ヒッチコック×ジジェク の商品レビュー
ヒッチコックの映画は「鳥」しか見たことがない者にとって、それぞれの映画についての詳細な分析や論評は、その書いてある内容をほとんど理解できなかった。ヒッチコックの作品を網羅的に鑑賞して、あらためてこの本を読めば、多少なりとも書いていることが理解できるのかもしれない。
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(01) ジジェクのほか、リュブリャナ大学の研究者、カイエ・デュ・シネマの映画評論家などがヒッチコック映画を批評している。取り上げられる主な映画は、疑惑の影、汚名、北北西に進路を取れ、殺人!、バルカン超特急、サボタージュ、裏窓、知りすぎていた男、間違えられた男、サイコなどである。...
(01) ジジェクのほか、リュブリャナ大学の研究者、カイエ・デュ・シネマの映画評論家などがヒッチコック映画を批評している。取り上げられる主な映画は、疑惑の影、汚名、北北西に進路を取れ、殺人!、バルカン超特急、サボタージュ、裏窓、知りすぎていた男、間違えられた男、サイコなどである。 いずれもヒッチコック映画を鑑賞する上で、面白い視点(*02)を提供してくれている。副題にあるように、ラカンの思想の応用によるヒッチコックの見方もところどころで説かれており、特にジジェクの評論では、ヒッチコック映画がラカンの理論に外形を与えているようにも読める。ラカンがいう「染み」は、本書を読むと、映画的な表象であるとも考えられる。 愛するように映画を見るとはどのようなことなのかも本書は教えてくれる。 (02) 盲目というキーワードも多く与えられている。観客やカメラが帯びている逆説的な盲目性と映画が用いる幻想は関連が深い。盲目を論じたデリダをはじめ、機械と光学を考えたデカルトのほかにも、カント、フロイト、サルトル、ドゥルーズ、フーコーらの哲学と思想への言及もある。
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