土方巽全集(Ⅰ) の商品レビュー
これも 読書日記の一環だろう。 今年の春ごろから欲しいなと思っていた本を買った。 土方巽全集の1及び2。 実のところ、この方の名を知らない、舞踏を知らない、貌を知らない。 亡くなっていたことを知らない、亡くなっていたのだ。 名を知らないというのは真実ではないかもしれない、記憶の...
これも 読書日記の一環だろう。 今年の春ごろから欲しいなと思っていた本を買った。 土方巽全集の1及び2。 実のところ、この方の名を知らない、舞踏を知らない、貌を知らない。 亡くなっていたことを知らない、亡くなっていたのだ。 名を知らないというのは真実ではないかもしれない、記憶の片隅にすら覚えがなければ大型の郊外型書店の一隅にひっそりと置かれている本など手にもとるまい。だが、知らないのだ。 なにひとつ。 活字(この活字という表記すら、今では前時代の名残だ)に、舞踏が顕せるか。 否。 だが、何一つ顕せないわけでもないのだ。 部分引用 「わざわざ考えるまでもない箸が、もしかして私をいつも呼び続けていた声だったとしたら、という知恵のかけた不安が、そのまま私の頭に沁みていっていた。今になってみれば、そんな纏まりのない叫び声をあげて叫んでいた私の姿も、踏みつけてやらねばならない代物だが、あの頃の私が私の姿にありつけるのはそんな叫び具合のところだった。」 今とはいつだ。
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