アヤックスの戦争 の商品レビュー
8/14 元々興味を持っていた「フットボールの政治利用」を、主にオランダとユダヤ人との関係から紐解いた著作。 さすがに当時の選手の名前は知らないものばかりだったけど、面白かった。
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スポーツ⇒闘争力と愛国心の増強⇒政治。オランダという欧州における「位置」がこの関係に大きな影響を与えたんだな。
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戦争とフットボールクラブの盛衰 人種差別が無いかのような日本にいると鈍感になるユダヤと、あのアヤックスの関係を中心に、ロシアを含む欧州でフットボールが戦中にどのように変容したか、を丁寧に紐解いている。 市民が巻き込まれ、都市が破壊される近代戦でも、人の営みは衰退...
戦争とフットボールクラブの盛衰 人種差別が無いかのような日本にいると鈍感になるユダヤと、あのアヤックスの関係を中心に、ロシアを含む欧州でフットボールが戦中にどのように変容したか、を丁寧に紐解いている。 市民が巻き込まれ、都市が破壊される近代戦でも、人の営みは衰退するだけではない。だからこそ栄える物事もある、という当たり前のことがフットボールにも起こる。寛容なアヤックスが、戦中にはユダヤを庇い、戦後は対独協力者を庇い、現在はユダヤについて沈黙していることと、オランダ人が隠れ家> を提供し、恐らくはオランダ人の密告により、オランダ警察が収容所に送ったアイネ・フランクリンとの共通点に見ることができるオランダの戦中、戦後史が秀逸だった。そして、アヤックスを始めとして、オランダのフットボールクラブが戦後急速に発展したことも、興味深い。 フットボールは、ドイツでも、戦争中も活動しており、勿論、衰退したクラブはあるものの、生き残ったクラブは人々の間でより強固なものとして存在している、というところが何とも興味深い。日本と比較するのは嫌になる程、欧州は深い。戦争慣れ、世慣れしている。 戦中、戦後と継続して活動し続け、力を増したコミュニティが日本にあるだろうか。野球が近いが、商業的な成功はともかく、職業野球人と観衆が完全に分断されつつあり、クラブとは似ても似つかない。敗戦国だからといって、ドイツのクラブはいくつも存続している。 この本は歴史的事実を暴露的に描く扇情さはあるものの、こうやって歴史を紡いでいくことから、例えばフットボール一つとってもFIFAランキングが何位になっても、追いつけない何かを感じる、欧州のフットボールの歴史は長く、深い。 文京図書館から借用。 購入予定
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アヤックスとユダヤ人の関係を基に 第二次世界大戦とサッカーの関係が 綴られている。 現在、国内だけでないヨーロッパでも結果を残しているアヤックスの裏側が見れて面白いが、サッカー好きでなければ微妙な内容である。
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〈見過ごさないこと〉 サイモン・クーパーを初めて読んだ人は誰もが、サッカーについてこんな風に書けるのかと驚愕したはずだ。2作目の本書も前著『サッカーの敵』同様に(他は日本独自編集本)、サッカーと政治を扱っていて、ライトなサッカーファンが読むのは無理な重厚さ。僕のオランダという国に...
〈見過ごさないこと〉 サイモン・クーパーを初めて読んだ人は誰もが、サッカーについてこんな風に書けるのかと驚愕したはずだ。2作目の本書も前著『サッカーの敵』同様に(他は日本独自編集本)、サッカーと政治を扱っていて、ライトなサッカーファンが読むのは無理な重厚さ。僕のオランダという国に対する幻想を見事に打ち砕いてくれたことに感謝したい。
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