星の王子さま の商品レビュー
社会人6年目。7年ぶりの再読です。 忙しい毎日でどれだけ擦り減っても忘れたくないマインドがここにはあります。 生きる楽しさの本質、かけがえのない存在とは何か、人生においてとても大切なことを教えてもらいました。
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再読。何年か前に読んだ時はキツネの言葉だけが刺さったことを記憶している 今回は小惑星の大人の言葉に大人の自分を重ね合わせる なんか虚しいような気持ちになった 数字にしか興味のない大人になってしまっている
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3年の積読をやっと消化した。 2005年、『Le Petit Prince』の著作権が切れて翻訳ラッシュが起きた。本書もその一環で刊行された。よって390円+税と大変お求めやすい。邦訳は10数種類あるけど「星の王子さま」と冠しているのが1番多い。直訳すれば、ホントは「小さな王子...
3年の積読をやっと消化した。 2005年、『Le Petit Prince』の著作権が切れて翻訳ラッシュが起きた。本書もその一環で刊行された。よって390円+税と大変お求めやすい。邦訳は10数種類あるけど「星の王子さま」と冠しているのが1番多い。直訳すれば、ホントは「小さな王子さま」とのことだが、池澤夏樹は「Petitに込められた親愛の感じはそのままでは伝わらない」と言って「星の王子さま」を採用している。私も支持する。 というところから始まって、一つの単語の訳をどうするかによって、一つの世界そのものが大きく変わるということを、本書は証明している。1番大きいのは「(狐と)仲良くしてくれ」と従来言われていた訳を「飼い慣らしてくれ」としたところだろう。以前読んだ池澤夏樹娘との対談「全部本の話」を読めば、此方の方がより正しいと、私も思う。 ‥‥と、書いている途中、どうして21年にこれを買ったのか思い出した。「図書2021年8月号」で「星の王子さまのいない星」(吉田篤弘)という文章を読んだからだ。うわっ、自ら作った課題から3年間逃げていた。逃げていたこと自体を忘れていた。かつてこれで、何度自分を誤魔化してきたのか、つい思い出しそうになる。フランス人の好きな台詞を借りれば「これも人生」。 その時自らに課した課題を要約すれば以下の3点である。 ① 「かんじんなことは目に見えない」は王子さまが言った言葉ではないのか? ②だとしたら、この本の主人公は誰なのか? ③王子さまは何故地球に来たのか? これらの問いの最後には、当然次の問いが控えている。 ④王子さまは目的を達して帰っていったのか? ①は最初は狐が言ったのである。でも王子さまは、すぐさまそれを自分なりに解釈して「ぼく」に語っている。 だから②の答えは王子さまなのだ。 ③と④に関して言えば、私なりの解釈を持っているけれども、なんかまだもやもやしている。まさか、ここまで「難しい」文学とは思わなかった。あと数回読まないとハッキリしないかもしれないので、此処には書かない。
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15年前、中学生の頃に読んだけど記憶に残っていなかったので、読み直してみた。 正直、前半はあまり頭に入ってこないくらい退屈だった。けど、後半、キツネが登場して以降は心に染みる言葉が並んでいた。 誰かに「飼い慣らされる」と、それは自分にとって唯一無二のかけがえのない存在となる。そ...
15年前、中学生の頃に読んだけど記憶に残っていなかったので、読み直してみた。 正直、前半はあまり頭に入ってこないくらい退屈だった。けど、後半、キツネが登場して以降は心に染みる言葉が並んでいた。 誰かに「飼い慣らされる」と、それは自分にとって唯一無二のかけがえのない存在となる。それのことを思うと幸せを感じる。 王子様にとっては一輪のバラであり、一匹のキツネである。 飛行士にとっては王子様である。 それは、他の人から見たら、他のバラやキツネや人と見分けがつかない、なんの思入れも無い存在。でも、「飼い慣らされ」た人から見たら、大切な存在。想うだけで心温まる存在。 そんな存在になること=深い関係を持つこと自体を、王子様は「贈り物を贈る」と言っている。その贈り物とは、”かけがえのない存在”であり、”かけがえのない存在を想う時に感じる愛や幸せ”である。 そして、こういった大切なものは、「目には見えない」という真理を言った。 読みながら、私自身の家族や恋人、友人のことが思い浮かんだ。 当たり前のことを、この本の詩のような文章を通じて改めて実感した。周りの大切な人のことを、自分にとって大切な人なんだと改めて感じた。いてくれてありがとうと思った。
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名作中の名作として長く愛されている作品であることは知っていたので、知識として読んでおくのはいいかなということで読んだ。 正直、何が言いたいのかさっぱりわからなかった。だから感想も何も…という感じ。私の理解力や感受性が乏しいのか、それともまだ大人になっていないからなのか。 しばらく...
