全ての装備を知恵に置き換えること の商品レビュー
石川さんの言葉以上に、イヴォンさんの言葉に感動した。 14ページまでに、この本のエッセンスが凝縮している。 ふるえた。 技術を生み出す人間の知恵も素晴らしい。 その一方で、人間に備わっている力・感覚・知恵・感情もまた、素晴らしい。 原始の人たちって、自分より劣った存在なのだろ...
石川さんの言葉以上に、イヴォンさんの言葉に感動した。 14ページまでに、この本のエッセンスが凝縮している。 ふるえた。 技術を生み出す人間の知恵も素晴らしい。 その一方で、人間に備わっている力・感覚・知恵・感情もまた、素晴らしい。 原始の人たちって、自分より劣った存在なのだろうか? 違う。 ほとんど変わらない。 進化はそれほど早くない。 だとしたら、身一つでできることが沢山あるんじゃないだろうか。 人って、ハイテクがなくても、けっこうできるんじゃないか。 技術を生み出すことによって、人間は行動範囲やできることを増やしていく。 だから、気球で空を飛んだり、太平洋を横断しようという挑戦ができたりするのだ。 だから、技術を否定するつもりはない。 それも素晴らしいものなのだ。 人間の底力と技術とが合わさったら、面白い。素晴らしい。 この本から、石川さんのそのような姿を感じることができた。 でも、ちょっと一般人にはまねがしにくいな。 憧れや尊敬を感じる一方で、 貧乏旅行といったところで、結局裕福だよな、石川さんは金持ってんな、と思った。正直。 そして、もし息子が同じようにしたいと言い出しても、心配でなかなか送り出せないと思う。 おじいさまが小説家ということがあって、ちょっと特殊な感覚の家庭でそだったのかな? しっかりした息子さんだったから、安心して送りだせたのかな? もう、すっかり汚れた大人になってしまった私には、そんなことが気になってしまって、ダメだな。
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旅をしたくなったら、読みましょう。 忙しくて行けない時、 『よし、海外行こう!』 と思わせてくれる。
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石川直樹、20代前半の冒険記録。文章は観念的で夢見がち。若さゆえのナルシシズム、クサさみたいなものがプンプンするけれど、実際行ってる場所やそこでやっていることはホンモノの冒険家のそれだと思う。すごい、のひとこと。この人は思考より先に体が一線を越えてしまう人なんだろうな。うらやまし...
石川直樹、20代前半の冒険記録。文章は観念的で夢見がち。若さゆえのナルシシズム、クサさみたいなものがプンプンするけれど、実際行ってる場所やそこでやっていることはホンモノの冒険家のそれだと思う。すごい、のひとこと。この人は思考より先に体が一線を越えてしまう人なんだろうな。うらやましい。 「予測できる未来ほどつまらないものはない。道の先に何があるかわからないから面白いのであって、安心できる予定調和など必要ないはずだ(p.230)」 さらりと言い切れてしまうのは、腹の底からそう思える生活をしているから。年がら年中冒険野郎でいることが、本人にとって一番ストレスがない自然の姿だからだろう。つくづくすごい人だ。
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北極から南極まで縦断するP2Pプロジェクトの本で名前を知った石川さんの本 若き頃から冒険の中に身をおいてきて、何冊か本を読ませていただいているが、著者の中では珍しいエッセイ集だ 文は達者で、いきいきとした描写は沢木氏にも比すべき手練なのだが、彼の他の本に比べると少し見劣りしてしま...
