間安間、素性は分からないが兎に角美人の華ちゃんの 三人が世間に送る「気のきいたショウ・御伽噺」とは? お月さんのキャラクターが「あべこべ」の弥勒さんとかぶって、 どうしても樹木希林さんが出て...
川獺を思わせるおばあさん、穴太月-あのおつき-こと、お月さんと、 華族顔の役者くずれ・安間安間、素性は分からないが兎に角美人の華ちゃんの 三人が世間に送る「気のきいたショウ・御伽噺」とは? お月さんのキャラクターが「あべこべ」の弥勒さんとかぶって、 どうしても樹木希林さんが出てきてしまう(^_^;)。 ふわふわした華ちゃんや、ちょっと世捨て人みたいな安間との 微妙な、家族のような生活・やりとりが面白い。
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