名作中の名作として長く愛されている作品であることは知っていたので、知識として読んでおくのはいいかなということで読んだ。 正直、何が言いたいのかさっぱりわからなかった。だから感想も何も…という感じ。私の理解力や感受性が乏しいのか、それともまだ大人になっていないからなのか。 しばらく時間をおいて、また読んでみたいと思った。
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毎晩2ページずつ、やっと読み聞かせが終わって振り返ると、ずいぶんと難しいお話だったように思う。大人でも考えさせられる。まるで謎かけだ。 ここから何をすくって、何を自分たちの血肉にしてくれるのだろう。 星の王子さまは、すこし物悲しくてどこか寂しい。 そしてぼくの当たり前の中に、い...
毎晩2ページずつ、やっと読み聞かせが終わって振り返ると、ずいぶんと難しいお話だったように思う。大人でも考えさせられる。まるで謎かけだ。 ここから何をすくって、何を自分たちの血肉にしてくれるのだろう。 星の王子さまは、すこし物悲しくてどこか寂しい。 そしてぼくの当たり前の中に、いくつかの示唆だけを残して故郷に帰っていってしまう。さすがフランス人。深い。そして分かりにくい。ガス燈の点灯夫のくだりなど、参考書が欲しいと思ったくらいだ。 単純な私は、王子さまとぼくが睦まじく暮らしましたとさ、という勝手な結末を思い描きながら読んでしまった。 すまん、我が子ら。 もしいつか覚えてくれていたら、解釈を聞かせて欲しいな、なんてひっそり思った。 ん?もしかすると、自分はバラなのかな。
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星の王子さまと一緒に世界を旅した気分になった。「ものは心で見る。肝心なことは目では見えない」というキツネの言葉は名言だと思う。
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この小説からイメージした主要なテーマは「成長とは何か?」。王子さま(すなわち人間)がどのように成長していくのかが描かれています。そのステップは、好奇心を満たす→他者性を受け入れる→それによって傷ついていく。このプロセス。自分の傷付き方、成長の仕方に、王子さまは最終的にどう振る舞う...
この小説からイメージした主要なテーマは「成長とは何か?」。王子さま(すなわち人間)がどのように成長していくのかが描かれています。そのステップは、好奇心を満たす→他者性を受け入れる→それによって傷ついていく。このプロセス。自分の傷付き方、成長の仕方に、王子さまは最終的にどう振る舞うのか?ただこのお話の中で一番傷付いているのは王子さまよりも星にいるバラかもしれない。バラの傷つき方が非常に魅力的で、人の魅力はどのように傷つき、それに対してどう反応するかによって表れるという洞察を提供してくれます。
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良い…………。 小学生の頃から存在もあらすじも知っていたけどなんとなく読めずにいた本。旅行先の古本屋に売っててなんとなく買ったけど本当に良かったな。 物事には出会いがあって、出会うべくして出会うと思っている私です。が、こんなにドンピシャに出会えたことに感動すら覚える。ここまで読む...
