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近代ベトナム高等教育の政策史 の商品レビュー

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2011/10/05

久しぶりに学術書を読んでスリリングな気持ちと興奮を味わった。これまでアジアの高等教育に関する文献を読む機会は多くはなかった。それは多分日本が歩んだ「欧米から取り入れた教育システム」の存在があったからだろう。学ぶことは欧米からのものが中心となるはず、という思い込みがあった。 しか...

久しぶりに学術書を読んでスリリングな気持ちと興奮を味わった。これまでアジアの高等教育に関する文献を読む機会は多くはなかった。それは多分日本が歩んだ「欧米から取り入れた教育システム」の存在があったからだろう。学ぶことは欧米からのものが中心となるはず、という思い込みがあった。 しかし、その気持ちを本書を読んで直ちに改めた。本書はベトナムという世界史上いくつもの国に「影響下」にあった国の高等教育の政策を、1つの論文として詳らかにしたものだ。この影響下という点で、時代背景を問わずに日本の高等教育と比較できる部分があるのではないかと思った。 重要と思われる箇所に付箋紙をつけながら読んでいくと、30か所以上になった。これを見ても私にとって示唆に富む論文であったことがわかった。 中華、フランス、アメリカ、ソビエトから主体的又は強制的に採用した(させられた)ベトナムの高等教育政策の変遷は、トロウのいう大学の大衆化の局面を迎えて、次の段階に移りつつある。ポスト「ドイモイ」期の改革政策はどのように行われるか興味が尽きないところだ。 ※蔵書記録:農学生命科学図書館 377.223C43 農経

Posted byブクログ