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プリオン説はほんとうか? の商品レビュー

3.9

31件のお客様レビュー

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2014/02/11

狂牛病発病のメカニズムはまだ解明されていないらしい。狂牛病は伝染病であるので普通なら病原体として細菌やウィルスが発見されるはずだが、未だに発見されていない。現時点で病原体で変性したタンパク質そのものが病原体だとするプリオン説が一番有力な説とされており、これを提唱したプルシナーはノ...

狂牛病発病のメカニズムはまだ解明されていないらしい。狂牛病は伝染病であるので普通なら病原体として細菌やウィルスが発見されるはずだが、未だに発見されていない。現時点で病原体で変性したタンパク質そのものが病原体だとするプリオン説が一番有力な説とされており、これを提唱したプルシナーはノーベル生理学・医学賞を受賞しているのだ(キット新聞等で報道されたのだろうが覚えていない(^^ゞ 本書は、そのプリオン説が本当に正しいのかを検証した書籍である。 構成としてプリオン説が出てくるまでを詳述し、プルシナーがこの説を提唱するに至る過程を検証する。 さらにプリオン説では証明できていない事象(プリオン説の弱点)を紹介する。 結論としてプリオン説では狂牛病の病原体を特定したとは言い切れないとしており、仮説として特異的ウィルス核酸を紹介している。もちろんこれが病原体であると結論づけているわけではない。 本書ではプリオン説の検証を通して分子生物学の研究方法について知見を得ることができる。 福岡先生は「生物と無生物のあいだ」を書かれた先生であるらしい。先生の本はどの本も興味深く読ませていただけるモノである。

Posted byブクログ

2013/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

狂牛病の犯人とされるプリオンという物は今だ謎であり、仮説によって予防策が練られていると言う所謂ヤバイヤツなんだよと、プリオンて名付けたヤツはノーベル賞まで取りやがってヤバイよと、じゃ俺(筆者)がなんでヤバイか証明してやるよと、そして狂牛病を解明してやるぞと、でもまだまだ時間がかかるからもうちょっと待ってねと…。 当たり前かも知れないが自分自身の狂牛病の無知さと言うか、これを読むまでてっきり狂牛病って解明されてると思っておりました。非常にスリリングなサイエンスミステリー。半分理解できました。でもお肉は好きです。止めれません

Posted byブクログ

2013/07/21

タンパク質病原体説をめぐるミステリー (2013.07.21読了)(2010.02.25購入) 【目次】 はじめに 第1章 プルシナーのノーベル賞受賞と狂牛病 第2章 プリオン病とは何か 第3章 プリオン説の誕生 第4章 プリオン説を強力に支持する証拠 第5章 プリオン説はほ...

タンパク質病原体説をめぐるミステリー (2013.07.21読了)(2010.02.25購入) 【目次】 はじめに 第1章 プルシナーのノーベル賞受賞と狂牛病 第2章 プリオン病とは何か 第3章 プリオン説の誕生 第4章 プリオン説を強力に支持する証拠 第5章 プリオン説はほんとうか-その弱点 第6章 データの再検討でわかった意外な事実 第7章 ウイルスの存在を示唆するデータ 第8章 アンチ・プリオン説-レセプター仮説 第9章 特異的ウイルス核酸を追って おわりに さくいん ☆福岡伸一さんの本(既読) 「もう牛を食べても安心か」福岡伸一著、文春新書、2004.12.20 「生物と無生物のあいだ」福岡伸一著、講談社現代新書、2007.05.20 「できそこないの男たち」福岡伸一著、光文社新書、2008.10.20 「動的平衡-生命はなぜそこに宿るのか-」福岡伸一著、木楽舎、2009.02.25 「世界は分けてもわからない」福岡伸一著、講談社現代新書、2009.07.20 「ルリボシカミキリの青」福岡伸一著、文藝春秋、2010.04.25 「フェルメール光の王国」福岡伸一著、木楽舎、2011.08.01 第22回(2006年) 講談社科学出版賞受賞 内容(「BOOK」データベースより)amazon 遺伝子を持たないタンパク質が感染・増殖するという新しい発病機構を提唱し、ノーベル賞を受賞したプルシナー。彼の唱えるプリオン説は、狂牛病対策など公衆衛生にも、重大な影響を持ち、科学的真実として受け入れられている。しかし、プリオン説はいまだに不完全な仮説であり、説明できない不可解な実験データも数多い。はたして、プリオン説は、ほんとうに正しいのか?ノーベル賞評価への再審請求。

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2012/12/22

初めてプリオン説を目にしたときはトンデモだと思ったが、その後の多くの研究を見て、そういうこともあるのかと認識を改めた。 この書籍を読む限りではそれにもまだ疑義がある。なるほど、原因ではなく結果である、と。これだから科学は油断無く、面白い。 プルシナーの人品がこの本の通りだとしたら...

