寺山修司青春歌集 の商品レビュー
寺山は母の出稼ぎで自…
寺山は母の出稼ぎで自炊を余儀なくされ、親戚の映画館に預けられてからは彼は孤独であった。だからだろうか、母とか故郷とか、東京とか、血なまぐさい土着の感覚と解放への気持ちが強い歌集になっている。
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青春というタイトルに…
青春というタイトルに相応しく、何処か望郷を感じさせるような切なく爽やかな短歌が多いです。
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寺山修司の詩集の中では個人的に一番好き。 好きなところが沢山あるので付箋がいっぱいです。 詩が好きな方はぜひ読んで、音読すると倍楽しめます。 以下一部抜粋⤵ 滅びつつ 秋の地平に照る雲よ 涙は愛の ためのみにあり がとても好きです。
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「列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし」 季節はもう冬だというのに,どうしようもなく夏を思い出す。 普段は歌集なんて読まないので,よく分からないものが多かった。 それでも読んだ瞬間,頭の中に広がる世界がどれも鮮やかで美しかった。 「海を知らぬ少女の前に麦藁帽の...
「列車にて遠く見ている向日葵は少年のふる帽子のごとし」 季節はもう冬だというのに,どうしようもなく夏を思い出す。 普段は歌集なんて読まないので,よく分からないものが多かった。 それでも読んだ瞬間,頭の中に広がる世界がどれも鮮やかで美しかった。 「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり」 これらの詩が高校生の頃の作品だというのが信じられない。 でもその一方で,高校生だったからこそ生まれた作品だというのにも納得がいく。 「わが夏をあこがれのみが駈け去れり麦藁帽子被りて眠る」 あぁ,夏が恋しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
字余りが多いのが個人的に気になった。 死ぬならば真夏の波止場あおむけにわが血怒濤となりゆく空に 歌ひとつ覚えるたびに星ひとつ熟れて灯れるわが空をもつ 見えぬ海かたみの記憶浸しゆく夜は抱かれていて遥かなり 古着屋の古着のなかに失踪しさよなら三角また来て四角 大いなる襷にわれは質問す空のもつとも青からむ場所
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読み直すたびに、その時の自分に響く作品が変わる。 自分のバイブル的な本。 ◆ 草にねて恋うとき空をながれゆく夏美と麦藁帽子と影と マッチ擦るつかの間海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲のかくまで苦し
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歌は映像だと初めて意識した作品 一遍一遍に目を通す度に、様々な映像が頭の中に浮かんでは動き出す。初めての体験でした。 寺山修司が、ようやくあぶりだした、日本の暗き田舎像についても、共感まではいかないまでも、理解できるような気がします。
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すっごい少女趣味だと思う。でも、たまにどきっとしてしまう。自分も女なんだなあ、と思う。しかし書いたのはオジサンだ。
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2010/4/27購入 ★胸病めば わが谷緑 ふかからん スケッチブックに 閉じて眠れど 明日生れる メダカも雲も わがものと 呼ぶべし洗面器を 覗きいて 遠き帆と われとつなぎて 吹く風に 孤りをほこりいし 少年時 ★人間嫌いの 春のめだかを すいすいと 統べいる...
2010/4/27購入 ★胸病めば わが谷緑 ふかからん スケッチブックに 閉じて眠れど 明日生れる メダカも雲も わがものと 呼ぶべし洗面器を 覗きいて 遠き帆と われとつなぎて 吹く風に 孤りをほこりいし 少年時 ★人間嫌いの 春のめだかを すいすいと 統べいるものに 吾もまかれん 怒るとき ひかる蜥蜴の 子は羨し わが詩は風に 捨てられゆくも 失いし 言葉かえさん 青空の つめたき小鳥 撃ちおとすごと ★遠ざかる 記憶のなかに 花びらの ようなる街と 日日はささやく 失いし 言葉がみんな 生きるとき 夕焼けており 種子も破片も ★海よその 青さのかぎり なきなかに なにか失くせし ままわれ育つ 空のなかに たおれいるわれを めぐりつつ 川のごとくに うたう日日たち たれかをよぶ わが声やさし あお空を ながるる川と なりゆきながら 駆けてきて ふいにとまれば われをこえて ゆく風たちの 時を呼ぶこえ ★君のため 一つの声と われならん 失いし日を 歌わんために ★滅びつつ 秋の地平に 照る雲よ 涙は愛の ためにのみあり ★麦藁帽子を 野に忘れきし 夏見ゆえ 平らに胸に 手をのせ眠る 一枚の 羽を帽子に 挿せるのみ 田舎教師は 飛ばない男 空は本 それをめくらん ためにのみ 雲雀もにがき 心を通る ★飛べぬゆえ いつも両手を ひろげ眠る 自動車修理工の 少年
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多方面で活躍した作者の短歌集。 純粋な思い、人生への不安。 まっすぐに語られることばが胸にしみる短歌集です。
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