世界の貧困 の商品レビュー

ジェレミーシーブルック(著者),渡辺景子(訳者)

2017/01/20

２００５(原本０３)年刊。解決の気配のない貧困問題の要因を、途上国へのプログラムとして位置づけられた｢開発｣、グローバル経済化(単一ルールの強制)、国家より巨大な経済力を持つ多国籍企業の市場開放圧力などにあるとみて、これらを否定する視点から解読。先進国内の格差問題と途上国貧困問題とを混同しており(これらは異質の要因から発生か)、議論が混乱している嫌いはある。ただ、冷戦期の共産主義イデオロギーへの対抗概念たる｢開発｣や、単一ルール強制が地域の自給自足を破壊し、不利益地位の固定化を招来、など汲むべき視点は多。

2015/06/30

世界中で起こっている現在の貧困がなぜ起きているのか？　これを理解することは、日本で現在起こっている二極化にも通じる部分もあり、そうならないためにどうすればよいのか？　これを再度考えなおすきっかけにもなります。現在のグローバル化は、アメリカの一部特権階級が決めた、作ったグローバル主義であり、日本の中でもメリットを得られるのは特権階級のみです。　であれば、ひとりひとりが何をすべきか？どう行動すべきか？　これは改めて考え行動する必要があるわけなのです。

2011/08/19

富は持たない者から持つ者へと流れる。

現代の社会では多くの人が豊かになったにもかかわらず、なぜ貧困はなくならないのか？本書では現代の貧困は過去の貧困とは異なる発生のメカニズムがあると考えており、現代の貧困というものがどのようにして生まれるのかを資本主義のイデオロギーや経済の歴史から考察する。そして、現代の貧困はグローバルな経済活動のしわ寄せであると帰結する。
市場経済、自由貿易というのは、経済的な強者が経済的弱者をさらに弱い立場に追い詰めるだけなのだ。

非常に興味深かったのは資本主義と社会主義のイデオロギーの衝突の中で、資本主義側によって社会の進歩や成熟の概念をその社会の生産性で評価するようになったという話。現代の「豊かさ」の指標が経済性で図られるようになった起源ではないかと思います。こうしてみると「豊かさ」=「経済力」という現代の常識はまだ歴史が浅く、普遍的なものではないのだと感じさせられます。

2009/11/29

発展途上国の人工の5分の1が40歳まで生きられない。
世界で12億人の人が1日1ドル以下で生活している。毎年600万人の5歳児以下の子供が死んでいる。
世界には10億人の読み書きできない成人がいる。その52％がインドと中国。

2009/10/04

これからの世界はどうあるべきか、非常に考えさせられる本でした。

幸せとは何か。
富とは何か。
貧困とは何か。
自立とは何か。

もちろんこの本を読んだだけで簡単に答えが出てくるものではなく、こうした内容への興味を持つためにも役立つ本ではないかと思いました。

2009/10/04

昔イベントで世界の貧困問題を取り上げたときに読んだもの。目をそむけてはいけない問題だと思います。読んでる最中、自分たちのふがいなさに泣けてきました。