ヘルマン・ヘッセ全集(4) の商品レビュー
田舎に生まれた天才児ハンス・ギーベンラートは有名学校に合格するが、そこで初めて人生とはという問いに陥り、勉強しかしてこなかった大事な成長期のために、悩み、困惑し、憤り、希望を見出し、再び悲しみに打ちひしがれ、と苦悶する話 最後にそのような境遇に追い込んでしまった親たちの反省がある...
田舎に生まれた天才児ハンス・ギーベンラートは有名学校に合格するが、そこで初めて人生とはという問いに陥り、勉強しかしてこなかった大事な成長期のために、悩み、困惑し、憤り、希望を見出し、再び悲しみに打ちひしがれ、と苦悶する話 最後にそのような境遇に追い込んでしまった親たちの反省があるが、果たして本人の力によって抜け出す術は無いのだろうか
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君も、こうなるかもしれないんだ。 ハンスが耳元でそうつぶやいてくるような気がした。 車輪の下、この作品は個人的にとても尊敬している伊藤貴雄先生が新しく翻訳されたものである。 言葉ひとつひとつに作品への愛を感じ、情熱的な文章に心が掻き立てられ、夢中になって読んだ。 私は序盤にある靴屋フライクのこの言葉がとても好きだ。 「神様はそれぞれの人にちがう思し召しをもっておられるんだと。そして、その人にしか行けない道に導いておられるんだと」 フライクの言葉はハンスの人生の歯車を変えることはできなかったけれど、多くの子供たちが、この言葉に触れ、どうか車輪の下に押しつぶされることのないように、と願うばかりである。
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