バロック・アナトミア の商品レビュー

佐藤明

2011/11/10

フェレンツェ「ラ・スペコラ」博物館にある解剖学蝋人形の写真画集を久しぶりに眺めてみました。

解体された三美神の図が一番のお気に入り。
こんなにもグロテスクでかつ美しい造形物を見たことがありません。

2009/10/04

中世ヨーロッパの大富豪、メディチ家が行き着いた究極の楽しみは、解剖蝋人形の鑑賞だったのかもしれない。エロスとタナトスが表裏一体だということを痛烈に感じさせてくれる一冊。

2009/10/04

94年に、かの高円寺文庫で見つけて以来手放していない一冊。イタリア人の道楽が上り詰めた芸術（人体分解蝋人形）。冷たい美しさ。

2009/10/04

やっとこさ復刊されます！待ちに待ったバッドテイスト（悪趣味）な写真集。イタリアはフィレンツェにある博物館「ラ・スペコラ」。蝋でできた人体の解剖像が展示されております。これは、その展示作品の写真集。篠田節子さんの小説『美神解体』や清水玲子さんのコミック『秘密』でもモチーフにされた蝋人形も掲載されてます。中でも有名なのが「解剖されたヴィーナス」。ガラスケース内に横たわった一糸纏わぬ美しい少女。その胸部から腹部にかけてはぱっくりと切り開かれ、鮮やかな内臓がのぞいております。そんな惨たらしい姿を人目に晒す彼女ですが、半開きの目や口が官能的で、恍惚の表情を浮かべているようにさえ見えます。死の匂いが充満する中、微かに漂う「生」の芳香。歪んだエロチシズムが垣間見れる禁断の写真集かも。（全て医学的な目的で作られたものですよ）※グロいのがダメな方は見ない方がよろしいかと。