良い…………。 小学生の頃から存在もあらすじも知っていたけどなんとなく読めずにいた本。旅行先の古本屋に売っててなんとなく買ったけど本当に良かったな。 物事には出会いがあって、出会うべくして出会うと思っている私です。が、こんなにドンピシャに出会えたことに感動すら覚える。ここまで読むタイミングが色々あったけど、こんなに穏やかにスッと入ってくる年代になってじっくり読めたことを幸運に思います。これも作者の文章と訳のおかげでそう感じてるだけなのかな。 私が訳本を読むの苦手ってこともあるかもしれないんだけど(日本語の少しの違和感とか外国人名の登場人物ばかりだと話に入り込めない)この話も100%理解しているか、と言われると即答できない部分は正直ある。けどこの本が私に与えた情報の8割の部分がブッ刺さってるのでこの評価って感じかな。全てを理解出来ることが評価に直結する訳ではない。刺さるところがブッ刺さりました(2回目)。 私の本を評価する基準に「読み終わった後自分の言葉が溢れるかどうか」があるんだけど、久々に脳内の言葉が溢れて止まらない。 良い文章には余白があって受け取り手のものにできる部分があると思ってて、ここに出てくる言葉ひとつひとつがそれぞれの生活においてひっそりと存在している名のないものだから、それをふわっとした言葉で話してくれることでひっそりとしたその存在を受け取り手が見つけることができるんだな〜って……思いました………… この本は作者の常日頃考えてる軸(解説に言わせるといわゆるモラル)を王子さまと周りで出会う物語的キャラクターに置き換えてファンシーに描かれてる。この凄いところは①その軸が私も常日頃考えている軸部分と重なるところがあって共感したり新しく発見したりしながら読めるところ、②自分軸というある種頑固な主張を押し付けがましくファンシーに変換して言葉にして物語としても美しくまとまっているところ、の大きく2つに分けられる。 総じて、押し付けがましくないのがすごい。私は声に出して自分の考え抜いた主張とかを言うことに苦手意識があります(自分の考えだけが正解みたいに聞こえてしまうし、ここはまだ言語化できてないけど自分の存在を言葉で大きく見せようとしてるというか、言葉にして発声する事で言葉の内容に「誰が話したか」っていらない情報が追加されて、さらに発声することでそのいらない情報の方が大きくなってしまうというか話すことを決めた人の自己意識を感じてしまうというか…なんかここは大筋じゃないのに書いてたら長くなっちゃった)。この本はサンテグジュペリの軸の話なのにサンテグジュペリの主張である感じがなくて、あくまで僕と王子さまと王子さまの体験から溢れて滲み出る軸を私が拾っている感覚で読み進められる。だから素直に話を受け止められるって部分はあると思う。 軸の内容としても、大事なのに忘れがちになっちゃう部分が多くてありがたい。色々モヤモヤしてる時に読んで色々思い出したい。図書館とかで借りてなくて良かった〜。この本は手元に、枕元に置いて、ふとした時に助けを求めるみたいにパラパラめくりたい本だから。大人になってこそ読むべき本なんだなあ。 旅行帰り夏バテで明日から仕事憂鬱〜となっていた帰りの新幹線でこれを読めたことによって、夏バテをはじめとする全ての疲れから解放された。温泉くらい効果あるのでは?ありがとう。 明日からも仕事頑張ろっと
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「世界とどのように関係を結ぶか」がテーマと理解した。 庭に咲いている5000 本のバラじゃなくて、星の1本のバラが大切な理由。5億の星ではなく、1つの星。20億の他人ではなく、1人の友達。それは、たまたま出会い、時間を共にして、お互い「飼い慣らす」から、大切になる。人も、土地も...
「世界とどのように関係を結ぶか」がテーマと理解した。 庭に咲いている5000 本のバラじゃなくて、星の1本のバラが大切な理由。5億の星ではなく、1つの星。20億の他人ではなく、1人の友達。それは、たまたま出会い、時間を共にして、お互い「飼い慣らす」から、大切になる。人も、土地も同じ。価値があるから好きになるのではない。好きになるから価値があるという、逆説。 無限の承認欲求市場の登場によって「価値のある自分になろう」「トロフィーを、バッヂを集めよう」というメッセージが数多く発されるなか、このような考え方は、人の足を、地面に着かせてくれる。 池澤夏樹も巻末に記しているように、王子様は、手仕事を大切にしていることも、示唆に富んでいる。「水を飲まずに過ごせる薬」を開発した人は自信満々に「その時間で別のことをしよう!」とPRする。それに対して王子様は「その時間を何に使うの?僕なら、水辺まで散歩することに使いたい」と言う。そうなのだ。体を使って作業することや、生きるために必要な各種の活動を、楽しんで、味わうこと。これこそ豊かな人生なのではないか?サン=テグジュペリの言葉が聞こえてきそう。(このあたりの考え方は、エンデの『モモ』とも共通する。掃除夫ベッポは、掃除を天職として、とても大切に考えている) 「クラフト、アート、サイエンスのバランスが大事」と説いたのは山口周だが、王子様は「クラフト&アート」型の珍しい人材だと思う。そしてこのような生き方は、地に足のついた、真に豊かな人生の一つの理想だと思った。 4歳になったばかりの息子に、「ゾウを飲んだボアの絵」を見せたら、「カタツムリ」と答えた。サン=テグジュペリなら、息子になんと声をかけてくれるだろうか。 子どものころに読んだけど、あるアーティストの方が、キツネの「きみがバラのために費やした時間の分だけ、バラはきみにとって大事なんだ」を引用していて、気になって再読した。本当に良かった。
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