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福祉に、発想の転換を! の商品レビュー

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2012/05/11

著者についてはPTA役員によくあるような 上から目線の仕事のできる人と言う感じを得た いずれにしても実行力があるから過渡期において貴重な存在であるし 救われる側の人々にとっても実利的でありがたい存在となるだろう こうしたプロセスをへて区別差別のない分配を可能にする意識が...

著者についてはPTA役員によくあるような 上から目線の仕事のできる人と言う感じを得た いずれにしても実行力があるから過渡期において貴重な存在であるし 救われる側の人々にとっても実利的でありがたい存在となるだろう こうしたプロセスをへて区別差別のない分配を可能にする意識が 育つのかも知れない 早く世界的なスケールでベーシックインカムの採用が進むことを願うけれど さぞかし権利に固執する為政者の抵抗が激しいことだろう 谷口さんが呼び掛けて始まった集いの名である「ぱれっと」と この本の著者である谷口さんが文中でもつれ合っていて 「私の履歴書」風の仕上がりではあるけれども 内容として客観的にくみとれば 現状における福祉の問題点を理解するのにもってこいの本だと思う 勝気だと自己紹介している谷口さんは 文中の写真の中に自分の写真を示していない きっと関係者にしかわからないどこかに収まっているのだろう しかしその人となりがわかる生い立ちや福祉に携わってきた道のりは しっかりと描き止められている 谷口さんは福祉のあり方に疑問を持ち続け いささか福祉後進国であるアメリカに学びそれを日本で実現すべく 30年に渡って挑戦し続けてきた この本の題名はそこに由来する 合言葉は「出合い」「対等」「自立」「地域のおける共生」のように読み取れる 私が文中でもっとも響いたのは 138ページからの「障害の有無によって分けるよりも、障害の違いを比較し合うよりも、その違いをお互いに認め合って、どこに接点を見出していくかに努力することのほうが、はるかに社会を変える原動力となるのではないか。 障害者を理不尽な社会から護るのは親とその家族しかいないという考えから卒業して、一般の人達にもその荷を背負ってもらいましょうと、社会に声をかけていくべきではないか。 余暇を主体とする(健常者による)活動では、「障害の有無に関係なく、仲間として共に歩む」という考え方が浸透できる。その精神は理念として、働く場や暮らしの場でも受け継がれて行かなければならない。 スタッフのゴマカシや曖昧さなどは、障害者から簡単に見ぬかれてしまう。 特に若いスタッフは障害者に対する「お世話する側・される側」の関係に陥りやすく、その中で年長の障害者にことごとく試されるという試練に合う。 親は厳しく指導して欲しいと望むが、障害者の一人ひとりのニーズを引き出し、それぞれの可能性を追求していこうと模索しているスタッフは、親との関係づくりに神経をとがらせて落ち込むことになる。 ボランティアは余裕のある人がするもので、「してあげる」という慈善的な意識がぬぐいきれない。かたや自己実現の場であるという解釈だけで、善意の押し付けや自己満足から出ようとしない人達も多い。という。 しかし谷口さんの考えは、自発性に基づく行為であり、与える側と与えられる側」の強者と弱者の関係で成り立つものではないと言う。対等な人間関係の中には、お互いに学び合える関係が基本だ。だからこそ、自発的行為には責任が伴うことを理解してもらわなければならない。という。 私はこの本を読んで民主主義を理念としながらも、かなりの独裁的な公私混同を感じてしまう、しかしだからこそ短期間で公の行動を待たずに、新たな道を開いてこられたのだろうとも思う。

Posted byブクログ