銀河ヒッチハイク・ガイド の商品レビュー
宇宙を舞台にしたギャグ小説です。SFではありません。
普通のSFかと思ったら、最初からブラックジョークばかり。
何の意味も無く、アッサリと地球と人類が滅亡。
そして、何の意味も無い一行の旅がダラダラと続く。
とら
地球滅亡後の最後の地…
地球滅亡後の最後の地球人の銀河彷徨い録ではあるけど、一貫して続くナンセンスなギャグストーリー。イマイチどこらへんが面白いのか・・・、文中の行間に乗れなかった。
文庫OFF
【感想】 宇宙を舞台にしたSFで、こんなに軽くて笑えるものが作れるのか、と思わず感心してしまった。大胆な想像力と鋭いユーモア。そしてスペースオペラ特有のスケールの大きい展開と、それを十二分に活かしたコメディ。まったく新しいスタイルの冒険物語といえるだろう。 本書は、主人公のアー...
【感想】 宇宙を舞台にしたSFで、こんなに軽くて笑えるものが作れるのか、と思わず感心してしまった。大胆な想像力と鋭いユーモア。そしてスペースオペラ特有のスケールの大きい展開と、それを十二分に活かしたコメディ。まったく新しいスタイルの冒険物語といえるだろう。 本書は、主人公のアーサー・デントという普通の地球人が、友人であるフォード・プレフェクトと共に銀河ヒッチハイクの旅に出るという物語だ。冒頭で地球は、「銀河バイパスの建設に邪魔だから」という理由で破壊されてしまう。地球の消滅を前に絶体絶命となるアーサーだったが、実は友人のフォードは地球にヒッチハイクで訪れていた宇宙人だった。フォードの手助けによって宇宙船を(勝手に)ヒッチハイクし難を逃れた彼らは、その後銀河のあちこちを彷徨うように冒険していく。 読んでいてうまいなぁと思ったのは、SFにありがちな荒唐無稽な設定と無茶苦茶な場面転換の数々を、思いっきり笑いに寄せることで、SFとコメディの2つのジャンルを見事に融合させていることである。 もし宇宙のどこかに人間以外の生物が存在するとしたら、おそらくその見た目は気持ち悪く、その文化は人間にとって意味不明なものだろう。当たり前だが、人間にとっての常識は地球の中の常識でしかなく、日常生活で当たり前と思っていることも、銀河系の奇妙な宇宙生物や宇宙の法則の前では全て秩序を持たない。そうした「宇宙の不可解さ」を過剰に演出してしまえば、読者にとっては想像のできないチンプンカンプンな作品となってしまう。しかし、筆者はそれらを風刺的かつユーモラスな方法で描写することで、「奇抜なコメディ」へと昇華することに見事に成功している。 自分のお気に入りは、冒頭で、自宅を取り壊されそうとしているアーサーへの市役所職員からの警告と、地球を取り壊されそうとしている地球人へのヴォゴン人からの警告が見事に重なるところだ。「確かにお役所仕事だけど、話を聞こうとしないアーサーも悪いよ」という気持ちで読んでいたものが、「そんなお役所仕事で地球を壊すんじゃないよ!きちんと話せよ!」というツッコミに変わってしまった。まんまと筆者の思惑に乗ってしまって悔しい。 想像力を刺激し、笑いと思考を同時に与える魅力的な作品。普段難しい作品に触れているSFファンにこそおすすめの一冊だ。
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詳細はあとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください → https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-2069.html 半分ほど読んだところで映画を見たら、登場人物に親しみが持てて、急に本が面白くなり、残りを急ピッチで読みました...
詳細はあとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください → https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-2069.html 半分ほど読んだところで映画を見たら、登場人物に親しみが持てて、急に本が面白くなり、残りを急ピッチで読みました。 バカバカしいギャグ、予想できない展開。 その中に、人類の将来の危うさが感じられたりして、SFなのに、人生観に突き刺さります。(*^_^*)♪
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"シュールでブラック 途方もなく バカバカしい SF コメディ" と カバー 裏面の紹介にある。 バカバカしいという感想は私だけではないのだね、安心した。 でもその上で本作が大傑作と言えてしまうのもブラックジョークなのか? 少なくともストーリーは頭に入ってき...
"シュールでブラック 途方もなく バカバカしい SF コメディ" と カバー 裏面の紹介にある。 バカバカしいという感想は私だけではないのだね、安心した。 でもその上で本作が大傑作と言えてしまうのもブラックジョークなのか? 少なくともストーリーは頭に入ってきた。
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最高すぎる! おもしろい! どの本に書いてあったかは忘れたが、イーロン・マスクが少年時代にこの作品が大好きで、影響を受けたと知って以来ずっと気になっていた小説。 大好きな『ビックバン・セオリー』でも度々会話に出てくる。 シリーズが結構長いので躊躇していたが、一気読みするほど夢...
