1,800円以上の注文で送料無料

内部被曝の脅威 の商品レビュー

4.3

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/09/06

内部被ばくについて紹介する本。2011年のうちに読めてよかった。 著者は広島原爆を体験した医師とジャーナリスト。外部被ばくよりも低占領の内部被ばくのほうが被害が大きいことや、劣化ウラン弾が中東地域の戦争で使用され子供達に障害をもたらしていることが説明されている。また、アメリカの原...

内部被ばくについて紹介する本。2011年のうちに読めてよかった。 著者は広島原爆を体験した医師とジャーナリスト。外部被ばくよりも低占領の内部被ばくのほうが被害が大きいことや、劣化ウラン弾が中東地域の戦争で使用され子供達に障害をもたらしていることが説明されている。また、アメリカの原子力施設付近でも、周囲に奇妙な障害がでても原子力と因果関係はない、と繰り返され被害が拡大しているケースが存在する。付近で作られた小麦は世界中に輸出されており、知らぬ間に原子力の弊害が世界中に広がっている。そして、世界的な乳がんの増加との相関関係も強いこともわかっている。 100年も経たないうちに甚大な被害を次々に起こしてしまった原子力。若い世代に残さないよう、現役世代以上で収束させなければならない。

Posted byブクログ

2020/07/27

6年前に上梓された本だが、今読むと一々納得してしまう。◆劣化ウラン弾がなぜ兵器として使われるのか、またその悪影響も身につまされる。◆少なくとも劣化ウラン弾は使用してはいけない武器だ。◆◆肥田先生の被爆患者の治療体験も改めて知ることばかりだ。◆一体、私は今まで何をやっていたのか。◆...

6年前に上梓された本だが、今読むと一々納得してしまう。◆劣化ウラン弾がなぜ兵器として使われるのか、またその悪影響も身につまされる。◆少なくとも劣化ウラン弾は使用してはいけない武器だ。◆◆肥田先生の被爆患者の治療体験も改めて知ることばかりだ。◆一体、私は今まで何をやっていたのか。◆「一億人を犠牲にして五十億人が幸せになるという論理が間違っている」ということ。◆「科学テクノロジーは人間を幸せにするのか」◆「核を使ってはいけないという自覚が浅い」、そのために反核が伝わらない。◆これらのことを最終章で肥田、鎌仲両

Posted byブクログ

2011/08/11

むかしむかしの話で、「被爆国日本」という立場で日本人にとっては教訓として生きていきたかったのに・・・「今」現実としてわが身に降りかかる事態になってしまった。 事実を受け入れて生きていかないとね。

Posted byブクログ

2011/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何かと話題のこの本を遅ればせながら読んでみました。筆者の肥田舜太郎先生が被爆者で、原爆後の地獄絵図の中診療をされてたことはよくわかりました(たいへんなことだったと思います)。そして、ABCCや放影研、ひいてはICRPが内部被曝を軽視しているという指摘は正しいと思います。でも、その先はあまり正しくないようです。特に人工放射性物質と天然放射性物質が違うという件は、端的に誤っています。立場の違いによる意見の違いと、科学的に確立している知見の誤認というのは、区別すべきだと僕は思いました。

Posted byブクログ

2011/07/09

地震や原発、放射能のことばかり考えていたが、過去に戦争があった。それが今になってはじめてリアルに感じてる。

Posted byブクログ

2011/06/23

鎌仲さんの講演のテープ起こしを引き受けたこともあり、こないだの『ドキュメンタリーの力』、『使える9条』に続き、鎌仲さんが出てくる本を借りてきて読んでみる。 ▼「微量な放射線なら大丈夫」という神話への挑戦が、まさに本書の神髄である。(肥田舜太郎、p.89) 鎌仲さんの映画は...

