分冊文庫版 魍魎の匣(下) の商品レビュー
上巻で平行して「不可…
上巻で平行して「不可解」だった出来事が、京極堂のルーツとともに繋がり、明らかになっていきます。理不尽だから怖いホラーではなく、奇怪な事件は実はそこに「論理」の惨劇、つまり、この世に魍魎はいる。あなたの隣に、もしかするとあなた自身が、魍魎なのかもしれない……。怖いです。本当に。
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♪思い込んだら~♪を…
♪思い込んだら~♪を地で行く木場の修さん,ステキです。ラストに近くなればなるほど,修さんの背中に哀しみを感じます。彼は,私の中ではいつでも後姿です。
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それぞれの事件が交差…
それぞれの事件が交差して一つの事件に結びつく。京極夏彦、よくこんな事を考えられるものだと改めて感心します。京極堂ファン必見です!
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バラバラ殺人、箱の中…
バラバラ殺人、箱の中で生きてる少女、気持ち悪いけど覗いてみる?
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圧倒される。 京極堂と美馬坂の論戦。 論争の中の当事者の陽子。 周りの登場人物も圧倒されている。 そして関くんは匣を開けようと。。。 すごい本を読んでしまった。。。 感想を書こうと思うが何を書いていいかわからない。 あえて言うとすれば、 「ほう」
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エンターテインメントだ! やはり何と言っても痛快なのが京極が似非のあれにロジカルらしきもので攻める所か! 嘘八百でまくしたてるそれは私も額面通り信じるぐらいの説得力。反論する知識がそもそも無いとも言うが。 最後の一連の回収は悲しい…ただただ悲しい… それぞれの信念で生きたら周り...
エンターテインメントだ! やはり何と言っても痛快なのが京極が似非のあれにロジカルらしきもので攻める所か! 嘘八百でまくしたてるそれは私も額面通り信じるぐらいの説得力。反論する知識がそもそも無いとも言うが。 最後の一連の回収は悲しい…ただただ悲しい… それぞれの信念で生きたら周りの環境が助長して結果そうなったっていう、動機は後付けに繋がる所か。 いやぁ…再読ではあったけど数年ぶりで全く覚えてなかったし楽しかったよ。
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・江戸川乱歩「押絵と旅する男」っぽい印象から、こんなに遠くまで連れてきてもらって、また押絵に戻してもらって、凄い旅だった。 ・前半の百合描写にときめいたからこそ、後半、……。 ・人形愛者ピグマリオニストとしては、正直たまらん……。みっしりと……。 ・冴えない中年としても、たまらん読後感……。 ・宗教家・霊能者・超能力者・占い師の境界、そしてペテン師の定義。ご講義拝聴賛嘆いたしました。
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下巻1冊分で解決編、全ての伏線が回収されて清々しかった。 こんなにも残酷でありながらこんなにも美しく魅了される、この人の小説自体が魍魎なのかも…?
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【あらすじ】 京極堂は寺田兵衛と対面し、久保が兵衛の息子であること、悲劇的な家族の歴史と久保の心の闇、そして御筥様誕生の経緯を明らかにする。久保は連続バラバラ殺人事件の犯人として手配されるが、その二日後切断された久保の四肢が発見される。そして美馬坂近代医学研究所に、京極堂、木場、榎木津、関口、そして陽子らが集結する。京極堂は魍魎を退治すると宣言し、一連の事件の真相を語り始める。陽子は美馬坂の娘であり、加菜子は柴田家の子ではなかった。美馬坂は、難病の妻を救えなかった経験から研究所を人間の臓器に変えた。頼子に突き落とされた加菜子は、研究所へ搬送された後ほとんどの臓器を摘出、四肢を切断され、人工臓器につながれた。しかし、生命を維持するための資金は底をついており、陽子はたまりかねて加菜子誘拐事件をねつ造する。それを須崎が利用し、加菜子の生死を不明にして柴田財閥の遺産を手に入れようとする。加菜子を愛していた雨宮は、須崎が運び出した箱詰めの加菜子と出会い、須崎を殺害して箱とともに出奔する。そして、偶然箱詰めの加菜子と出会った久保もそれに憑りつかれ、同じように箱詰めの少女を作ろうと試みるがうまくいかず、美馬坂を訪ねる。美馬坂と陽子は、研究のため箱詰めにされた久保とともに逃走を図るが、美馬坂は久保に噛み殺され、陽子は久保の首を絞めて殺害した。美馬坂と陽子は親子でありがなら愛し合っており、加菜子は二人の間の子であった。こうして、魍魎に惑わされた人々の偶然の繋がりによる一連の事件は終わりを告げた。 【感想】 ハコつながりで関連しているようにみえる一連の事件が、実は偶然の繋がりのみだったというところが興味深かった。「犯罪は通り物」という京極堂の言葉がゾクッとした。登場人物のキャラや、一番活躍しない関口の主観が主となっているところも面白かった。 読了&あらすじ作成に数か月もかけてしまった。このシリーズは手が出しにくいな。
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京極夏彦の名作ミステリー『魍魎の匣』、分冊文庫版の下巻。 「加奈子殺人未遂事件」、「加奈子失踪事件」、「連続バラバラ事件」―――同時進行で発生する不可解な事件たち。そして防ぐことの出来なかった新たな犠牲。「京極堂」こと中禅寺朗彦は、これ以上の犠牲者を出すことを阻止するため、事件...
京極夏彦の名作ミステリー『魍魎の匣』、分冊文庫版の下巻。 「加奈子殺人未遂事件」、「加奈子失踪事件」、「連続バラバラ事件」―――同時進行で発生する不可解な事件たち。そして防ぐことの出来なかった新たな犠牲。「京極堂」こと中禅寺朗彦は、これ以上の犠牲者を出すことを阻止するため、事件の幕引きをするため、"魍魎"に惑わされた人々の心に憑いたモノをふるい落とすため、その腰を上げる―――。 ついに明かされるおぞましい事件の全貌。"魍魎"に惑わされた人々の、偶然の繋がりによって引き起こされた一連の事件。それは、「偶偶そう云う状況が訪れて」しまった悲劇―――前作に引き続き、素晴らしい作品であった。 (余談だが、2008年にInnocent Greyから発売された18禁ADVゲーム『殻ノ少女』、発売当時から本作『魍魎の匣』との類似性を指摘されていたのだが、予想以上にそのまんまだった。あまりにもそのまんまだったので、読みながら頭の中で映像化していると、全部『殻ノ少女』のキャラクターで再生されてしまっていた。)
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