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かわいくて、わがままな弟 の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2014/04/02

介護者を介護する人が必要。 終わり=死を意味する様な過酷な生活のはずなのに、愛にあふれた文章が染みた!かっこいい。生きていたことが知らない誰かの力になるってすごいことだな。

Posted byブクログ

2010/09/26

これは、いつも、「前を向きたいとき」「Head Upして進んで生きたいとき」に読む本。 最初に読んだとき、衝撃だった。だって、私は彼のこと、知っていた。学年は一つ上だったけど、同じ英語の塾に通っていた。 以下は、そのときの感想文(2006年3月)より。 ***********...

これは、いつも、「前を向きたいとき」「Head Upして進んで生きたいとき」に読む本。 最初に読んだとき、衝撃だった。だって、私は彼のこと、知っていた。学年は一つ上だったけど、同じ英語の塾に通っていた。 以下は、そのときの感想文(2006年3月)より。 ********************************************************************* 主人公は、金澤正和くん。出身は大分県。別府市。 英語と世界にまつわることが大好きで、オタクなくらい物知り。 どこまでも明るく、楽天的で、彼の周りにはいつも友達がいっぱい。 大学は、かの有名なICU。授業は全部英語で、ユニークなカリキュラム、海外留学提携大学も多く、実は私もあこがれていた。享年21歳。彼は筋ジストロフィーでした。 筋ジスで、ICU行けるの…???少しこの病気を知っている人ならそう思うであろう、進行性に筋肉が衰えていくこの病気。鉛筆を握ること、ページをめくること、いやいや、体を支えること、呼吸をすることすら、困難だったはず。 本にも出てくるけれど、私も中学から高校の6年間通ったその塾は本当にスパルタでついていくのは相当きつい。その塾は、大学受験なんかを目指してるのではなく、いかに国際社会に通用できるEnglishCommunicaterになれるかを目指していて、膨大な量の英文暗記やスピーチ、ディスカッションについていけずにやめる人が多い。私も「世界中の人と対等に話がしたい!」という理想を抱いたのはこの塾に行っていたからで、泣きながら毎週暗記していたけど、その英語の楽しさ、世界に出ていくチャレンジ精神を養った、思い出の場だ。 彼は英語と世界がほんとうに大好きで、全国スピーチコンテストの最終選考まで進んだり、ICUに進学して平和構築の勉強に励んでたんだって。病気と闘いながら、明るく生き抜き、勉強に励んでいた姿を、みんなも読んで欲しい。 本の写真をみて、「あぁ。」と思出だします。塾では学年が違うから一緒に授業を受けたことはなかったけれど、廊下でよくすれ違いました。車いすにのって通っていた人なんて彼しかいないから、よく覚えている。お母さんが車いすを押しているところ、友達が車いすを押してあげている姿。私もエレベーターのボタンを押してあげたことがある気がする。あの時間を一緒に共有した人が、もうこの世にいない。世界を夢見て、英語をしゃべっていた空間。 私と彼との接点はそこしかないけれど、今後英語を話すとき、海外に行くとき、彼の姿を、彼の夢を、keep in mind し続けたいと。それが自分自身の励みになるし、彼の夢を引き継ぐささやかなの方法だと思うから。 この本で読んで欲しいのは、彼の頑張りだけでなく、お母さんやお姉ちゃん、友達、理解ある先生達の惜しみない愛情と思いやり。衝突や葛藤は色々あって逃げ出したくなっても、健常者と同じ教育を受けさせ、それどころか可能性をどんどん伸ばし、やりたいことをやらせる最大限の努力を惜しまない…。障害者になかなか理解のない社だけれど、彼の育った環境、小学校~高校はとても恵まれていたと思う。恵まれた環境を作り出した、家族の力が、やっぱり、すごい。 筋ジスの平均寿命は20歳前後と簡単に教科書には書いてある。 彼の頭は非常に快活明晰で、国際関係論とか平和構築論とか外交論とか国際法とかコミュニケーション論とか、日々の世界情勢やトップニュースやゴシップとか、友達とのたわいのない会話や家族との憎まれ口とか、そうゆう当たり前のことをやっている頭をもっていて、なのになのに、体が機能をストップさせてしまった。 最後の頃、彼は何を考えていたんだろう? やりたいことがいっぱいあって、やり残したことも多いんだろうな。。 自分も 後悔よりも、周りの人への感謝で胸をいっぱいにして、 「なんてステキな人生だったんだ!もっともっと生きて色々したかったけど、こんなに頑張った!自分自身HAPPYに過ごせし、色んな人をHAPPYに出来たんだ!夢も叶えたんだ! ありがとう、お父さんお母さんお兄ちゃん妹。ありがとう、今まで私にかかわった全ての人。」 そう言える人生を送りたいです。 正和くんは本当にかっこいい生き方でした。 少しでも見習えるように頑張りたいと思います。 ********************************************************************* 何度読み返してみても、同じ思いを抱きます。

Posted byブクログ

2009/10/04

筋ジストロフィーであるにもかかわらず果敢に人生を生きた金澤正和さんは、2005年1月、ついに21年の生涯を閉じた。国際問題の評論家になることを夢に学んでいたICU(国際基督教大学)の三年生だった。 本書は正和さんが亡くなった後、正和さんの手記をもとに姉の絵里子さんがまとめた。誕生...

筋ジストロフィーであるにもかかわらず果敢に人生を生きた金澤正和さんは、2005年1月、ついに21年の生涯を閉じた。国際問題の評論家になることを夢に学んでいたICU(国際基督教大学)の三年生だった。 本書は正和さんが亡くなった後、正和さんの手記をもとに姉の絵里子さんがまとめた。誕生から死に至るまでの正和さんのこともさることながら、最も近い存在であったお母さまや絵里子さん(ともにクリスチャン)にも焦点が当てられていて、介護する側とされる側の心理がつぶさに描かれている。第八章のタイトル「献身」は、双方の生き方を表す言葉としてまさに正鵠を得ている。キリスト教神学には神義論という分野がある。それは、全能であり善なる神がいるのに、なぜ悪や苦しみがこの世に存在するのか、という問題に取り組む。森本あんり氏によると、しかし、そのような問いを正和さんのケースに投げかけるべきではない。ヨハネ9章で、イエスが弟子たちの問いに対する答えとして与えた言葉に学ぶべきである。神義論的な問いは、個々具体的なケースの前では時に無意味であり、沈黙するべきなのだ。この本は、そのように謙虚な姿勢をもって、ただ耳を傾けることを読者に要求する。

Posted byブクログ