初めてプリオン説を目にしたときはトンデモだと思ったが、その後の多くの研究を見て、そういうこともあるのかと認識を改めた。 この書籍を読む限りではそれにもまだ疑義がある。なるほど、原因ではなく結果である、と。これだから科学は油断無く、面白い。 プルシナーの人品がこの本の通りだとしたら、死後に定説が覆るのかもしれないな。

Posted byブクログ

2011/12/04

ヤコブ病と言えば難病加算に始まり、いくつかの加算が取れる病名として医療事務なら名前を知っている。 患者に出会うことはあまりないが、国の難病の補助制度を受ければ医療費はほとんどなくなるにも関わらず風評被害を恐れて登録をしない人もいる。 2005年の本だったので、現状が非常に気にな...

ヤコブ病と言えば難病加算に始まり、いくつかの加算が取れる病名として医療事務なら名前を知っている。 患者に出会うことはあまりないが、国の難病の補助制度を受ければ医療費はほとんどなくなるにも関わらず風評被害を恐れて登録をしない人もいる。 2005年の本だったので、現状が非常に気になる内容だった。 プリオン病というのがその病名で、ヤコブ病も狂牛病も同じ病気だと聞いていた。 しかし、その発生経緯はなんとも興味深い。 小泉劇場で日本の選挙を変えたあの時を思い出す。 巧みな広告パフォーマンスで時代を変えた。 そんな内容で展開してある。 しかしノーベル賞受賞というと素晴らしい権威のように思ってしまうが、懐疑派の人の本を読むといい加減なもののようで。 それはさておき、プリオン説は非常に興味深く面白い。 その一方で懐疑派の人の主張に答えられないものが多い。 そして著者も、懐疑的な立場から通説となっているプリオン説を覆す事実を見つけようとしていた。 ウイルスなのか、特別なタンパク質なのか。 興味はあるが、アルツハイマーの本で読んだ疫学的調査によって危うきに近寄らずの考え方ならば。。 プリオン説というのはもっともらしいし、狂牛病発見に貢献しているのだから非難されるのは人間性ゆえなのかも。 そしてアメリカ産のものは本当に信じられない。

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2011/11/19

私はバイオ研究者なのでプリオンという名前は知っているが、 本書を読んで改めて複雑な印象を受けた。 野心的な内容で、既存の説を実験的証拠を基にして議論しているが、 途中から内容の詳細さについていくことが出来なくなった。 何度も読み返すことにより理解が深まる可能性もあるが、...

私はバイオ研究者なのでプリオンという名前は知っているが、 本書を読んで改めて複雑な印象を受けた。 野心的な内容で、既存の説を実験的証拠を基にして議論しているが、 途中から内容の詳細さについていくことが出来なくなった。 何度も読み返すことにより理解が深まる可能性もあるが、 自分としては内容というより、著者の文体にもついていけなかった。 従って、恥ずかしいことではあるが、あまり良い点数をつけることが 出来なかった。

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2011/07/31

 プリオン説は、異常性プリオンタンパク質が単独で、感染し、増殖し、伝達性スポンジ状脳症を引き起こすというものである。この説は、多くの研究者にとってはにわかに信じられないものであった。なぜならば、生命の情報はすべて、 DNA→RNA→タンパク質という順に流れるというこれまでの、生物...

 プリオン説は、異常性プリオンタンパク質が単独で、感染し、増殖し、伝達性スポンジ状脳症を引き起こすというものである。この説は、多くの研究者にとってはにわかに信じられないものであった。なぜならば、生命の情報はすべて、 DNA→RNA→タンパク質という順に流れるというこれまでの、生物学のセントラルドグマ(中心原理)から逸脱するものだったからだ。  いったいどういうメカニズムで、病気が発症するのか?まず異常型プリオンタンパク質が体内に入ると、正常プリオンタンパク質を異常性プリオンタンパク質に変換する。そうするとちょうどドミノ倒しのように連鎖的に変換反応が起こり、異常性プリオンタンパク質が蓄積されることになる。これによって脳神経細胞に異常をきたし、ついには死に至るのである。 多くの研究データにより、感染性の強さと異常型プリオンタンパク質の濃度が比例することが明らかになっている。つまり、相関関係にあるということは疑いようのない事実である。とはいえ、その因果関係が完全に証明されたわけではない。プリオン説で説明が非常に困難な事象が、ウイルス説を採用することで多く説明できるという現実が依然としてある。しかし、そのウイルス性の病原体を発見した者はまだいない。 病原体の特定を行ううえで科学的なクライテリアとして「コッホの三原則」というものがる。具体的には 1)その病気にかかった患者の病巣から、その病原対が必ず検出できる 2)単離精製された病原体を健康な個体(実験動物)に接種すると、その病気を引き起こすことができる 3)病気になったその個体の病巣から再び同一の病原体が検出できる 結論からいえば、プリオン説は第三条項を満たしていない。にもかかわらず、通説としてプリオン説が有力なのは、とりもなおさず、他に代替的なより強力な仮説が存在しないからだ。 とはいえ、私個人としては、そう遠くない未来にその全容が解明されるだろうと楽観的に考えている

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2010/05/28

羊のスクレイピー病、狂牛病、人間のヤコブ病。これらは宿主が違うだけで全て同じ病気である。筆者はこの原因を異常性プリオンタンパク質だという今の主流の説に懐疑的で、おかしい点を述べつつ自らの説を最後に立てて終わる。 ノーベル賞が科学的な信憑性を裏付ける手段となってはならないと思う。こ...

