1,800円以上の注文で送料無料

ローリング邸の殺人 の商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/07/09

ケイン警部の元を訪れた怪しげな男。その男は「友人の命が狙われているから助けて欲しい」と依頼する。ローリング邸では命を狙われていると主張する傍若無人な主人、虐待を受けている様子を匂わせる年若い妻とその姉、主治医に執事……それぞれ腹に一物ある様子。不穏な気配が充満する館の中で、ついに...

ケイン警部の元を訪れた怪しげな男。その男は「友人の命が狙われているから助けて欲しい」と依頼する。ローリング邸では命を狙われていると主張する傍若無人な主人、虐待を受けている様子を匂わせる年若い妻とその姉、主治医に執事……それぞれ腹に一物ある様子。不穏な気配が充満する館の中で、ついに主人が謎の死を遂げて―― いやぁ、物語とトリックと各登場人物のキャラクターとが見事に絡まってサスペンスの盛り上げ方が絶妙。面白かった。 最初にある登場人物一覧みて、人数の少なさに「えっこれで大丈夫?」と不安になるもそんなの問題ありませんでしたね。最後まで読者を振り回してくれる一級品でした。

Posted byブクログ

2012/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノートン・ケイン・シリーズ 病気休職中のケイン警視の元を訪れたジョン・ファデラーと名乗る男。友人であるアーロン・ローリングに迫る危機を訴える。アーロンの妻サラにローリング邸を追いだされたファデラー。ローリング邸を訪れたケイン。部屋を貸すという広告。屋敷の中に入り込むケイン。サラとサラの姉であるジュリア・ヴィンセントの怪しい会話。消えた広告。自らの命の危機を訴えるアーロン。アーロンの死。遺産の大部分を残された執事のランダー。モルヒネ中毒で殺害されかけたヴィンセント。ランダーに託されたアーロンの死の直前の手紙。犯人を告発する手紙。医師であるグリーン・ヒューリングを追い詰めるケイン警視。  2011年3月6日読了

Posted byブクログ

2009/10/04

いわゆる館もの。 陰鬱な屋敷に癖のある住人が住み、主人が不審な死を遂げ、容疑者は怪しい動きをし、遺言状は不自然で、続いて第二の事件が起こり……と、展開自体はノーマル。 だが、探偵役のケイン警視が病気療養中で、なおかつ(一種の)隠密捜査であるということもあり、とても静かに事件が展開...

いわゆる館もの。 陰鬱な屋敷に癖のある住人が住み、主人が不審な死を遂げ、容疑者は怪しい動きをし、遺言状は不自然で、続いて第二の事件が起こり……と、展開自体はノーマル。 だが、探偵役のケイン警視が病気療養中で、なおかつ(一種の)隠密捜査であるということもあり、とても静かに事件が展開していくのが印象的。 事件も少なく、登場人物もまた少ない中、どんなサプライズを魅せてくれるかと思ったら、最後50ページ弱にかけて怒涛の展開。 まんまと騙されていた。 トリック自体は気になるところもないわけではないけど、序盤から仕掛けられている伏線が素晴らしい。 最近の作品のような派手さはないけど、堅実な良作だった。

Posted byブクログ

2009/10/04

館そのものは無関係なのだが「館モノ」に属するのだろう。閉鎖された建物と数少ない容疑者という設定は圧倒的に読者有利。そこに作者の自信が垣間見えるような気がして、期待して読んだ。ケイン警視が主人公だが、通常の捜査は行っていない。そこがこの話の面白いところでもある。警視同様、読者も期待...

館そのものは無関係なのだが「館モノ」に属するのだろう。閉鎖された建物と数少ない容疑者という設定は圧倒的に読者有利。そこに作者の自信が垣間見えるような気がして、期待して読んだ。ケイン警視が主人公だが、通常の捜査は行っていない。そこがこの話の面白いところでもある。警視同様、読者も期待通りにいかない展開にストレスを感じるかもしれないが、そう思いながら読んでるといきなり山場がくる。この終盤にはいささか面食らった。何かがバタバタと倒れて、最後に残ったものがあまりにも意外だったからだ。可能性は考えてはいたが、まさかこういう技で勝負してくるとは思わなかったので、素直に驚いた。トリックの善し悪しは別として、真犯人の思惑の罠をかいくぐり、その醜悪な意図に到達するプロセスが結構気に入った。

Posted byブクログ