最高すぎる! おもしろい! どの本に書いてあったかは忘れたが、イーロン・マスクが少年時代にこの作品が大好きで、影響を受けたと知って以来ずっと気になっていた小説。 大好きな『ビックバン・セオリー』でも度々会話に出てくる。 シリーズが結構長いので躊躇していたが、一気読みするほど夢中になって読める!面白い笑 家の立ち退き拒否のため家の前に寝転がるアーサー・デント。 そんな中、友人のフォードが飲み行こうと誘う。 実は彼は『銀河ヒッチハイク・ガイド』の現地調査員だった。 フォードが『酔っ払わずにはいられない事態』の衝撃の理由が、デントに語られる——。 『銀河ヒッチハイク・ガイド』とは、文字通り宇宙で過ごすためのガイド。 表紙に「パニクるな」と書いてある。 このガイドがあれば大丈夫笑 地球に関してのガイドも書いてある。ウケた笑 コメディ好きだわ〜!しかもSF! 幸せな気分になれる。最高! Kindle全巻一気買いしたので、続きを堪能させていただく。 アマプラで映画も観るぞ♡
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最初の数ページ、いや、数行で心をつかまれた。ほぼすべてのページにアイロニカルなジョークが仕込まれており、ユーモアを愛する人ならばドンピシャだ。SF的なワンダーはそこまで無く、地球を飛び出し宇宙で冒険している割に、登場する宇宙人のだいたいは地球人のように社会的で考え方も人間的。なの...
最初の数ページ、いや、数行で心をつかまれた。ほぼすべてのページにアイロニカルなジョークが仕込まれており、ユーモアを愛する人ならばドンピシャだ。SF的なワンダーはそこまで無く、地球を飛び出し宇宙で冒険している割に、登場する宇宙人のだいたいは地球人のように社会的で考え方も人間的。なので最初グッと入り込んだあと、徐々に一歩二歩と引きつつ俯瞰的に読んでいた。でも読み進めていたらさらに一周回って楽しくなってきた。壮大過ぎる風刺とヨタ話にさすがモンティ・パイソンの国という気がしたし、「42」というただの数字を追い求め、そこに一所懸命意味を与えようとするのはほんと皮肉が効いている。テンションの高さは最後まで続き、詭弁とギャグのみで構成した小説と言っても過言ではなく、それがいかにすごいことなのか考えると畏怖さえ覚え、この作品が愛され続けている状況そのものにSFの素敵さを感じざるを得ない。宇宙を旅するのに必要なもの、それはきっとユーモアなのだ。『銀河ヒッチハイク・ガイド』はそのことを証明する。とびっきりのジョークを振りまいて。
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結構古い作品だったみたいだが、全然気にならない程、ふざけてて面白かった。 全部で5弾あるみたいなので、次は宇宙の果てのレストランを読む。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
さて。 例の如くローカス・オールタイムベストからの選択。 正直ナンセンス物やドタバタ系が苦手だったので若干敬遠していたのだが、まあでもやはり読んでおくか、ということで購入。 結論から言うと面白かった。 一つ一つあまり考えなくても読め、展開も早いためどんどん読み進められ、あっさり読了。スピード感はあるが、わかりやすいため読者は置いてけぼりにされることはない。 ナンセンスでいくつかツッコミどころもあるらしいのに(訳者後書き参照)、何だか見事に感じるのはなぜだろう? おそらくその根底に確かな筆力があるからなんだろうな、と思う。 キャラ立ちはしているし、適当なようできちんと辻褄があった(回収される)フリをしているし、何より何だかセンスがある。これは訳すのが難しかっただろうなー、と訳者安原氏の苦労を想像する。 あまり考えなくても読めると書いたが、一つ一つのジョークに込められた皮肉がわかると、より本書の面白みが増す。そのシニカルなジョークの良質さが、本書が名作と呼ばれる所以だ。 結局『銀河ヒッチハイクガイド』とは何だったのか。大百科辞典のようなもののようなのだが、なぜヒッチハイクガイドなのかは謎だ。 物語のエッセンスのように登場はするが、決して中心ではない。それがタイトルになっているところがまたシュールで意味がわからない。 笑いは基本ブラックで、官僚的手続きを小馬鹿にするし、あっさり地球は消滅するし、最高に賢いロボットはどうしようもなく悲観的だし、生命や宇宙その他諸々の回答も人を馬鹿にしている(真実かもしれないが)。 そこが小気味がいいのだが、鯨のくだりは少し苦しくなった。自分は個の死を笑えるほどシニカルにはなれない。 最後は何の役にも立たないと思っていたマーヴィンの活躍で一行は救われる。良い意外であり、かつそれもまた皮肉だ。 そんな感じで2冊目、『宇宙の果てのレストラン』も読む予定。 ところで、地球上で最も賢い生物のネズミが言っていた問い「黄色くて危険なものはなんでしょう?」の答えは「ブルドーザー」だろうか。
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読んでいて意味がわからなく頭がおかしくなりそうだったが、不思議とページを読む手が止まらなかった。50年ほども前の本だとは思えない斬新な話で、タイタンの妖女を読んだときと同じような衝撃を覚えた。
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