ペレート・ムンドゥス の商品レビュー

レーナクルーン(著者),末延弘子(訳者)

2020/03/10

作者には本気を出さないで適当に日記のように書いていて欲しい。仮に文学的に何か目覚めて本気を出してしまったら、宇宙の彼方に行ってしまい、我々は飼い主に放置されたコンビニ前に繋がれた犬のようにおいてけぼりを食らうことになる。今作はその「適当バージョン」なので楽しく読める。へんてこSF。大人、子供、動物、Ai、宇宙人、異形の垣根がない感じのゆるゆる。色んな状況の話があって、いつもホーカンという名前の男性、オス、XXが出てくる。狙ってやってじゃなくて、日常、通常がへんてこなんだよね。多分すごいいい人。

2014/03/29

風刺文学。
全部で３６章の掌編で組まれているが、そのほぼすべてが一貫して「現代社会が抱える不安をそのまま突き詰めていったら、将来どうなってしまうか」という視点で描かれている。
科学技術の発展、精神的な病理、共同体の姿、政治思想、宗教、人種問題、教育問題・・・・。
取り上げる問題は幅広い。
次々展開されるショッキングな近未来の姿は、インパクト強烈で、読んでいて面白いし、多くの気づきを与えてくれる。良著。