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最後の一壜 の商品レビュー

4.2

11件のお客様レビュー

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異色作家エリンの短編…

異色作家エリンの短編集。独特の雰囲気の作品が集まっています。きっとお気に入りの一編が見つかるはずです。

文庫OFF

今から30年近く前に…

今から30年近く前に書かれた 短編小説の名手の作品集。 ノワール小説に通ずるところもある作風が全体的に見受けられて どの作品もそれなりに楽しめるが、 なかでも『壁のむこう側』で描かれた主人公の内面の葛藤と衝動は、 学生時代に犯罪心理を勉強した身にはもっとも心を躍らされた。 表題作...

今から30年近く前に書かれた 短編小説の名手の作品集。 ノワール小説に通ずるところもある作風が全体的に見受けられて どの作品もそれなりに楽しめるが、 なかでも『壁のむこう側』で描かれた主人公の内面の葛藤と衝動は、 学生時代に犯罪心理を勉強した身にはもっとも心を躍らされた。 表題作『最後の一壜』や『不可解な理由』も 「業」とも呼べる人間の罪深き一面を見事なほどに淡々と描いていて、 逆にその凄まじさをヒシヒシと感じさせる。

文庫OFF

2016/07/15

『特別料理』ほどじゃないけど、短い中に意外な結末ありで、やはり面白い。今回はホラーよりもミステリ色が強いと思った。 あまりの真相に笑いすらこみ上げてくる「127番地の雪どけ」「古風な女の死」「最後の一壜」。 個人的に衝撃的だったのは「世代の断絶」。ヒッチハイクの危険を書いてるんだ...

『特別料理』ほどじゃないけど、短い中に意外な結末ありで、やはり面白い。今回はホラーよりもミステリ色が強いと思った。 あまりの真相に笑いすらこみ上げてくる「127番地の雪どけ」「古風な女の死」「最後の一壜」。 個人的に衝撃的だったのは「世代の断絶」。ヒッチハイクの危険を書いてるんだけど…15才のヒロイン、あんなことがあったのに何も理解してないことに驚いた。

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2014/11/29

短篇の名手 Stanley Ellin の第三(そして最後の)短編集。珠玉の、というのは陳腐なレトリックだが、しかし、まさにこのような短篇集にこそふさわしい。 Stanley Ellin はその代表作『特別料理』からして、「こういう話だろうな」というのが見え見えな誰にでも馴染の...

短篇の名手 Stanley Ellin の第三(そして最後の)短編集。珠玉の、というのは陳腐なレトリックだが、しかし、まさにこのような短篇集にこそふさわしい。 Stanley Ellin はその代表作『特別料理』からして、「こういう話だろうな」というのが見え見えな誰にでも馴染のあるプロットを、しっかりと完成されたサスペンスへと昇華させるのが巧い。この『最後の一壜』で言えば、映画のセット用に等身大のハリボテ彫刻を作っている男の妹が映画プロデューサーの毒牙にかかり、やがて撮影所内でそのプロデューサーが謎の失踪を遂げる『12番目の彫像』が好例。もちろん話の行く着く末は他に無いわけだが、これが謎と驚きに満ちた短篇へと化けるのだ。 お気に入りのベスト3 は、言い得て妙としか表現のしようがない絶品のタイトル『世代の断絶』、悋気な画商に対する復讐が楽しく溜飲が一気に下がる『画商の女』、この構成は鮮やかとしか言いようのない『壁のむこう側』。次点が奇想の殺人(?)事件、表題作の『最後の一壜』。

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2012/12/01

スタンリイ・エリンのミステリー短編集。スタンリイ・エリンは短編の名手として有名な割には書いた短編の数はそれほど多くないらしい。しかし、50年近く前の作品ですがどれも非常によく推敲されていて、飽きや古臭さを感じさせません。

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2011/03/26

なんだろう。 現代ミステリと比べて古めかしさは否めないし、オチも別に奇抜なものはないのだが、一遍一遍なぜか引きよされた。 これが短編が巧いということなのだろうか。 ■このミス2006海外10位

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2010/12/22

「そのワインは、1929年にサントアンの葡萄園でわずか40ダースだけが製造されたという。今日ではそのすべてが失われ、多くの専門家が史上最高の名品であろうとしながら、誰ひとりとして現物を味わったこともなければ、ボトルを見たことすらなかった。その伝説のワイン、ニュイ・サントアンが、た...

