遊女歌舞伎 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「男をまよはす魔王なれば、女にこゝろをゆるし給ふべからず」(『慶長見聞集』) 「遊女の遊芸には多様な側面がある。それは男を喜ばせ、奉仕する一方で、最後には男をたらしこみ、男を骨抜きにする恐ろしい一面をもっていたからである。遊女の魅惑と見えたものは、じつは猛毒を秘めた蠱惑的な香りであり、華やかな表面とは裏腹に、その奥には恐ろしい毒牙が秘められていた。それは、獣心という本性を蔵する男相手の商売をしなければならぬ遊女の暗い怒りであり、復讐であった。遊女は、その本音の部分では決して男を許していない。それゆえ、客の身代を根こそぎ奪う遊女屋稼業に加担しても痛痒を感じなかった」 「遊女歌舞伎における遊女の場合は、巧拙はともあれ、その前後に遊芸があり、遊芸に彩られた女の肉体を前提に性的営みが行われる。肉体と遊芸とのからみあいで醸成される複雑な女の色香、あるいは女の『色気』が重視され、それによって、いわば『商品価値』がきめられた。遊女の役割を遂行するためには特別な修練をつみ、男の気持を燃え上がらせ、夢見心地の世界へと導く恋の専門家になる必要があった。一方、娼婦の場合は、男たちの性欲解消の相手として女の肉体だけが対象とされ、その人格も遊芸も不問に付された」 ヤダー! 面白い! ヤダー!
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