北極から南極まで縦断するP2Pプロジェクトの本で名前を知った石川さんの本 若き頃から冒険の中に身をおいてきて、何冊か本を読ませていただいているが、著者の中では珍しいエッセイ集だ 文は達者で、いきいきとした描写は沢木氏にも比すべき手練なのだが、彼の他の本に比べると少し見劣りしてしまうのは残念
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冒険家であり写真家の石川直樹さんのエッセイ集。 23歳で「Pole to Pole」(その名の通り、北極から南極までを人力踏破するプロジェクト)を完遂。24歳でチョモランマへ登頂している。 好きなところから気軽に読める。しかし、面白いので結局すべて読んでしまうという罠。 とにかく序章である「すべての装備を知恵に置き換えること」が素晴らしい。パタゴニアの創始者であるイヴォン シュイナードの言葉ひとつひとつは、人として忘れていた「野性」を思い起こさせる。 石川さんがこの本の中で何度か口にした「過保護な日本社会」。スーパーに行くと何も言われずレジ袋に入れられるような「お客を子ども扱いしている」過保護な過剰サービスにNoと言っている。そうではなく、「消費者を自立した人」とみなし、あくまでシンプルに価値を提供していくほうがいいのではないかと問いかける。 すべてをアウトソーシングしていき、過保護に手取り足取りサービスされることで、生きていく力を失う。逆にひとつひとつの行為を自分の手元においていくことで、本当の自立を得ることができる。それは、「すべての装備を知恵に置き換えること」なのだ。
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冒険家石川直樹のエッセイ。 チョモランマも、北極も、アフガニスタン、アラスカ・・ これから私が行くことはないだろうし、こうした生き方はしていかないだろうけど、毎日ご飯を食べ、働いく中で考えていることと同じである。人生は旅だなんて、くさい言葉だけど、その通り。 まだ見ぬもの、やって...
冒険家石川直樹のエッセイ。 チョモランマも、北極も、アフガニスタン、アラスカ・・ これから私が行くことはないだろうし、こうした生き方はしていかないだろうけど、毎日ご飯を食べ、働いく中で考えていることと同じである。人生は旅だなんて、くさい言葉だけど、その通り。 まだ見ぬもの、やってくるものを楽しむように、進んでいく。 旅にもっていきたい本だな。
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アパレルのパタゴニアの創設者と、石川直樹の会話。冒頭のやりとりが とても興味深かった。人の本当の「強さ」「真の冒険」生きる楽しみが 何ページかに凝縮されている気がする。 これだけのことが書いてあるのに、パタゴニアが捕鯨反対を支援してい るのはどうしてだろう?と思ったりもし...
アパレルのパタゴニアの創設者と、石川直樹の会話。冒頭のやりとりが とても興味深かった。人の本当の「強さ」「真の冒険」生きる楽しみが 何ページかに凝縮されている気がする。 これだけのことが書いてあるのに、パタゴニアが捕鯨反対を支援してい るのはどうしてだろう?と思ったりもした。
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カヌーを漕ぐと水面と目線があまり変わらない。 彼の目線はカヌーの目線。 いろんなところに飛び込んだりいろんなものに出合ったりする中で、 ボーダレスで深い懐の持ち主であることが文章にも表れてる。 冒険家野郎みたいな汗臭さはなし、誠にスマート。 良い意味で、空っぽな人なんだと思う。
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「この木を怒らせてはいけないし、悲しませてはいけない、てっぺんが見えないほどの巨木を前に、湧きあがる気持ちを押さえられない。」(闇 ニュージーランド) 1977年生まれ、冒険家そして写真家。中学生の時に青春18きっぷで日本中を旅して、高校生の時に一ヶ月間インド・ネパールを放浪...
「この木を怒らせてはいけないし、悲しませてはいけない、てっぺんが見えないほどの巨木を前に、湧きあがる気持ちを押さえられない。」(闇 ニュージーランド) 1977年生まれ、冒険家そして写真家。中学生の時に青春18きっぷで日本中を旅して、高校生の時に一ヶ月間インド・ネパールを放浪。2000年には、世界中から集まった冒険家が北極から南極までを縦断するPOLE TO POLEに、日本代表として参加。チョモランマ登頂。熱気球による太平洋横断への挑戦。ミクロネシアで伝統航海術を学び、ハワイでホクレア号のトレーニングに参加。等等等。 書き連ねているだけで目が回りそうな経歴の持ち主である彼の文章はしかし、徹底的に優しさに満ち溢れている。 「春を待つ葉ひとつない冬の梅林の後ろ姿は静謐だった。来たるべき春夏秋冬のことをじっくり考えているのだろうか。」(春 修善寺) 自然を見つめる眼差しは、支配する奢りでも、翻弄される恐れでもない。ひとつの対等な存在として向き合う。命がけで、だけど愛情たっぷりに。 経験した人にしか書けない言葉があることを、触れた人にしか表現できない手ざわりがあることを、世界はめちゃくちゃ広くて私たちはほんの一部しか見ていないことを、久しぶりにものすごく考えました。 「ぼくはシロクマと向かい合った瞬間の風景が忘れられない。それは単なる記憶の断片というよりは、今見えている世界が、世界のすべてではないということを思い出させてくれる大切な風景として時おりふっとよみがえることがある。」(シロクマ 北極)
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