1,800円以上の注文で送料無料

博士の異常な発明 の商品レビュー

3.9

9件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

この本には、仮想対談…

この本には、仮想対談から、笑える話、そして少し背中がゾクゾクする話までいろいろな話が載せられています。特に、仮想対談は、親に心配されるほど笑いました。

文庫OFF

2022/05/27

「清水義範」の異常な発明に関わるSF連作集『博士の異常な発明』を読みました。 ちょっと軽い作品を読みたくて、「清水義範」作品を選択… 「清水義範」作品は前回何を読んだか記憶がないくらい久しぶりですね。 -----story------------- ペットボトルをアッという間...

「清水義範」の異常な発明に関わるSF連作集『博士の異常な発明』を読みました。 ちょっと軽い作品を読みたくて、「清水義範」作品を選択… 「清水義範」作品は前回何を読んだか記憶がないくらい久しぶりですね。 -----story------------- ペットボトルをアッという間に分解する“ポリクイ菌”。 透明人間の鍵を握る素粒子“ミエートリノ”。 ついに出来た(?!)不老長寿の妙薬。 はたまた1万年後の考古学座談会… マッド・サイエンティストたちの可笑しくもかなしい大発明の数々! 得意のパスティーシュやパロディの手法を駆使し、科学的蘊蓄を注ぎ込み、かつ笑いを追求した会心の連作集。 発想のヒネリ技に思わず噴き出す、傑作エンターテイメント。 ----------------------- 本作品には以下の九篇が収録されています。  ■プロローグ――史上最大の発明  ■文明崩壊の日  ■袁孫の発明  ■異形のもの  ■鼎談 日本遺跡考古学の世界  ■グリーンマン  ■半透明人間  ■野良愛慕異聞  ■見果てぬ夢 いやぁ… 面白かったです、、、 それぞれの作品自体も愉しいのですが、各作品に登場する科学者(マッド・サイエンティスト)が、とても魅力的に描かれており、その魅力に惹きこまれ、どんどん次の作品が読みたくなる感じの一冊でした。 久しぶりに活字を読みながら笑えましたね… 『プロローグ――史上最大の発明』で、本書への期待が膨らみます。 そして、本編… 特に面白かった作品を紹介します。 『文明崩壊の日』は、ペットボトルを分解する細菌“ポリクイ菌”の発見… そして、“ポリクイ菌”が変異し、プラスチック容器一般のポリ塩化ビニールやスチレンブタジエンゴムを分解する細菌まで登場することにより、石油化学系のゴミ処分に確革新をもたらす、、、 はずだったが、“ポリクイ菌”が空気中を浮遊し始め、石油系合成樹脂を分解し尽してしまい文明が崩壊するという物語。 便利な発明も、使い方次第ということですかね。 『袁孫の発明』は、古代中国の唐の時代を題材にした発明家「陶末袁孫(とうまつ・えんそん)」(≠トーマス・エジソン)の珍発明の数々が紹介されますが、発明のパロディの連続で、面白くて可笑しくて、笑いを我慢できませんでした。 時折登場する漢詩が、これまた抱腹絶倒モノ… くだらない発明と合わせて、笑わせてもらいました。 『鼎談 日本遺跡考古学の世界』は、1万年後の研究者たちが日本遺跡について語る座談会。 考古学って、研究者の主観や思い込みが、歴史を作ってしまうんだなぁ… と感じさせられました。 「小松左京」のSF小説『日本沈没』や東京都庁、吉野ケ里遺跡を巧く使ってありますね。 『半透明人間』は、人間の見るという機能は、素粒子“ミエートリノ”が脳に働きかけることによって認識を促されている… という新発想のもと、人間を透明にするのではなく、“ミエートリノ”を抑えることにより、見えなくするという発見。 この発想は、なかなかできないですよねぇ… 愉しみつつ、感心しながら読みました。 『野良愛慕異聞』は、アイボ等の愛玩用ロボットの行く末を予言したような作品。 現在のペットブーム、そして飽きられたり、増えすぎて捨てられるペットたちのことを考えると、実際に似たようなことが起きそうです。 『見果てぬ夢』は、不老を実現する大発見をした研究者の物語なんですが… 発見がちょっと遅くて、結局、役に立ってないという物語。 凄い発見であっても、タイミングを逃してしまうと、効果がなくなってしまうということですね。 久しぶりにSF(パロディですが… )作品を読みましたが、とても愉しめました。 「スタンリー・キューブリック」監督のマッド・サイエンティストが活躍する映画『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』をパロったタイトルもイイですね。

Posted byブクログ

2020/09/03

発明をテーマにした短編集。小3ぶりに読んだ。この中のグリーンマンという話は幼い私に衝撃を与え、私の性癖(触手モノ)の基礎を形成してしまった。人生の中でもかなり大きな位置を占めているな…。 日本遺跡考古学の世界と、半透明人間も面白かった。HGウェルズの影響が全体的にちらつく。

Posted byブクログ

2020/02/06

清水義範さんってこういうSF(とは言わないか?)書かれるんですね。全然イメージ違った。「発明」をキーワードにした短編集。ちょっとブラック色なパロディが小気味いい。 特に1万年後に新宿の都庁舎の遺跡を「これは神殿ですね」「東京の人口は20万人だった」、考古学ってこういうところあるだ...

