金型ジャパンブランド宣言 の商品レビュー
本書は、そもそも金型とは何か、日本及びアジアの金型事情はどのようになっているのか、という事が述べられています。そして、日本の金型は優秀な技能者によって支えられており、世界でもトップクラスの技術レベルを誇っているということが述べられています。しかし、日本国民はその事実をほとんど認知...
本書は、そもそも金型とは何か、日本及びアジアの金型事情はどのようになっているのか、という事が述べられています。そして、日本の金型は優秀な技能者によって支えられており、世界でもトップクラスの技術レベルを誇っているということが述べられています。しかし、日本国民はその事実をほとんど認知していないと思います。本書を読んで、金型の知名度が上がることを期待したいと思います。
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あらゆる製造業の基盤となる「金型」は、日本が世界最高の技術力を持っていると言われて久しい。しかし「最高の技術力」とは具体的にどう測られるのか? 中国やASEAN諸国における金型技術の発展に対し、日本の金型業界はどのように対応するべきなのか? 端的に言えば日本の金型はこれからどう...
あらゆる製造業の基盤となる「金型」は、日本が世界最高の技術力を持っていると言われて久しい。しかし「最高の技術力」とは具体的にどう測られるのか? 中国やASEAN諸国における金型技術の発展に対し、日本の金型業界はどのように対応するべきなのか? 端的に言えば日本の金型はこれからどうなってしまうのか? 悲観的な展望も少なからず聞かれるこの問題について、日本が持つ強みと弱み、そしてグローバル化が進む製造業全体における金型の将来を冷静に分析した上で、生き残りの方策を提言している。 著者は日本金型工業会の理事を務める人物で、そのためか少々思い入れが強すぎる印象のある文章も散見されるが、方向としては的を射た提言であることは間違いないと感じられた。 今から10年前、私が就職活動していた頃はしきりに「モノづくりの時代は終わる」「これからはソフトの時代だ」と喧伝されていた。しかし今なお、国を支えているのは製造業に他ならないし、これからも当分はそうだろう。経済の主役が金融になっても、実体経済の中心は金型を使う製造業であり続ける。 グローバル化の波は押し寄せているが、電子化できる世界と異なり、モノづくりはどこまで行っても人間の営みという制約を受け続ける。それは本書でも指摘されている文化の問題であり、距離と時間の問題でもある。 私自身、今は金型の世界と密接な位置で仕事をしているが、日本の製造業の将来には悲観的な展望を抱かざるを得ないと感じることが多い。本書にあるような提言をしかるべき立場の人々が真剣に受け止め、速やかに実行してくれることを望みたい。
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