デフレは終わるのか の商品レビュー
経済問題は実に難しいと、本書を読んで思った。デフレに賛成しているものは誰もいない。みなその危険性と害悪を認識しているのに、いっこうにデフレは終わらない。本書は2005年の発行であるが、その内容は現在でもよく理解できる。2005年から2012年の現在まで、多くの人々の危惧をよそに...
経済問題は実に難しいと、本書を読んで思った。デフレに賛成しているものは誰もいない。みなその危険性と害悪を認識しているのに、いっこうにデフレは終わらない。本書は2005年の発行であるが、その内容は現在でもよく理解できる。2005年から2012年の現在まで、多くの人々の危惧をよそにデフレはまだ続いているのだから。 日銀をはじめ多くの政策当局者は、おそらく優秀な人たちが担っているのだろう。それでなぜデフレがいまだに克服できないのだろうか? それらを知りたくて本書を読んでみたが、よくわからなかった。 ただ、経済問題には様々な事項が複雑に絡み合っていることはわかったように思える。基礎的な事項を知るためのひとつとして本書はそれなりに面白かった。特に「リフレ政策の理論と実際」は、興味深かった。 2012年2月の現在、日銀は事実上の「インフレ・ターゲット政策」に踏み込んだように思える。今度こそ日本はデフレから脱出できるのだろうか。
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ゼロ金利解除が迫る今、「デフレが終わる時何が起きるのか?」を知るには一番適してると思います。つってもマクロ経済学的な要因以外で現状進んでいるように見えますが。
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安達 誠司 1965年生まれ。東京大学経済学部卒業。大和総研経済調査部、富士投信投資顧問、クレディスイスファーストボストン証券会社経済調査部等を経て、ドイツ証券会社(東京支店)経済調査部シニアエコノミスト。 エコノミストといわれる人で、ほとんど信頼できる人は数少ないのだけど、...
安達 誠司 1965年生まれ。東京大学経済学部卒業。大和総研経済調査部、富士投信投資顧問、クレディスイスファーストボストン証券会社経済調査部等を経て、ドイツ証券会社(東京支店)経済調査部シニアエコノミスト。 エコノミストといわれる人で、ほとんど信頼できる人は数少ないのだけど、安達氏は信頼できる人の一人であることは、この一冊でよく判る。筆者のようのな独習者にも、数式無しで、しかもデーター満載で、根拠を示して解説していてくれるので、デフレ脱却のシナリオとリフレ政策の重要性がたっぷりと得心行くように説明されていて、その手筈に舌を巻く。 「量的金融緩和」の解除に進む昨今の日銀だが、それを先取りした「出口」政策が、長期金利の上昇とそのメカニズム、その対策にまで歴史的にも言及されていて、非常に有益な議論が展開されている。久しぶりに読み応えのある一冊に出会えた爽快さは無類の喜びである。
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