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グランド・フィナーレ の商品レビュー

2.9

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    18

  5. 1つ

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すごいです

第132回『芥川賞』受賞。妻とは離婚、最愛の娘と会うこともできず、故郷「神町」へと帰った主人公。その、どうしようもないロリコン男をめぐる物語。違和感と気持ち悪さを感じるのに、読み止められない。すごい本。

abtm

2024/05/18

芥川賞だけど、抵抗なく読めた。主人公がちょいヤバい人、ということもあり、興味本位?で読める。背景や心理の描写はさすが芥川賞、という感じで読み取りには3度読みくらい要した。続きが読みたい、そしてどうなるのよ?と読み込みが浅い私は思った。

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2023/04/13

とにかく表現力がすごい 狂ってる!狂ってるけど、引き込まれる! まさに純文学といった作品だった 他の3作は知らん

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2022/09/11

トーマスとヨドバシの話は無くても良かったのでは・・・? 表題作に関してはもう少し先が描かれてもよかったとも思う。

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2021/01/01

 阿部和重の芥川賞受賞作。その表題作に加えて3作の短編が加わっていて神町というおそらく架空の街をキーにしてゆるやかに4つの話が繋がっている。独特のノリがあっておもしろかった。表題作は前半、村上龍のバイブスがあって退廃方向に展開していくのかなーと思ったら、純粋な悪のような描写が続く...

 阿部和重の芥川賞受賞作。その表題作に加えて3作の短編が加わっていて神町というおそらく架空の街をキーにしてゆるやかに4つの話が繋がっている。独特のノリがあっておもしろかった。表題作は前半、村上龍のバイブスがあって退廃方向に展開していくのかなーと思ったら、純粋な悪のような描写が続く。つまり言葉の上では自分が悪いことを理解しているものの、ブレーキが効いていないように見える。同じ過ちを繰り返すのか?それとも過去に対する償いなのか?しかも、悪の種類が種類なので不快な人は心底不快だろう。でもギリギリを攻めていく姿勢が最高だなと思う。  2004年の出版でインターネットがこれから広がっていくところ、スマホ以前の世界の話なので牧歌的で興味深いし情報テクノロジー表現がユニークだった。(docomoの携帯の機種名なんて認識するの何年振りなのか…)全体通じて子どもとの別れ、子ども同士の別れを描いており、特に子ども同士の今生の別れの切なさがよく伝わってきた。今はSNSがあるから、この切なさは共感されないかもしれないけど。  2021年の今、読んで一番興味深かったのは「20世紀」という短編。記録社会となった今を予期していたかのような内容だった。スマホの登場により赤ちゃんの頃から写真や動画で記録され、それを多くの人に向けて発信する時代になったわけだけど、そのように記録され続けた人の自意識/時間感覚について書かれていて相当オモシロかった。(記録された過去と記録されていない過去、どちらに焦点が合いやすいか?など)しかもこの短編がSONYのCD-R(記録媒体としてのCDね)の発売に合わせて書き下ろされたという時代を感じる背景なのもあいまって好きだった。

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2015/12/22

結構、期待してた。 でも読みとれないボクが悪いのか… 今回のはちょっと残念。 でも、自分の欲望…。 他人に隠し続けている欲望…は 自分でも思わぬところで タガが外れることがあるんだろうか… と不安に思ってしまった。

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2015/06/04

時代と共に生きて、時代を切り取ったような内容の小説のスタイルは村上龍さんのよう。すごくアンダーグラウンドで静かに息をして暮らしている人の感情や生活を上手に描いているように思う。しかしながら、この手の内容を読むとアンダーグラウンドな世界観にわずかながらでもコミットした気がして暗くな...

時代と共に生きて、時代を切り取ったような内容の小説のスタイルは村上龍さんのよう。すごくアンダーグラウンドで静かに息をして暮らしている人の感情や生活を上手に描いているように思う。しかしながら、この手の内容を読むとアンダーグラウンドな世界観にわずかながらでもコミットした気がして暗くなる。

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2014/11/02

一文足りとも惰性で書いている感じがしない。 一語一語言葉をより選んで書いた小説といった感じ。 だからルビが振ってない言葉でさえもゆとり世代には厳しいものもたくさんありましたよ。鏤める(ちりばめる)とか顰め(しかめ)とか読めませんがな。 でもこれも勉強になって、あー本読んだ!と気持...