「そのワインは、1929年にサントアンの葡萄園でわずか40ダースだけが製造されたという。今日ではそのすべてが失われ、多くの専門家が史上最高の名品であろうとしながら、誰ひとりとして現物を味わったこともなければ、ボトルを見たことすらなかった。その伝説のワイン、ニュイ・サントアンが、たった一本残っていた! この世の最後の一壜をめぐる、皮肉で残酷きわまりない復讐劇とは……表題作をはじめ、人間性の根源に潜む悪意を非情に描き出す、傑作の数々を収録。年に一作のペースでじっくりと熟成された、香り高き名品を堪能してください。」(ハヤカワポケミス版紹介文) 20世紀米国の作家、スタンリー・エリンの短編集です。この人の作品には短編が多くて、ミステリ系のアンソロジーなんかにぽつぽつ入ってたりするんですが、中でも有名なのはデビュー作「特別料理」(この本には収録されていません)でしょうか。その「特別〜」をはじめ、探偵が謎を解いたり読者が推理したりするような一般的(?)「推理小説」とは違う系統の作品が多いですが、ほぼ全作品の初出が『エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン』ということらしいですし、少なくとも「ミステリ」の範疇には入るだろうと思います。「奇妙な味」ってやつかもしれません。 そんな能書きはさておき……。収録されているのは以下の15篇です。 「エゼキエレ・コーエンの犯罪」 「拳銃よりも強い武器」 「127番地の雪どけ」 「古風な女の死」 「12番目の彫像」 「最後の一壜」 「贋金づくり」 「画商の女」 「精算」 「壁のむこう側」 「警官アヴァカディアンの不正」 「天国の片隅で」 「世代の断絶」 「内輪」 「不可解な理由」 なかなか気の利いた作品ばかりですが、いずれにも共通する淡々とした描写が、かえってストーリーを高める効果を生んでいるように思います。ちなみに、個人的に特に印象に残っているのは表題作の他「古風な女の死」「贋金づくり」「壁のむこう側」辺りです。 本当はここで全15話の紹介・感想を書きたかったんですが、こんなにあると気力が湧きません。加えて、下手にあらすじを書くと面白味が減ってしまう作品が多いように思うので、今回はあえて何も書かないということにします(めんどくさいだけ)。 ということで、興味をお持ちの方はぜひご自身でお読みになってみてください。おすすめです。 (大英堂ファン)

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2009/10/04

手練による短編は、この世でもっとも素晴らしいもののひとつだ。『特別料理』のスタンリイ・エリン、最後の短編集(こんなふうにいつまでも処女作を引き合いに出されるのはいやだろうか?)。 ‘奇妙な味’のイメージが強いエリンだが、本書の作品のジャンルは幅広い。なかでも印象的だったのは『エゼ...

手練による短編は、この世でもっとも素晴らしいもののひとつだ。『特別料理』のスタンリイ・エリン、最後の短編集(こんなふうにいつまでも処女作を引き合いに出されるのはいやだろうか?)。 ‘奇妙な味’のイメージが強いエリンだが、本書の作品のジャンルは幅広い。なかでも印象的だったのは『エゼキエレ・コーエンの犯罪』。一人の女性の強い信念が、過去の事件の真実を暴く。その信念に支えられ、主人公は自身の問題に立ち向かう力を得る。スタンダードで前向きな本格推理だ。エリンなのに。ファンタジックでブラックな短編もいいが、こういうのももっと書いてくれたらよかったなあ。

Posted byブクログ

2009/10/04

スタンリー・エリン短編集。どれも二時間ドラマの原作になりそう。簡潔明瞭おもしろい。読後感も悪くない。「最後の一壜」などは、キャストも頭にうかんだほど。

Posted byブクログ

2009/10/04

人間心理を鋭くついたものだったり、ブラック・ユーモアがきいたものだったり。わりと好きな作風でした(*^m^*) でも、個人的には作品のおもしろさにムラがあって、クゥーー♪(=´∇`=)としびれるものもあれば、え?(゜▽゜;) ってな具合の話も。まさに玉石混淆って感じかな?

Posted byブクログ