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自由という服従 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2009/10/04

最近ニュースなどで、「自由」という言葉を聞くことが増えています。 この言葉が用いられると、「良い」というイメージが付きまといます。 しかし、実際には「自由」とは何かを真剣に考えることはあまりありません。 本書は、「自由であるって、本当に幸せなんだろうか」という問題意識を提起するも...

最近ニュースなどで、「自由」という言葉を聞くことが増えています。 この言葉が用いられると、「良い」というイメージが付きまといます。 しかし、実際には「自由」とは何かを真剣に考えることはあまりありません。 本書は、「自由であるって、本当に幸せなんだろうか」という問題意識を提起するものです。 「自由である」ということは、自分に選択肢が与えられるということであり、 したがって、他人がその人となりを判断できることになります。 著者は、身近な題材・ユニークな題材を用いて、自由と服従(従属)の関係を類型化しようと試みます。 「人は、自由であるがゆえに、知らず知らずのうちに、他人の評価を気にし、それに服従している」というのが、著者の主張です。 つまり、「自由」は肯定され、「服従」は否定されるべき−そんな単純な図式を否定するのです。 非常に興味深いです。 ただし、「自由」と「服従」とを表裏一体のものと主張してきた著者が、後半には「服従」だけを無くそうとしている点などは、前半の論旨と多少の食い違いがあるように思われます。 最初にも書きましたが、「自由」が至上のもののように扱われている時代だからこそ、 その「自由」とは何なのかを冷静に見つめたいと思います。

Posted byブクログ