インド式マリッジブルー の商品レビュー

バリライ(著者),田中亜希子(訳者)

2016/08/03

イギリスに住んでいる、先進的な考え方を持っていそうなファミリーにもこんな実態があったのかと勉強になった本。期待していなかったが一気読みした。家族を幸せにするか、自分を幸せにするか。両立はできないのかと少し悲しくなった。

2011/09/30

郷に入っては郷に従え。他国は文化が違うのさ。だからカルチャーショックでホームシックになって帰りたい。帰りたい。僕は祖国でもホームシックになってしまう。どこに帰ればいい？というかもともと人間はどこからきて、どこへ行くのか。哲学なんて犬にくわせてやれ。きっとおいしいぞ。

2010/10/16

○あらすじ
マンジット（通称マニー）は、イギリス生まれのインド人。
親友のエイディは黒人で、彼女のリーザは白人。
だけど、両親や兄弟は彼がアジア人（ここで言うインド人）以外と仲良くしていることを快く思っていない。
彼らの意見に逆らえば、力ずくで止められる。
ある日、会ったこともないインド人の女の子と結婚させられることに！
どうにか家族の計画を阻止するため、“ふさわしくない人間”になるため、皆が自分を見放すまで非行に走ることを決めるのですが…。
（あらすじは参考程度にお願いします。）

2011/07/18

　タイトルから、主人公は女の子かと思ったら、イギリス生まれのイギリス育ち、インド人の男の子が主人公。
　父はインド的なものの考え方を貫き、子供たちにもこれを強要する。主人公のマニーは、兄二人と違いこの考え方になじめない。兄たちはなんの疑問もなく親の決めた女の子と結婚し、子供をもうけて幸せそうにやっている。
　親が決めたことになんの疑問も抱かなくてすむのなら、これも幸せのひとつの形だ。
　だけど、マニーと父のように親子で所属する文化が違うというのは、大変だろう。考え方の根本のでどころが違うんだから。お互いに譲歩しあい、認め合わないといけないのだけど、父にはその考えが全くない。
　なんだってこんなに頑ななんだ、と読んでて思ったんだけど、伝統や文化なんてこうして続いてきたんだ、ということに思い至りなんともいえない気持ちになった。
　いい伝統を残し、悪い伝統を排除する、言葉では簡単だけど、その良し悪しってどうやって決めればいいんだろう。伝統を大切にしている人はその伝統のすべてひっくるめて大切にしているんだろうから。

2009/10/04

【あらすじ詳細】●主人公は、イギリスに住むインド系移民＝パンジャブ人の少年マニー。
父親はパンジャブ人であることをめちゃくちゃ誇りにし、万事パンジャブ式の規則に従い生活するべしと固く信じ、家族に強制している。
家族全員、迷うことなくきっちりパンジャブ式に暮らしているが、マニーだけは納得いかず、親友の「ブラック・ジャマイカン」エイディと遊んだり、白人の女の子に恋をしたりしている。
家族の中で一人だけ、まっとうなパンジャブ人でいられないマニーに対し、父親や横暴な二人の兄は殴ったり罵倒したりするのはしょっちゅうだ。
そんなマニーに、もっと最悪な事態がやってきた。
父親は、自分のメンツを立て、かつマニーを立派なパンジャブ人にするために、イギリスに移住して来るとあるパンジャブ人家族の娘と、マニーを結婚させることにしたのだ。
そして、結婚を前にして、更に最低最悪な事態がマニーを襲った。･･･

●･･･おかげさんで、インドに旅行しようって気がなくなった（苦笑）
あとがきの解説によると、実際今でも親による強制的結婚と言うのはあるそうでして、いや恐ろしいですな。現代日本でも、親の泣き落としで結婚する善男善女（苦笑）はいそうな気がしますが、こっちはほんとに物理的強制力をまじえて結婚に追い込むところが違う。
中篇なのでさくっと読めるし、一人称の口語体もなかなかよろしいかと思われます。良。なにより活字が大きいよ･･･。