歯科医院地域一番実践プロジェクト の商品レビュー

岩渕龍正(著者)

2024/02/08

歯科医院地域一番実践会のコンサルタント岩淵氏が書いている物語形式の本。
400P近くあるが、2時間もあれば読める。

ある医院の院長が近くに競合が出来て、患者数が減っていくところから物語が始まる。
最初はすべて、周りの環境のせいし、スタッフが悪いと決めつけ、自分を変えようとは思っていなかったが、ある先生の話を聞き、少しずつ自己変革していく。
院長は技術者である前に、経営者であり、マネージャーであると書かれている。
限られたキャッシュで儲けを出さなければならない。また、働いているスタッフのマネジメントをし、もちべーションを高め、医院理念のもと、働いてもらわないといけない。
成功の3条件は①素直さ②プラス発想③勉強好き、に加え、情熱、想いが大切
ということが書かれている。
また、この本のベースはマネジメントが中心に書かれている。一般企業でマネージャー経験がある方には当たり前のことだが、病院であっても同じことなのだと実感した。

ファーストステップはスタッフに対しての関わり方。
スタッフに対し、感情的に怒ってはいけない。冷静に叱ることが大切
そして、常に感謝すること。ありがとうという言葉普段から言わなければいけない。また、挨拶は自分から積極的に行うこと。
セカンドステップは
医院の目的、方向性を決め、それをミーティングで伝えること。
そして目標（7つ）を決める①新患（紹介あり）②新患（紹介なし）③リコール反応率④自費率⑤キャンセル率⑥レセプト枚数⑦医業収入
それぞれの具体的目標を決め、達成したら大入り袋、報酬金を出し、スタッフのモチベーションを上げていく。
サードステップはプロジェクトチームの立ち上げだ。
本書では4つのプロジェクトを立ち上げ、スタッフに考えさせること、そしてそれをミーティングで発表してもらう流れで進めている。
その中でコーチングの大切さを学べる。「こうしなさい」ではなく「どうしたらいいと思う？」が基本。本人に気づかせてあげることが人材育成につながる。
プロジェクト内容は医院をよくするための具体的事例が多く書かれており、参考になる。
次にフォースステップ、プロジェクトが波にのってくれば、次は仕組化していかなければいけない。
そこで大切なのは評価制度だ。
本書では「40分間、簡単目標設定法」というもので、スタッフの目標を決め、評価に反映させている。

人材育成の基本だが、
①スタッフとのかかわり方の改善
②院（企業）の理念や想いをスタッフへ浸透させる
③院（企業）の目標をスタッフへ共有
④上記目標を達成させるために、短期的に目標達成の喜びを共有
⑤中長期的に院（企業）をよくするためにプロジェクトチームを立ち上げ
⑥プロジェクト内で考えさせること、自分で行動させ、成功体験につなげる
⑦プロジェクト内容を全スタッフに浸透させるため仕組化していく
⑧上記行動を体質化させるために、評価制度を整える

歯科医院のリアルなストーリーの中で、上記のことを具体的に学べる良書だ。

2022/06/29

ストーリー仕立てになっており、大変読みやすい一冊。

この本にあることをすべて実践するのは、かなり骨の折れることであるとおもうので、それぞれのクリニックの課題にあわせて、打ち手を決めるのがよいと思う。