「本能寺の変」本当の謎 の商品レビュー

円堂晃(著者)

2020/11/24

たまたま図書館で見つけて読んだら、意外と魅かれました。
目新しい資料ではなく信長公記などをこの作者ならではの読み方でとても納得性を感じました。
例えば佐久間信盛を信長は追放するつもりはなく叱咤激励して復権の機会を与えたのに信盛がそれに応えなかったことで信長の軍団編成に大きな蹉跌を作ってしまったこと、柴田勝家の能力に信長は信頼を置いていなかったこと、信長の有力家臣の中で明智光秀が明智家の存続に執着していたらしいこと、などなど。
同時期に読んだ安倍龍太郎氏の本能寺ものと比べたらはるかに本書を面白く読みました。

2011/05/07

本能寺の決定打かもしれない。
すごいわ。
素人って、ほんとうに凄いものを書くことあるけど、
これはまさしくそれ。

2010/05/15

　ミステリーではない。
　明智光秀が信長を討ったのは巷間言われているように、光秀の野望だったのだろうか？黒幕は誰か？「本能寺の変」にまつわる謎を著者独自の解釈で解いていく。それなりに説得力があって面白かった。

2010/02/09

特番のドラマで明智光秀をやっていて、それを見て、
かねてから興味があった本能寺の謎なのですが、これをきっかけに読んでみたいなと。
思って図書館に行ったらズバリのタイトルの本があったので、取り敢えず借りてきた次第です。

ドラマは明智さんが真面目過ぎた故、かつ明智さんと秀吉が理解しあっていた風に書かれていたのが
私のツボで、横暴なタカヤ演じる信長もかなり良い感じだったのですが、
この本の書かれてあることはそれとは全然違うんだけれども、かなり面白い。
詳細は書きませんけど、
そうだったのかも。そうだったのならすごいなー。
という。
教科書で学んだことって一体なんだったんだろう。
つくづく思います。
強制されたり、受験のためではなくて純粋に知識欲を満足させるための勉強ってこんなに楽しいのに、
それを勉強している当時に思えないのって悲しいですね。

2019/12/31

2019.12.31読了（前回の感想と異なる）
二正面作戦を行う信長と作者は言う。全体を見渡すと四方面であり、信長の戦略眼の乏しさが現れる、そもそも大国であっても戦争には優先順位を決め、全体の戦略をそのために計画するので同時多発攻撃は「自殺行為」。
一時的な和睦は信長も結構あるのに、全国的には多方面部隊を作っている。方面部隊は防御に強く、攻める時は持ち合わせている全攻撃力を集中投下すべきです。
さて、内容です
（１）義昭恐るべき相手（そのため自身を将軍）
（２）水攻めは毛利本体をおびき寄せる目的（決戦）
（３）4.4国師快川和尚焚殺（朝廷への圧力）
（４）4.25三職推任（晴豊日記）は村井貞勝独断だが、目的は将軍（馬ぞろえも天皇への示威行動）
（５）覚上公御書集（上杉景勝関連文書）高柳光寿・藤田達生教授らの紹介6/3魚津城到着した光秀からの書状「明智の所より魚津迄使者指し越し、御当方無二の御馳走申し上ぐべき由　申し来り候と承り候」
義昭関与の証明→筆者は否定
（光秀の無断義昭名使用で、目的は幕府再興）
（６）光秀の目の前に据膳があったので喰らった
※共謀説は突然決行日決定のため成り立たない
（７）5/20頃、朝廷攻撃の兵1万人を本能寺へと信長に命じられ、信長暗殺を決め、以後義昭幕府再興
（８）秀吉は計画を知り（？）和睦を急ぐ
（９）毛利は計画を知り（？）義昭からの上洛催促の指示を無視する（？？？）

2009.3.23読了　天正９年から１０年に掛けての信長の野望こそ、本能寺の変をもたらした。作者はそう主張しています。２回の馬ぞろえによる朝廷への圧力、義昭による信長包囲網への逆転には「将軍」になるしかない！
光秀への特命・・・京都に１万３千人の軍団出現を！その企てに乗じて、暗殺が・・・明石散人の二人の天魔王でも同様の状況が問題とされ、天皇家側からの呼びかけで光秀が謀反
（この場合は関白・・・いえ、天皇の地位簒奪まで視野にあったと）久々に面白い説です・・・また読み直すかな？