ありがとう。 の商品レビュー
2000年刊行の単行…
2000年刊行の単行本『ナグネ・旅の途中』の改題文庫化です。愛するモノ・場所・人について書かれたエッセイ集。著者は2004年に急逝しましたが、文章はいつまでも輝き続けると思います。決して「泣かせよう」と意図して書くことはない人であったと思うのですが、このエッセイを読んでいて何度も...
2000年刊行の単行本『ナグネ・旅の途中』の改題文庫化です。愛するモノ・場所・人について書かれたエッセイ集。著者は2004年に急逝しましたが、文章はいつまでも輝き続けると思います。決して「泣かせよう」と意図して書くことはない人であったと思うのですが、このエッセイを読んでいて何度も涙が止まらなくなりました。鷺沢萠という人は間違いなく「愛」の人だと確信しました。後半には単行本未収録の旅(沖縄)のエッセイや負け犬対談も載っています。巻末の酒井順子による解説も良かったです。
文庫OFF
確実に影響を受けた作家の一人。しょうもない思考だったり、いい回しだったり、物の見方だったり。「風呂桶とボウリング玉」の小心者と短気における許容量の考え方とか。考えても仕方ないことを考え続けてしまう。下手の考えかもしれないけれど、当事者として考え、声をあげたのは彼女だ。事情は異なれ...
確実に影響を受けた作家の一人。しょうもない思考だったり、いい回しだったり、物の見方だったり。「風呂桶とボウリング玉」の小心者と短気における許容量の考え方とか。考えても仕方ないことを考え続けてしまう。下手の考えかもしれないけれど、当事者として考え、声をあげたのは彼女だ。事情は異なれど「ホーム」を持たない私には「帰属性のなさ」という明確な言語化がなされたことで身の置き場ができたもんだ。難しいこともしょうもないこともごった煮のエッセイで、彼女らしいごった煮感だなと。個人的には思う。
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ほんとうにほんとうに、繊細でやさしい人。 単行本で出たものに未収録エッセイを追加して解題したもの・・・とのことですが、この「ありがとう」のタイトルは、鷺沢さんがつけたものではないような気がする。
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エッセイ集。 図書館で見つけてなんとなく手に取った本。 「ケロヨン人形」がとても印象に残っています。 「あきらめる」ことは「あきらめない」ことよりずっと辛いことなのではないか、と。 エッセイを読むと、何故だか筆者が近しい人のように思えてしまう… 鷺沢さんの小説も読んでみようと...
エッセイ集。 図書館で見つけてなんとなく手に取った本。 「ケロヨン人形」がとても印象に残っています。 「あきらめる」ことは「あきらめない」ことよりずっと辛いことなのではないか、と。 エッセイを読むと、何故だか筆者が近しい人のように思えてしまう… 鷺沢さんの小説も読んでみようと思います。
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3年くらい前に読んだ本だけれど、まだ登録してなかった。 あちこちから集めてきた文章のようで、内容はさまざま。でも旅の話がいちばん多いかな。巻末には負け犬対談も(笑)。文章は軽快で読みやすく、それでいて「ああ、そうなんだ。」と静かに納得したり同感できたりする。 いちばん気持ちに響い...
3年くらい前に読んだ本だけれど、まだ登録してなかった。 あちこちから集めてきた文章のようで、内容はさまざま。でも旅の話がいちばん多いかな。巻末には負け犬対談も(笑)。文章は軽快で読みやすく、それでいて「ああ、そうなんだ。」と静かに納得したり同感できたりする。 いちばん気持ちに響いたのは「ケロヨン人形」のくだり。ちょうどいろいろなことを「あきらめ」なくてはならず、つらい時期だったので、「あきらめないことが持てはやされるけれど、実はあきらめるほうがよっぽどつらいし難しい」旨を語っているこの章には、新しい気づきをもらった。
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ただ、この人がすきだ。 今、ここにいないことが、もうこの人の文章を読めないことが ただただ残念だ。 私もあなたに贈りたい、ありがとうと。
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何度も言うけど、鷺沢萌さん、好きです。 エッセイ集なんですが、最後に収録されている酒井順子さんとの対談がおもしろすぎます。 素敵すぎるコンビ。
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こんなに強いものの考え方をするのに、こんなに素敵なもの・人に囲まれ、そして人生を楽しむ方法、逃げる方法を知っていたあなたなのに、どうしてこんなにも早く、私たちの世界から旅立っていってしまったんだろう。強がっていても、芯の部分で拭えない悲しみや憤りをにじませた文章、彼女の気質が伺え...
こんなに強いものの考え方をするのに、こんなに素敵なもの・人に囲まれ、そして人生を楽しむ方法、逃げる方法を知っていたあなたなのに、どうしてこんなにも早く、私たちの世界から旅立っていってしまったんだろう。強がっていても、芯の部分で拭えない悲しみや憤りをにじませた文章、彼女の気質が伺える。「諦めるな、は誰かに言う言葉ではない、自分で言い聞かせる言葉なのだ」と言いきる、彼女の姿勢がすきだった。
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