蒲公英草紙 の商品レビュー
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『常野物語』2作目です。ただし、時代は大きく戻り、20世紀初期。そして主人公も、常野一族ではありません。常野一族が、どのように人々と関わり合い、時代と溶け合ってきたのか……その歴史の一端が見られます。
abtm
前作以上に世界観に馴染めず、飛ばし読みになってしまいました。結局どういう話で、何が言いたかったのかも分からずじまいです。とこのの人たちが献身的であることだけは理解出来ましたが…。
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再読ですが。 改めて恩田先生の凄さを感じたというか。 光の帝国の続編……というよりは、その過去のお話。 初読では感じていなかったのですが、少女の視点の瑞々しい世界。 引き継いでいく想い。それが丁寧に精緻に描かれていて。 かつての日本の原風景。 そして、さらに富国強兵の後の日本を...
再読ですが。 改めて恩田先生の凄さを感じたというか。 光の帝国の続編……というよりは、その過去のお話。 初読では感じていなかったのですが、少女の視点の瑞々しい世界。 引き継いでいく想い。それが丁寧に精緻に描かれていて。 かつての日本の原風景。 そして、さらに富国強兵の後の日本を描いたラスト。 もう夏休みが終わりますが、ぜひ、中高生が戦時を考えるうえでも読んで欲しい一作でした。
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最後の場面で、嵐の中を子どもたちを助けるために自分が犠牲になった聡子様を、4人家族の末っ子の光比古が「しまい」、その感情をみんなと共有する場面はとても温かくて泣きそうになった。 私も最期を迎えるときは聡子様のように、歓喜と感謝の気持ちで迎えたい。
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これぞ常野物語という雰囲気。「光の帝国」の時よりまだ常野一族以外の人たちとの距離が近かった時代のお話。 西洋画は瞬間を切り取る、日本画は対象の過去から現在までを読み解く、みたいな解釈が非常に面白かった。そしてこの日本画の方の解釈と常野一族がオーバーラップする。
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常野シリーズ2作目。 第134回直木賞候補作。 シリーズ1作目でも登場した、無尽の記憶力をもつ春田一家の物語。 舞台は国内外にきな臭い気配が漂い始める20世紀初頭の、東北のある集落。 他者の記憶や感情を、そのまま「しまう」春田一家の力とはなんだろう? 現代ではスマホなどの記...
常野シリーズ2作目。 第134回直木賞候補作。 シリーズ1作目でも登場した、無尽の記憶力をもつ春田一家の物語。 舞台は国内外にきな臭い気配が漂い始める20世紀初頭の、東北のある集落。 他者の記憶や感情を、そのまま「しまう」春田一家の力とはなんだろう? 現代ではスマホなどの記憶媒体がその役目をしているのだろうか。 彼らのような存在が、自分や大切な人の記憶をまるごと受け容れ、預かってくれることで、(当時の)人々は生きた証を残せたような安心感を得たのだろうか。 しかし、それがどんなものであれ、力がある、ということは、それゆえの使命を背負うものだ。春田一家の記憶力や、遠目、遠耳などの力は、普通の人の預かり知らぬことを見、知ってしまう。だからこそ、時には自らの命に代えてでも、人々を守らなければならない宿命にある。 常野の人たちの、ある種の諦念のような静けさは、そこにあるのだと思う。 語り手の少女が、春田一家のことをこう言い表している。 「世界は一つではなく、沢山の川が異なる速さや色で流れているのでした。~彼らはどうやらそういう流れの一つらしい~私たちとは異なる川で生きている」p117 異なる川ではあるけれど、私たちのすぐ側を流れていて、時に交わり、また離れていく存在。その安住の地は、果たしてどこにあるのだろうと考えると、寂しさが胸をよぎる。
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1作目を読んですぐに読みたいと思い一気に読んでしまった。内容自体は暖かい内容で悪人も出て来ず平和。荒んでしまった時に良薬になる本かな。
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「夜のピクニック」「蜜蜂と遠雷」で、本屋大賞を2度も受賞した直木賞作家、恩田陸。 この本は、世界の初めには人々が持っていた能力を、他の人々が忘れてしまった後でさえ、持ち続け人類に寄り添って生きた一族「常野」の物語の第2章。 最初の物語では、あらゆる時空に生きた常野一族を短編風に仕上げてプロローグとし、この第2章は、ちょうど江戸時代から明治時代のニューセンチュリーと呼ばれる時代。 妻の強い一言で、家財を台車に引いて高台に逃げ、生き延びそしてその僅かな財産で、もう一度村を再建した槙村家の人々を取り巻くお話になっている。 心臓が生まれつきの奇形で寿命が短かった聡子は文字通り聡明で明るく優しい少女。その槙村家の末娘に、話し相手として屋敷を訪ねる様になったのが峰子、医者の娘だ。 二人が織りなす濃密な生命の輝く季節の不思議なお話。
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光の帝国とは全く違った雰囲気です。舞台は戦時中の集落で、一人の女性の視点で語られていきます。 読んでいると暗く重い気持ちになるときが多く、しばらくはこの本を開くこともないと思うのですが、それぐらいに感じさせるもののある作品です。
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やさしい文体で綴られる。 タイトル通りのほんわりした雰囲気が全編にあるが、それだけにラストは衝撃的。
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