わるいやつら(下) の商品レビュー
最後まで読むと、上巻…
最後まで読むと、上巻の最初の方に書いてあった事がピタリと当てはまり、こういうことだったのか!と納得。最初からもう一度読みたくなるすばらしいラストでした。
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ドラマ化された話題作…
ドラマ化された話題作。完全犯罪のごとく繰り返された殺人が驚きの展開に。
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悪いヤツには罰が下さ…
悪いヤツには罰が下される・・・、でも実際一番罪深かったのは法では裁ききれない人間なのかもしれないと思った。でも婦長のタミがなんとなく浮かばれない気がした・・・
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常に読んでいてハラハ…
常に読んでいてハラハラさせられていましたが、最後が一番衝撃的でした。
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上巻に続いて、約15年振りの再読。 もう最高の転落劇。 スカッとしたというか、笑ってしまうというか。 同じ敵ができたときの、女の団結力はすごいからね。チセとトヨが組んだのは納得。 そして結局、下見沢みたいな一見冴えない男が高嶺の花をうまいこと手に入れるものよね。 戸谷の横武たつ子なら絶対自分の味方だったと思える根拠のない自信が拍手したいくらい素晴らしい(笑) 案外、網走でも自己肯定感高く生き延びていきそう。
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背筋が凍るような感覚がありつつも下巻は一気に読んでしまいました。 戸谷の焦りや恐怖が自分のことかのように感じられ、終盤は気が気ではなかったです。 最後まで自省がなく他責思考なのは反社会性パーソナリティなのかな、なんて思いました。救いようがない愚かな人間をここまで描写できるのは流石としか言いようがありません。
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自分の欲望を満たすべく犯行を決行する病院長の戸谷信一。病院長でありながら、色と金銭欲にまみれた自分勝手な男の末路を描く。それ以上の「わるいやつら」が登場する。最後の戸谷が見たものでやはりそういう事だったのかとわかる恐ろしさ。上下2巻の長編ですが、文章は読みやすかったです。2023...
自分の欲望を満たすべく犯行を決行する病院長の戸谷信一。病院長でありながら、色と金銭欲にまみれた自分勝手な男の末路を描く。それ以上の「わるいやつら」が登場する。最後の戸谷が見たものでやはりそういう事だったのかとわかる恐ろしさ。上下2巻の長編ですが、文章は読みやすかったです。2023年8月19日読了。
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『わるいやつら』 2023年5月28日読了 題名のとおり「わるいやつら」ばかりである。 登場する人すべてが、何かしらの悪事を働いている。 他の作品では刑事側の視点に立ち、謎が解き明かされていく様子を楽しむミステリーだったが、本作は犯人側の視点に立ち、いつ自分の悪事が明るみになってしまうのかと、そのドキドキ感を味わえるサスペンスであった。 それにしても、主人公であり病院の院長でもある戸谷真一のクズっぷりたるや。 数多くの愛人を抱え、しかも彼女らを金づるとしか思っていないのだ。いざ利用価値がないとわかると、冷徹にも捨ててしまう。 前半は戸谷のクズさに少しばかりイライラしつつ、看護婦長の寺島トヨの薄気味の悪さにおびえつつ話が進んでいく。文章全体にねっとりとしたうすら寒さが漂い、物語の行方を暗示させている。 後半は、庇いきれないいくつもの悪事を重ねた戸谷の、どうにも落ち着かない心情が丁寧に描き出される。おもわず自身と戸谷とを重ね合わせて、何者かに徐々に追いつめられる緊張感を味わってしまった。特に、刑事とのやり取りは秀逸で、どこまで知られているかわからない状況での攻防戦は、手に汗にぎる一幕だった。 独房で一人「自分に面会に来てくれる人物はいるだろうか」と考えを巡らせ、 「それは自分が殺した横武たつ子ただ一人」と回想する場面。 わたしの中で一番印象的だった。 自業自得と言ってしまえばそれまでだろうが、なんと可哀そうな結末だろう。 きっと網走の監獄で、一人死に行く彼は、幾度となくそれを思い、苦しむのだろう。
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昭和35年から週刊新潮にて約1年間、連載された小説らしい。考えてみれば、半世紀以上も前に書かれた作品。当時の医師や弁護士となると、現在よりさらに社会的な地位や信頼も高かったと推察されるが、こうした職業人をストーリーの中心に据えるのあたりは、松本清張ならであるように思われる。また、...
昭和35年から週刊新潮にて約1年間、連載された小説らしい。考えてみれば、半世紀以上も前に書かれた作品。当時の医師や弁護士となると、現在よりさらに社会的な地位や信頼も高かったと推察されるが、こうした職業人をストーリーの中心に据えるのあたりは、松本清張ならであるように思われる。また、骨董の世界の裏と面も、重要なポイントになっている。本作品の特徴は、登場人物がすべて悪人であること。まさに、タイトル通り「わるいやつら」である。弁護士の下見沢、そして槙村隆子のその後の人生が気になる。
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