反日と反中 の商品レビュー
出版から10年ほど経ち、さらに大きく日中関係、日韓関係は大きく変動して、第二次大戦後最大の危機とまで言われていますが、現代でもこの本の意味はあると思います。互いに歴史的事実を掘り下げ、論理的に、そして冷静に論議している間、しているつもりになっている間はやはり関係は解決することはな...
出版から10年ほど経ち、さらに大きく日中関係、日韓関係は大きく変動して、第二次大戦後最大の危機とまで言われていますが、現代でもこの本の意味はあると思います。互いに歴史的事実を掘り下げ、論理的に、そして冷静に論議している間、しているつもりになっている間はやはり関係は解決することはないでしょう。互いに言い分は確かにある一方、逆を返せば、非がある中でどれだけ自国に有利な事実を言っても意味がなく、さらに助長するだけです。この本にもあるように経済関係をさらに強固なものにして戦争だけは避けるのが現実的であるでしょう。何か虚しく、筆者の募る思いがひしひしと伝わる一冊です。
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去年の尖閣諸島問題以降、特に高揚したように思える反日/反中感情ですが、それを題材にした1冊。この本自体は2005年に出版されているのですが、今の両国間の対立を読み解くのにも十分参考になると思います。著者の主張を鵜呑みにする必要もないと思いますが、ショービニスティックになりがちな感...
去年の尖閣諸島問題以降、特に高揚したように思える反日/反中感情ですが、それを題材にした1冊。この本自体は2005年に出版されているのですが、今の両国間の対立を読み解くのにも十分参考になると思います。著者の主張を鵜呑みにする必要もないと思いますが、ショービニスティックになりがちな感もある現在の日本に足りない視点を教えてくれる著作なんじゃないかと思います。
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[ 内容 ] 近年、中国では反日感情が高まり、日本でも反中感情が芽生えている。 経済的にはますます相互依存が深まっている両国で、いまなぜこうした現象が起きているのだろうか? 近代以降の日中関係には、靖国神社参拝や尖閣諸島、歴史教科書といった個別の問題だけでは説明することのできない...
[ 内容 ] 近年、中国では反日感情が高まり、日本でも反中感情が芽生えている。 経済的にはますます相互依存が深まっている両国で、いまなぜこうした現象が起きているのだろうか? 近代以降の日中関係には、靖国神社参拝や尖閣諸島、歴史教科書といった個別の問題だけでは説明することのできない、長い歴史のなかで形成された複雑な国民感情が横たわっている。 現代に影響を与え続ける日中の歴史をひもときながら、不毛な感情的対立を超え、東アジアの両国が共に発展しうる道程をさぐる。 [ 目次 ] 第1部 感情的反発としての反日と反中-狭隘なナショナリズムか(中国の反日騒動 日本の反中感情) 第2部 対日観と対中観のルーツを求めて(中華世界の安定から動揺、そして再興へ 日本の国民感情としての反中意識-羨望感の倒錯 中国の国民感情としての反日意識?蔑視観の倒錯) 第3部 共産党支配と経済的擡頭(国民を結束させるためには反日は不可欠 中国の市場経済への驀進は「脅威」か、「軽蔑」か) 第4部 争点とその行方(今日の反日と反中の対峙 本当に反日と反中を超克できるか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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中国における反日、抗日と、日本における反中、蔑中を日中両面の歴史を簡単に紐解きながら、 感情的な変遷をつづる。 確かに、自分自身が持っている感覚や歴史認識は一方的なもの。 中国人が持っている日本のイメージもかなり一方的。 しかし、中国の一党主義体制下、イデオロギーや15億人の国...
中国における反日、抗日と、日本における反中、蔑中を日中両面の歴史を簡単に紐解きながら、 感情的な変遷をつづる。 確かに、自分自身が持っている感覚や歴史認識は一方的なもの。 中国人が持っている日本のイメージもかなり一方的。 しかし、中国の一党主義体制下、イデオロギーや15億人の国民意識をまとめる上で、 反日思想はきっても切り離せない。 それは本書を読むとよくわかる。 逆に、日本が中国を軽視してきたからこそ、知識がなさ過ぎるのも問題だろう。 隣国でありながら、逆に背を向けてアメリカを見続けてきた歴史。 違和感や蔑視ではなくて、暖かい目で見て、 ともに歩みよれる日がくるといいな。 個人的には非常に面白くて、ピュアな人達が多いと思う。 たしかに拝金主義的な感じはあるけど、 何をするにも本当にお金が大事なしくみになっている。 おしつけちゃいけないし、それぞれの国の事情や自国の歴史を顧みず、それを 理解しようとしないで否定的な、盲目的な意見を言う人にはきちっと反論してあげたい。
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いままでこの手の著作は、何とかして日中両国の明るい未来を模索しようとしていた。しかし、この本で著者は「日中は分かり合えない」と言い切っている。ここまで言い切れるのは大したもの。
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