悪夢の帆走 の商品レビュー

ジェイムズ・スチュアート・セイヤー(著者),安原和見(訳者)

2013/04/02

S.ジョッブスみたいな主人公ワイマンは、あらゆるものを手にして栄華を極めていた。しかし、大きくなりすぎた企業グループは、業績が悪い事業が足を引っ張り業績不振へ、起死回生を目論見、自社の卓越性を世に示すシンボルとして、遂にロボットのように完全にプログラミングされたヨットを完成させ、真冬のベーリング海のヨットレースを企画する。荒れ狂う真冬のベーリング海の大波の中、全幅の信頼を置いていたコンピューターが予期しない動きを起こし、少しずつ何かが狂い始める。海洋スリラーの佳作。コンピューターの暴走なのかバグなのか、苛烈な環境の中、極限の人間ドラマが繰り広げられる。