1,800円以上の注文で送料無料

歳月 新装版(下) の商品レビュー

4.1

22件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2015/03/14

下巻。 上巻を読んで、江藤新平という人は確かに欠点は多いものの、なんとなく愛着というか、憎めないものを感じてたので、後半の追い込まれる様は、読んでて辛かったです。恐るべし、大久保利通・・・。 日本の司法の仕組みを創ったともいえる、有能な人だっただけに、惜しまれます。

Posted byブクログ

2013/12/10

 江藤新平が中心になって引き起こされる「佐賀の乱」は、あっけなく明治政府に鎮圧される。士族の不満を結集するはずが他藩の協力は得られない。負け戦だと判断すると江藤は戦地を離れる。政治犯の助命を東京での裁判で期待するがそれも叶わず、佐賀で斬首になる。大久保が後世に影響を及ぼすであろう...

 江藤新平が中心になって引き起こされる「佐賀の乱」は、あっけなく明治政府に鎮圧される。士族の不満を結集するはずが他藩の協力は得られない。負け戦だと判断すると江藤は戦地を離れる。政治犯の助命を東京での裁判で期待するがそれも叶わず、佐賀で斬首になる。大久保が後世に影響を及ぼすであろう江藤の政治力を恐れてのことであった。大久保を甘くみていたと言わざるを得ない。

Posted byブクログ

2013/06/07

日本の法制度を整えた人、江藤新平。 上巻では薩長中心の新政府にかちこみ、初代司法卿まで上り詰め、 下巻では征韓論で大久保利通と対立し、佐賀の乱の首謀者として晒し首にされるまで。 まさに、波瀾万丈。 司馬遼太郎の好みもハッキリわかる。 どの視点に立つかで全然見方が変わる“幕末明治...

日本の法制度を整えた人、江藤新平。 上巻では薩長中心の新政府にかちこみ、初代司法卿まで上り詰め、 下巻では征韓論で大久保利通と対立し、佐賀の乱の首謀者として晒し首にされるまで。 まさに、波瀾万丈。 司馬遼太郎の好みもハッキリわかる。 どの視点に立つかで全然見方が変わる“幕末明治”の面白さが存分に楽しめると思います。今度は大久保利通側からの本を読んでみよう!

Posted byブクログ

2013/02/13

下巻は江藤VS大久保の様相を呈してくる。 江藤は征韓論を軸に明治政府の転覆を狙うが、欧州帰りの大久保に阻まれる。この、明治政府の二大頭脳が凄まじい戦いを展開する・・・というより、大久保があまりにも老獪で、江藤がだんだん可哀想になってくる。江藤は正義や論理、法律を何よりも重視し、正...

下巻は江藤VS大久保の様相を呈してくる。 江藤は征韓論を軸に明治政府の転覆を狙うが、欧州帰りの大久保に阻まれる。この、明治政府の二大頭脳が凄まじい戦いを展開する・・・というより、大久保があまりにも老獪で、江藤がだんだん可哀想になってくる。江藤は正義や論理、法律を何よりも重視し、正義は勝つのだと純粋に信じていたようだ。しかし大久保は正義を曲げても、非情な手段を取ってでも自分の信念を通す男だった。その大久保の前では江藤は子供のようであり、下野し佐賀の乱を起こし戦いに敗れる。 僕がこの小説ですごいと思ったのは、江藤が佐賀の乱で敗れ鹿児島や高知に逃げていた時も、正義を通す男としての誇りを失わなかった事だ、鹿児島で会った西郷の前でも決して卑屈になる事無く、命乞いもしなかった。 そして最後には自らが司法卿だった頃に整備した警察網に自らが捕らえられるという結果に終わる。自分の仕事が完璧すぎたのだ。 その日暮らしのも困る貧窮の身から数年で国家の中枢にまで登り、非業の死を遂げるまでの江藤の生涯。この小説では彼の過ごした歳月を共に駆け抜けた気分になれた。

Posted byブクログ

2015/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歳月、作中歳月という言葉がでてはこないが、読了後なぜかこのタイトルが 沁みる。 激動の時代を生きた人間のまさに激動の人生。 裁判長、私は の一言にはまさになんとも言えない気持ちにさせてくれる。

Posted byブクログ

2012/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

維新に出遅れた感満載の江藤新平が下野して佐賀の乱を起こす。今までいろいろな戦闘ものを読んできたが、この佐賀の乱ほど「へちょい」ものはないのではないか、と感じた。まんまと政敵大久保利通にやられているという感じ。これじゃ佐賀もんは浮かばれんなぁ・・・大隈重信ががんばるのかな?この本での大久保の悪役ぶりったらありゃしない。

