中島らも烈伝 の商品レビュー
言わずと知れたコピーライターにして作家。芸術家はその非凡さゆえに、筆舌に尽くしがたい日常を送っていたようだ。著者は旧い友人で、彼もまた翻訳や文筆業の他、音楽活動をされているようだ。そのことを知ったのはイヌイジュン氏のSNSを覗いたからであった。 らも氏の本を読んだのは、コピーラ...
言わずと知れたコピーライターにして作家。芸術家はその非凡さゆえに、筆舌に尽くしがたい日常を送っていたようだ。著者は旧い友人で、彼もまた翻訳や文筆業の他、音楽活動をされているようだ。そのことを知ったのはイヌイジュン氏のSNSを覗いたからであった。 らも氏の本を読んだのは、コピーライターだった父の書斎で見つけた本が最初だった。時同じくして商業コピーの仕事をしていた父は、弱い酒を飲んでは急性アルコール中毒になって救急車の世話になるなどしていた。父は自分なりに何かしら天才的ならも氏と自分自身を重ね合わせていたのだろうか。それとも、客観視していたのだろうか。 閑話休題。 著者が甲陽学院出身であることを本の文末の方で知る。そうか、イヌイ氏と同窓だったのか。甲陽の中等部は夙川の南部、高等部は六甲山系の東、甲山の近くにある。らも氏のことを書きながら、阪神間の空気感を非常によく表していると感じた。「列伝」の命名にふさわしいエピソードばかりである。らも氏本人の書く文章は「明るい悩み相談〜」に象徴されるように、緊張を解き、心身を弛緩させてくれるものが多かったが、その裏には得も言われぬ現実があったことを今更ながらに知った。そして、そんな彼を慕う人々の交友関係についても改めて知る機会を得た。
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中島らもの高校時代からの友人による追悼の意味を込めた本.中島らもとの交流の中での自分を語ることで,中島らもを語っているので交友関係を中心としたものになっている.
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題は「中島らも列伝」だけど,もちろんらもは出てくるけど,Sこと鈴木創士がその青春時代を綴った内容になっている.文体はらもに似てらもの小説を読んでるみたいでなかなか良かった.
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