一文足りとも惰性で書いている感じがしない。 一語一語言葉をより選んで書いた小説といった感じ。 だからルビが振ってない言葉でさえもゆとり世代には厳しいものもたくさんありましたよ。鏤める(ちりばめる)とか顰め(しかめ)とか読めませんがな。 でもこれも勉強になって、あー本読んだ!と気持ちになります。 小難しい文体だけど、ストーリー自体は読みやすい。 ロリコンという部分をのぞけば、普通の主人公(多分、世の中にいるロリコンの人もロリコンだからって全部が変人というわけではなくロリコン以外は全うな人も多くいる)の思考回路には結構人を笑わせる所があり、次へ次へと読んで行けました。 東京偏で最後にIが言った「自分に都合がいいふうに解釈してるだけ。いろんなことをね。多分みんな凄く傷ついてるよ。」というはその通りです。 「あらゆる知り合いや家族たちの生の声にも耳を傾けようとはせずに、こちらが勝手に仮構した各々の人物像にばかり視線の焦点を合わせて適度にコミュニケートした気になっていただけなのだろうか」 ああ、そうです。こういうことが前提にあるのとないのとでは大きな違いだわ。。。と読んで思いました。 最後の終わりかたもとても綺麗でよかったです。 主人公のロリコンで、今までしたことから逃げるわけでもなく、なかったことにすることでもなく、自然なかたちで終わっていて、よかったです。 他の「馬小屋の乙女」「新宿ヨドバシカメラ」「20世紀」 「馬小屋の乙女」はとてもショートショートでたくさんの解釈を用意してる話です。 ちなみにわたしの感想は、「よくわかんない」でした 「新宿ヨドバシカメラ」と「20世紀」は小説という名の随筆に近い感じです。 20世紀のホームビデオに対することで「喚起された当時の記憶は映像の欠如を補完する」というのはうんうん。と思いました。ホームビデオは余白が多すぎで、その場に立ち会っていない人には、イマイチついていけないのは、記憶の映像の欠如が原因なのか、、、と思いました。 がっつり本が読みたいときにおすすめの小説です。

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2014/11/15

出だしは「ふんふん、これはリノベねー」と思い、愛娘と会えなくなった主人公に同情しておりました。 ところが、「とんでもねえー!」と激怒!!そりゃあ、自業自得でしょうよ、といった展開でした(苦笑) 奥さんと娘と別れた主人公は国に帰りますが、劇の指導をして欲しいと頼まれてすることに・・...

出だしは「ふんふん、これはリノベねー」と思い、愛娘と会えなくなった主人公に同情しておりました。 ところが、「とんでもねえー!」と激怒!!そりゃあ、自業自得でしょうよ、といった展開でした(苦笑) 奥さんと娘と別れた主人公は国に帰りますが、劇の指導をして欲しいと頼まれてすることに・・・。 この作品、全般的にはとんでもないのですが、ラストがとても良かった、というより救われました。 他にも短編が3本ほど収められており、意外とポップな作風だと思いました。

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2014/05/05

読み出し一発目、 何なんだこの粋ったコテコテの文章は・・・ とやや苦手意識を抱きそう、いやもうすでにちょびっと抱いとるなこれ、、と思う幸先悪い滑り出し。 と思いきや途中から免疫がつき、むしろちょっと面白味を覚え始める。「グランドフィナーレ」は構成が面白い。怒濤の長文台詞で章...

読み出し一発目、 何なんだこの粋ったコテコテの文章は・・・ とやや苦手意識を抱きそう、いやもうすでにちょびっと抱いとるなこれ、、と思う幸先悪い滑り出し。 と思いきや途中から免疫がつき、むしろちょっと面白味を覚え始める。「グランドフィナーレ」は構成が面白い。怒濤の長文台詞で章を終わらせる斬新なスタイルが格好良く、決まっている。 難解でナルシシズムに満ち溢れたこの独特な感じ、これがおそらく阿部和重ワールドなんでしょうなあ。

Posted byブクログ