鎌仲さんの講演のテープ起こしを引き受けたこともあり、こないだの『ドキュメンタリーの力』、『使える9条』に続き、鎌仲さんが出てくる本を借りてきて読んでみる。 ▼「微量な放射線なら大丈夫」という神話への挑戦が、まさに本書の神髄である。(肥田舜太郎、p.89) 鎌仲さんの映画はまだ見てないけれど、肥田舜太郎さんは「ヒバクシャ─世界の終わりに」に登場する医師で、広島で自らも被爆し、広島や長崎の被爆者の治療にもう60年以上たずさわってきた人。広島で被爆直後から救援にあたるなかで、直爆を受けた人のみならず、原爆投下後に肉親や知り合いを探して広島市内をさまよい歩いた人たちが、同じような放射線障害の症状を発し、亡くなっていくのを目の当たりにして、肥田さんは「内部被曝」ということを知っていくのである。 内部被曝とは、体内にとりこんでしまった放射性物質から長時間にわたり放射線を浴びること。このメカニズムについては、十分な研究がない。だが、「研究がない」のは「影響がない」ことと同じではない(このことは、プルトニウムの毒性についてゴフマンが指摘していたのと同じ理屈でいえるだろう)。 この本は、内部被曝の脅威を伝えると同時に、「被曝」が過去の話ではなくて(広島、長崎や第五福竜丸で終わったことではなくて)、現在進行形であること、世界のさまざまな場所で、たとえ原水爆は使われなくとも「被曝者」がうみだされていることを伝える。 体外被曝の場合、身体に大きな影響を与えるのはまっすぐ飛び強い貫通力をもつガンマ線で、ベータ線の場合は飛ぶのは1センチ、貫通力もそう大きくないし、アルファ線については、0.1ミリしか飛ばないし、貫通力も紙一枚も通さないくらい弱いものだから、たいしたことはないということになっている。 だが、その0.1ミリしか飛ばないというアルファ線、飛距離1センチというベータ線も、体内に入ればスケールが違ってくる。ベータ線の飛距離、半径1センチの範囲には直径7~8ミクロンの細胞が少なくとも30個や50個は存在しうる。飛距離が0.1ミリというアルファ線でも、周囲の細胞にじゅうぶん届くだけの影響力をもつ。 体内に入ると、細胞のすぐそばで放射線が発射されるというだけではなく、放射線分子のもつエネルギー量が桁違いに大きいことが問題になる。こうした内部被曝によって、細胞の遺伝子が傷つけられ、身体の修復力が追いつかない場合は(生殖腺や造血組織である骨髄、また胎児など、細胞分裂が非常に早い場合にはとくに)、切れたり傷がついた遺伝子が複製されて、突然変異や細胞死をひきおこす。 肥田さんは、こうしたことを被曝者の治療にあたるなかで、自力でつきとめてきた。広島や長崎で、被爆者をただ調査するばかりで全く治療しなかったというABCCは膨大なデータを集めたが、それらの情報を機密指定としたアメリカ政府は(そして日本政府も)「微量の放射線は心配ない」という主張を続けてきたし、今なお続けているといえる。被爆の実相や被害についての情報操作は完璧なまでに成功しているのだ。 映画「ヒバクシャ─世界の終わりに」のなかで、「被ばくという経験はどんな意味を持つか」という鎌仲さんの問いに対して、肥田さんは、「自分が体験したことは何だったのか、それを他人に伝えることができない体験である」と話しているという。 原爆を語る言葉の難しさ、核兵器が人間に与えた被害を語る言葉の難しさは、その問いに対する解が一つにはまとまらないことでもあると肥田さんはいう。いったいどんな言葉でそれを語れるのか。いまだに被害をあらわす言葉を持ち得ず、言葉を探している段階だと二人が語るのは、目に見える被害と目には見えない被害、とりわけ放射能被害の見えなさゆえだろう。 私たちの未来は既に放射能にうっすらとまみれている。 明日には死なないが、未来の世代は果たしてどのような問題を抱え込むことになるだろうか。(鎌仲ひとみ、p.171)

Posted byブクログ

2011/06/13

今、みんなに読んで欲しい。 無関心にならないで、絶対。 専門的な部分も多く、少し読みづらい本だったので、時間がかかってしまいました。 2005年に既にこの内容が提起されていて、今になっても全く変わっていない現状に嫌悪感。自分の無知に恐怖しました。知らないって本当に怖い。 震災...