清水義範さんってこういうSF(とは言わないか?)書かれるんですね。全然イメージ違った。「発明」をキーワードにした短編集。ちょっとブラック色なパロディが小気味いい。 特に1万年後に新宿の都庁舎の遺跡を「これは神殿ですね」「東京の人口は20万人だった」、考古学ってこういうところあるだろねってにやっとした。不老不死の発明「見果てぬ夢」もよかった。その他の風刺も効いてる。

Posted byブクログ

2014/05/27

1万年後くらいの考古学者が語る、「古代都市トーキョー」の話はとても好き。中学生のときからさもありなん、と何回も読みなおしてしまう。 現代の文明を風刺、とまではいかない、馬鹿にしているのか面白がっているのか、発想が自由で楽しいです。

Posted byブクログ

2010/08/22

 おもしろかった。「発明」というキーワードがあるだけに、それぞれの短編に入りやすかったのだと思うし、短編の発想そのものも、ある種「発明家もの」ってパターンが先にあるだけに、安心して読めるような気がした。  一番気に入ったのは、発明とは一番縁の遠い、「日本遺跡考古学の世界」だった。...

 おもしろかった。「発明」というキーワードがあるだけに、それぞれの短編に入りやすかったのだと思うし、短編の発想そのものも、ある種「発明家もの」ってパターンが先にあるだけに、安心して読めるような気がした。  一番気に入ったのは、発明とは一番縁の遠い、「日本遺跡考古学の世界」だった。笑い転げつつ、あとになってシンとした気分になって考えてしまった。ちょっと風刺が効いた中に、案外しみじみするものを感じさせてくれた「野良犬愛慕異聞」も傑作だと思った。  文体模写というものでは全くないし、奇をてらったようなものもあんまりない。作者の独特の感性がうまく出ていて、今まで読んだ彼の短編集の中でも、もっとも気持ちよく読めたものかもしれない。

Posted byブクログ

2010/08/09

清水義範さんの書く本が、好きになったキッカケの本。 私が読んだのは新書版で、文字が細かくて苦戦するかと思いきや、自分が思っていたよりも、面白くスラスラと読めた。 ユーモアに溢れ、なさそうで、ありそうな、気持ち良く「ぶっ飛んだ」話の数々に、ウケること間違いなし。

Posted byブクログ

2010/05/16

マッドサイエンティストたちの発明品による、一見「とても役に立ちそう」な発明品たちが現代社会に起こす現象のダークなお話。 ポリエチレンを数分で分解する細菌  ポリクイ菌 ダイオキシンを発生させることなく処理でき、人体にも全く無害という夢のような細菌。 しかも、どんどん増殖して変異...

マッドサイエンティストたちの発明品による、一見「とても役に立ちそう」な発明品たちが現代社会に起こす現象のダークなお話。 ポリエチレンを数分で分解する細菌  ポリクイ菌 ダイオキシンを発生させることなく処理でき、人体にも全く無害という夢のような細菌。 しかも、どんどん増殖して変異していき、最初はペットボトルしか分解できなかった菌が、プラスチックを分解するもの、ゴム製品を分解するもの、と その種を増やしていく。   地位も名誉も巨大な富も手に入れた有名映画監督が創設した最先端科学研究所。 そこで研究され、監督が手に入れたかったものとは…   一度沈没した日本が突然浮上し、考古学上の論議がなされる一万年後の研究者対談。 トチョーシャは神殿だったのか。そこに仕える巫女たちは厚底のブーツを履いていたのか。 どんなものを食べ、どんな衣類をまとい、どんな社会だったのか。 透明人間とは、その肉体が透明になるのではなく、その存在がまったく気付かれなくなる「存在感のなさ」によるもので、その物質ミエートリノを摂取すると目の前にいても全く気付かない。       などなど… 21世紀は かつてのマッドサイエンティストが創作したものが具現化してきた世界。 さぁ、これから実現される世界はどれだろうか。

Posted byブクログ

2009/10/04

清水義範作品の最大の魅力は、やはり「暴走っぷり」にある。 例えば星新一が「ノックの音」から、星ワールドの扉を開き、彼の中の近未来へと招き入れるように。 最初はなんの変哲もない光景が繰り広げられていたはずが、いつの間にか「ピントのズレた」世界に踏み込まされていることに気づくのだ。 ...

清水義範作品の最大の魅力は、やはり「暴走っぷり」にある。 例えば星新一が「ノックの音」から、星ワールドの扉を開き、彼の中の近未来へと招き入れるように。 最初はなんの変哲もない光景が繰り広げられていたはずが、いつの間にか「ピントのズレた」世界に踏み込まされていることに気づくのだ。 そしてそこは、気が遠くなるくらい「とんちんかん」なのである。 清水義範は、誰もが考えそうな思いつきをきっかけに、清水ワールドへと暴走する。 今回は「発明」という、身近でありつつ、既に若干怪しいところから、さらに怪しさ大爆発の場所までつれて行かれてしまったらしい。 当然楽しかった。 小説をニヤニヤして、たまに吹き出したりして読むのは、この人の作品くらいである。

Posted byブクログ