羊のスクレイピー病、狂牛病、人間のヤコブ病。これらは宿主が違うだけで全て同じ病気である。筆者はこの原因を異常性プリオンタンパク質だという今の主流の説に懐疑的で、おかしい点を述べつつ自らの説を最後に立てて終わる。 ノーベル賞が科学的な信憑性を裏付ける手段となってはならないと思う。このまだコッホの三原則も満たしていないプリオン説は科学的でないと思った。 とても面白かった。

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2010/05/22

[ 内容 ] 遺伝子を持たないタンパク質が感染・増殖するという新しい発病機構を提唱し、ノーベル賞を受賞したプルシナー。 彼の唱えるプリオン説は、狂牛病対策など公衆衛生にも、重大な影響を持ち、科学的真実として受け入れられている。 しかし、プリオン説はいまだに不完全な仮説であり、説明...

[ 内容 ] 遺伝子を持たないタンパク質が感染・増殖するという新しい発病機構を提唱し、ノーベル賞を受賞したプルシナー。 彼の唱えるプリオン説は、狂牛病対策など公衆衛生にも、重大な影響を持ち、科学的真実として受け入れられている。 しかし、プリオン説はいまだに不完全な仮説であり、説明できない不可解な実験データも数多い。 はたして、プリオン説は、ほんとうに正しいのか? ノーベル賞評価への再審請求。 [ 目次 ] 第1章 プルシナーのノーベル賞受賞と狂牛病 第2章 プリオン病とは何か 第3章 プリオン説の誕生 第4章 プリオン説を強力に支持する証拠 第5章 プリオン説はほんとうか-その弱点 第6章 データの再検討でわかった意外な事実 第7章 ウイルスの存在を示唆するデータ 第8章 アンチ・プリオン説-レセプター仮説 第9章 特異的ウイルス核酸を追って [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2011/07/17

面白い! 『生物と無生物のあいだ』は全然面白いと思わなかったけど、これはテーマが具体的だし、分かりやすいし。プリオン病について、知りたいと思うことは読んでるうちにほとんど分かると思う。福岡さんは『生物と・・・』を書く前にもいろいろと書いていたわけで、はっきりとテーマを決めないで書...

面白い! 『生物と無生物のあいだ』は全然面白いと思わなかったけど、これはテーマが具体的だし、分かりやすいし。プリオン病について、知りたいと思うことは読んでるうちにほとんど分かると思う。福岡さんは『生物と・・・』を書く前にもいろいろと書いていたわけで、はっきりとテーマを決めないで書いた初めてのものがあれだったわけですね。それを何にも知らないで読んで、つまんないと勝手なことを言ってたと。もう1度読んだら、感想が変わるかも?さて、この本に戻ると、内容はまさに書名のとおりで、プリシナーの提唱するプリオン説は正しいのだろうかという検証を説明してくれる本です。4年前の本で、現在は(というか当時も?)プリオン説は正しいのだと言うのが主流になっているようだけど、この本を読むと怪しいと思わされてしまう。福岡さんの文章力がそうさせているのか? でもやっぱり、プルシナーの論文は、例えば時間軸を対数に取るのはヘンだと思うし、彼がノーベル賞をもらったときの写真は、もはや僕には悪だくみを成功させた人にしか見えない(笑) 仮に正しいとしても、ノーベル賞委員会の気が早いのでは?と思います。物理だと、小林・益川理論ですら受賞に30年以上かかっているのですけど。『ノーベル賞の光と陰』を読んだときに思ったのは、生物ってこういうの多くない?ってことなのですが、やっぱり。 それはともかくとして、ミステりーはいつも読んでないけど、こういうミステリーは好きです。元々、プリオン病については知りたいと思っていたので、丑年のうちに読めて良かった? 楽しみながら、分子生物学や、実験の方法について学べたと思います。例えば、セントラルドグマは、普通に授業で習うと、DNAがRNAが・・・? 名前はかっこいいけど結局なんなん? て感じにぼくはなってたんですが、プリオンと絡めて、こうやって説明されるととても分かりやすい。実験についても、いっつも考察って何を書けばいいんだろうと悩むけど、やっぱ考察が大事なんだなあとつくづく。それと、ブルーバックスのいいところにひとつ気がついた。持ってる本で確かめてみましたが、全てに索引がついています。ふつうの新書本でも自然科学系のことを扱ってるものは多いけど、索引がちゃんとあるものは実は少ないですね。理工書だと、索引がしっかりしているかどうかは選ぶ上でけっこうなポイントなわけですし、新書もちゃんとあった方がいいです。昔はカードをつくったりと大変だったのでしょうが、今はコンピュータで簡単にできますよね。それなのに岩波とかは、寧ろ昔の方がちゃんと索引がついてる気がする。そのうち、出版社別でどの新書の索引がいいか調べてみよう。関連リンク『生物と無生物のあいだ』http://review.webdoku.jp/note/4390/14870/1?id=120286『ノーベル賞の光と陰』http://review.webdoku.jp/note/4390/15342/1?id=186094

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