今、みんなに読んで欲しい。 無関心にならないで、絶対。 専門的な部分も多く、少し読みづらい本だったので、時間がかかってしまいました。 2005年に既にこの内容が提起されていて、今になっても全く変わっていない現状に嫌悪感。自分の無知に恐怖しました。知らないって本当に怖い。 震災が起きた今が意識を変えるチャンスだと思うんだ。絶対。

Posted byブクログ

2020/05/31

放射線の「内部被ばく」についての概説。著者の一人は医師であり、広島で原爆に被爆、直後の凄惨な現実を直接経験するが、その後、しはらくして直接被曝していない人が不自然になくなっていくことに不信を持ったことから、放射線の「内部被ばく」の脅威を追及することになる。この内部被ばくは、原爆に...

放射線の「内部被ばく」についての概説。著者の一人は医師であり、広島で原爆に被爆、直後の凄惨な現実を直接経験するが、その後、しはらくして直接被曝していない人が不自然になくなっていくことに不信を持ったことから、放射線の「内部被ばく」の脅威を追及することになる。この内部被ばくは、原爆に限らず、最近頻繁に使用されることになった劣化ウラン弾、また過去繰り返し行われた大気中の原爆実験、そして原子力発電所の周囲、と原子力があるところに可能性として間違いなく、内部被ばくを被る危険性があるという。少量だから安心というものではなく、少量であるがゆえに、遺伝子を傷つけ、細胞の突然変異を引き起こし、癌などを誘発する。政治権力(特に米国)はこのことをけっして認めようとしないという。さもありなんである。 私たちのまわりの被曝可能性はほぼ日常化している。内橋克人氏も指摘している「スローデス」の現実化である。

Posted byブクログ

2011/05/29

広島の原爆の被曝者で医師でもある肥田舜太郎氏と、気鋭の映画監督鎌仲ひとみ氏との共著。 第5章「被ばく体験を受け継ぐ」が両氏の対談となっていて、非常に強いメッセージ力を持っている。 肥田氏が外国人から教えられたことの一つが、人類が戦争で受けた被害のなかで最も人権を破壊したのが...

広島の原爆の被曝者で医師でもある肥田舜太郎氏と、気鋭の映画監督鎌仲ひとみ氏との共著。 第5章「被ばく体験を受け継ぐ」が両氏の対談となっていて、非常に強いメッセージ力を持っている。 肥田氏が外国人から教えられたことの一つが、人類が戦争で受けた被害のなかで最も人権を破壊したのがアウシュビッツと広島だという。 前者の被害は毒ガスであり餓死。この被害は目に見えて分かりやすい。 後者は原爆によって、一瞬にしてたくさんの人が犠牲なったという事実。こればかりが印象づけられている。実際は爆風や熱風で直接亡くなった人よりも、後の放射線被害で苦しみ亡くなった人もたくさんいるのだ。また、傷つけられた遺伝子が次世代に受け継がれている可能性もある。 これらの被害が目に見えにくく理解しずらいため、核兵器の廃絶を訴えるメッセージが世界へ伝わりにくいのだという。 また第3章「内部被曝のメカニズム」は秀逸。 低量放射線の害について、極めて正確に記述されていて他に例をみない。 日本人必読の書であると断言したい。

Posted byブクログ

2011/05/28

内部被曝の恐ろしさがよくわかった。 内部被曝は「ない」のではなく、意図的になかったことにされているのだ、というのがよくわかる。 多くの人に読んで、考えてほしい本。 鎌仲さんの映画「ヒバクシャ」も観なくては!

Posted byブクログ