「生きる」という権利 の商品レビュー
ここに書かれている内容が真実ならば、私たちは何と希望の持てない国に生きているのだろうかと暗澹たる気持ちになった。 光市の母子殺害事件で「死刑廃止論者」として「裁判の不当な妨害」を図ったとして報道され、バッシングされていた著者の安田弁護士の手記。光市事件以前のオウムの麻原をはじめ...
ここに書かれている内容が真実ならば、私たちは何と希望の持てない国に生きているのだろうかと暗澹たる気持ちになった。 光市の母子殺害事件で「死刑廃止論者」として「裁判の不当な妨害」を図ったとして報道され、バッシングされていた著者の安田弁護士の手記。光市事件以前のオウムの麻原をはじめ数多くの死刑囚の弁護について綴られている。読んでいて絶望的な気持ちになるのは、事件を立件しようとする検察のみならず、裁判官までもが公正を欠いているということが赤裸々に描かれているから。物事は多面的であるからそのまま鵜呑みに出来ない部分もあるかと思うが、最近検察が証拠捏造で逮捕された一件から考えるとどうやら全くの創作ではないのだろう。 「権力」の側が振りかざす過剰な管理と暴力について考えさせられた。ここで書かれているのは特別な思想・信条の人に限られた話ではなく、いつ自分の身に起きてもおかしくない。自分ひとりで出来ることはあまりに少ない。
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読了。面白かったなぁ。 「かつて法務省には、刑務所の実態を把握するため役人が身分を隠し、一受刑者として一年間ほど体験入所する制度があった」という話が、鬼塚賢太郎裁判官を語るエピソードとして出てきたんですが、廃止にしちゃったんですね、この制度。もったいないなぁ。 あと、山谷の...
読了。面白かったなぁ。 「かつて法務省には、刑務所の実態を把握するため役人が身分を隠し、一受刑者として一年間ほど体験入所する制度があった」という話が、鬼塚賢太郎裁判官を語るエピソードとして出てきたんですが、廃止にしちゃったんですね、この制度。もったいないなぁ。 あと、山谷のエピソードも凄かったです。その頃に比べれば、日本も平和になったんだなぁと、やはり実感せざるを得ない。
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死刑事件を多く担当してきた弁護士の書いた本。刑事裁判のことを弁護人の立場から書かれてるので、捜査官から見た視点とは違う目で刑事裁判のことを考えるきっかけになると思う。
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