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分冊文庫版 狂骨の夢(下) の商品レビュー

4.2

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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ようやく膨大な数の謎…

ようやく膨大な数の謎がつながり解決する。ほとんど予測できない結末だったので、かなり満足。全体の構成が、複雑で緻密。長編で複雑なので、一度読んだだけでは詳細まで理解できなかった。きっと作者は、恐ろしく緻密で膨大なプロットに沿って、大変な忍耐で書き上げたのだと思う。その根性を尊敬する...

ようやく膨大な数の謎がつながり解決する。ほとんど予測できない結末だったので、かなり満足。全体の構成が、複雑で緻密。長編で複雑なので、一度読んだだけでは詳細まで理解できなかった。きっと作者は、恐ろしく緻密で膨大なプロットに沿って、大変な忍耐で書き上げたのだと思う。その根性を尊敬する。

文庫OFF

幾度も繰り返される現…

幾度も繰り返される現実とは思えない事件。京極道の憑き物落としの過程で明らかにされる登場人物達の悲願。でも,それに翻弄された人達のラストは救いがなさ過ぎる…。

文庫OFF

見事に繋がっていく様…

見事に繋がっていく様は圧巻でした。こんな風になっていたのかと感動すら覚えます。正直、一回目よりも二回目の方が前後関係が分かっていて読みやすかったです。

文庫OFF

2024/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シリーズ3作目。 逗子の海岸での出会いが、抒情的。にしてもちろん怪奇。 前作でちょろっと出てきた伊佐間一成が、またとぼけた雰囲気で好ましい。 さらに焦点となる宇多川朱美の、キップのいい口調がさらに好ましい。 そしてキリスト教会の、降旗弘および白丘亮一の屈託。 フロイトへの拘泥は自分にとっても他人事ではなく、息が詰まるようだった。 そのうえ密教やら髑髏やら……むしろある程度知識を得た中年になって読んでよかった。 ボルヘス「円環の廃墟」や、折口信夫「死者の書」の、"受肉叶ったパターン"を知っているからこそ、後半のおぞましさを逆から想像することができた。 京極堂が降旗へ投げた言葉は、今後も思い出していきたい。

Posted byブクログ

2023/11/26

京極夏彦の和風ミステリー『狂骨の夢』、分冊文庫版の下巻。 「金色髑髏事件」、「二子山集団自殺事件」、「小説家・宇田川殺害事件」―――逗子近辺で発生した奇妙な事件。牧師・白丘、元精神神経科医・降旗、そして"朱美"を苛む悪夢。「髑髏」に願いを託そうとした者どもの...

京極夏彦の和風ミステリー『狂骨の夢』、分冊文庫版の下巻。 「金色髑髏事件」、「二子山集団自殺事件」、「小説家・宇田川殺害事件」―――逗子近辺で発生した奇妙な事件。牧師・白丘、元精神神経科医・降旗、そして"朱美"を苛む悪夢。「髑髏」に願いを託そうとした者どもの思惑が明らかとなった時、全ての事柄が繋がりを持ち、おぞましくもむなしい真相が明らかとなる―――。 前作、前々作に続いて、これまた凄い作品であった。真相が語られ始めて、いきなり日本神話とか"神の骨"とか出てきて、「これどう収拾つけるつもりなんだ」と思いながら読み進めていたら、すごいすごいどんどん収斂されいくわ!もはや読者が推理できるレベルを超えているし、これら全ての真相を解き明かす京極堂が文字通り超人化しているんだけど、その読者を圧倒する筆致にもう「それがいいんだよ!」ってなってしまう!こんな物語を書き上げてしまう京極御大、マジぱないっす!

Posted byブクログ

2020/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ちょうどもののけ姫を最近観たところで、隼別王子の叛乱を読了するのに挫折したところなので、お寺と神主のところは興味深い謎解きでした。あと、皿屋敷の講談を聴きに行ってきたところなので。神田松鯉すばらしかった。 いつも通り京極堂が登場するとこのうえなく盛り上がりました。よくこんなこと思いつくなあ、よくこんなにわかりやすく書けるなあと。 南北朝のところは自分が知らなさすぎるので調べました。後醍醐天皇に仕えた楠木正成が攘夷志士の理想であったということ。また、大覚寺統、持明院統のはじめの方に出てくる後深草天皇がとはずかたりにでてくる、くらいの印象しかなかったので勉強になりました。歴史の授業ちゃんとうけていればよかったのですが、勉強内容というより、勉強するという行為が面倒くさいんだと思います。よくないけれど勉めて力いるとも読めるので。

Posted byブクログ

2020/06/08

再読。当時読んだ時は武御名方だとか後醍醐の末裔だとかフロイトだとかのガジェットが難しく感じられてそこまで没入することができなかった。再読した今でもそういう難しい部分を全部理解できたとは思えないけれど、それでも昔より何かは分かったような気がする。

Posted byブクログ

2020/03/20

中巻に引き続きボンヤリと読み進めてしまい、 盛り上がりどころを掴めずに読了。 やはり京極作品は一気に読んでしまわないとな。 時間が空いてしまうと、どうしてもダラダラ読みになってしまう。

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2018/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったです。首無し死人が復活するだの、それを三度殺しただの、それをどのように決着するのか楽しみにして読みました。なるほど~と納得させられてしまうのは、京極堂の弁舌にしてやられているのかもしれません。長さも苦にならないほど、どっぷりと楽しませていただきました。

Posted byブクログ

2018/01/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

らじの予想どおり、朱美さんはホンモノの朱美さんじゃなかったけど、お隣の奥さんが本物の朱美さんだったのはビックリした。 戦後の混乱期に南朝の血を引く自分が正当な天皇だって言いだした人はいたみたいだけど、そういった立場の人が密教立川流の本尊をつくるべく怪しい儀式を男女で繰り広げていたとか、まぁおどろおどろしくて、でもあり得そうで、なんだか生々しかったよ。 平安時代からこれ、それなりの地位にあるお家の人は恋愛感情ナシで奥さんをもらったり嫁に行ったりが普通だったし、そうなると男女の儀式も「儀式」として受け入れるのに異を唱えない育ち方をした人もそれなりにいるんだろうね。 まぁ、それを現代に持ち込むといろいろあるわけで、でも、一夫一婦制でそれを長く続けるのが良しとする思想は案外近代的なものだし、それこそ神世の時代に近づけば近づくほど、男女の関係はサバっとしていて、いわゆる夜に行われるお祭りなんて男女が睦みあうためのものだったりとか、本来日本人は性におおらかな民族だったとも言われているわけで…。 ……脱線しちゃった。 けっこう下巻はドロっとしていて良かったです。 まぁ、心が弱そうに見える人ほど案外簡単に人を殺すし、首も切っちゃうのかねぇ…。

Posted byブクログ