Posted byブクログ

2011/08/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大久保利通が、江藤の事を邪魔に思っていたかが、特によく書かれている。大久保好きの自分には、大久保のダークな部分を知れた事はそれなりによかったと思う。 江藤自身も、下野後は非常に短絡的で中途半端な論理で反乱を起こしてしまい、本書の佐賀の乱が始まる辺りで、若い書生が江藤に対して「かれは英国貴族の家にうまれたほうがよかったであろう。」と想像するくだりがあるが、もし江藤が大久保の遭難後に中央に登場していたなら、もっと活躍出来ていたのではないかと感じた。

Posted byブクログ

2011/02/20

江藤新平と大久保利通の死闘。「薩人、智なけれど勇あり。長人智、あれど狡猾。」と評し、自らを智ありて勇あり、のつもりが存外うかつであったゆえ、呆気なく大久保の術数にはまってしまった。それにしても大久保は策士、忍人。 今回、講談社文庫新装版第1刷を手にしたが、誤字が多かった。新刷では...

江藤新平と大久保利通の死闘。「薩人、智なけれど勇あり。長人智、あれど狡猾。」と評し、自らを智ありて勇あり、のつもりが存外うかつであったゆえ、呆気なく大久保の術数にはまってしまった。それにしても大久保は策士、忍人。 今回、講談社文庫新装版第1刷を手にしたが、誤字が多かった。新刷では訂正されているが、作品が素晴しいだけに残念。 P59 「工藤」☞「江藤」 P187 「中島胤」☞「中島錫胤」 p286「おとどし」☞「おととし」 P361「あったっている」☞「あたっている」

Posted byブクログ

2010/03/07

Kodama's review 征韓論で賛否が分かれた新政府。江藤新平は、佐賀に戻り政府に対抗することに。結局、征韓論を唱え、または支持した前参議は命を落とすことになった訳ですが、その江藤と西郷隆盛の共通点は、二人とも海外に行ったことがなかたこと。百聞は一見に如かず…果...

Kodama's review 征韓論で賛否が分かれた新政府。江藤新平は、佐賀に戻り政府に対抗することに。結局、征韓論を唱え、または支持した前参議は命を落とすことになった訳ですが、その江藤と西郷隆盛の共通点は、二人とも海外に行ったことがなかたこと。百聞は一見に如かず…果たして二人は海外渡航への経験があれば、違った人生を歩んでいたのかも知れません。 (10.2.28) お勧め度 ★★★★★

Posted byブクログ

2010/01/28

物語は征韓論で紛糾する明治政府から始まる。 政韓派筆頭は西郷隆盛。対する政韓反対派は大久保利通や木戸孝允、岩倉具視… 江藤新平はというと政韓派に組みしていたようですが、具体的な動きはこれといってありません。彼の腹のうちには、政韓云々などよりも、政局から薩長閥を追い落とすことでいっ...

物語は征韓論で紛糾する明治政府から始まる。 政韓派筆頭は西郷隆盛。対する政韓反対派は大久保利通や木戸孝允、岩倉具視… 江藤新平はというと政韓派に組みしていたようですが、具体的な動きはこれといってありません。彼の腹のうちには、政韓云々などよりも、政局から薩長閥を追い落とすことでいっぱいだったから! この人、絶対逆恨みでしょ。維新の激動期をほとんど藩のうちで、しかも蟄居状態で内職しながら過ごしたんだから。早い段階から活躍していた薩長ウラヤマシスゆるすまじー!…みたいな;それを敏感に感じ取っていた大久保さんはほんとうにすごい方だと思います; 大久保 (江藤だけは、私怨と権謀だけで動いている。)←正解 江藤の友達の大木 喬任は、『江藤のヘンなところは、自分をまだ書生かなんかのよーに思ってるところだ!』みたいなことを仰っていましたが、江藤さんは自分が参議であることを忘れすぎ若しくは自覚しなさすぎ、なんですね。 それにしても大久保利通こわすぎ!!!! 江藤がお縄についてしょっぴかれたとき、東京で山田顕義とかと愉快にお花見してるし…酒宴もしてるし。絶対「江藤捕まえて嬉しいなvパーティー」ですよね(知らんがな)。 で、極めつけは…江藤さん処刑の日、大久保利通が自分の日記に書いた言葉 「江藤、醜躰(しゅうたい)、笑止なり」 ……こわっっ!!! しかも斬首だけじゃ飽き足らず梟首まで…(これって江藤さんが刑法改正したとき無くしたはずの刑だよねえ!!?) あまりにも皮肉すぎる…ヽ(TдT)ノ かわいそうすぎる人生を歩んだ江藤卿のご冥福をお祈りいたします。。

Posted byブクログ