今度こそ「英語は、大丈夫。」 の商品レビュー
大手予備校の人気英語講師による、高校生向けの英語勉強法。大学受験を念頭に置いて、単語の覚え方や読解の基礎、模試や過去問の効果的な活用法、自由英作文の対策などについて紹介されている。紹介されている方法は、単なる受験を乗り切る勉強法にとどまらず、社会人になっても活用できる勉強法にも...
大手予備校の人気英語講師による、高校生向けの英語勉強法。大学受験を念頭に置いて、単語の覚え方や読解の基礎、模試や過去問の効果的な活用法、自由英作文の対策などについて紹介されている。紹介されている方法は、単なる受験を乗り切る勉強法にとどまらず、社会人になっても活用できる勉強法にもなっている。 音読を重視し、精読、多読を併用するという、英語の技能を全体的に高める堅実な方法を紹介しているという印象を受けた。「読解力」が「和訳力」ではない、という点が強調されており、文法訳読式の教授法が批判されている。なので和訳が大半の試験を受ける人には、受験対策としては合わないかもしれないが、あくまで、大学受験の先をも見据えて高校生から英語を勉強するには、どのような勉強法が望ましいか、という観点で読むと、十分参考になる内容だと思う。音読を繰り返したり、単語のつづりを繰り返して書いたりするなどの、繰り返すという作業がとても重視されていて、単調になりがちな反復作業を楽しく、飽きずに行うための工夫が紹介されている。1回英文を音読したら好きなハンコを1個押して、ハンコを30個貯める(=30回音読をする)というのは、とても良いと思った。予備校の先生らしく、他の先生や生徒を攻撃するような書き方は品がないと思ってしまったが、そこはパフォーマンスとして大目に見るとして、内容自体は高校生に十分勧められる。 ただしこの本の勉強法が言うことは「語学に王道なし」ということであって、楽して英語の点数をあげてやろう、みたいに考えて、勉強をサボってこの本を読むような人にとっては、まったくの期待外れの内容だと思う。また、「反省している間は勉強から逃げていられる」(p113)なんていう受験生の甘えの心理についても鋭く書いてあって、社会人になった今になって読んでみるとちょっと面白いと思ってしまう。(11/03/--)
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