僕らは星のかけら の商品レビュー
イギリスでベストセラ…
イギリスでベストセラーになった科学史の本です。科学者たちがどのような思考をたどって仮説を立て、どのような試行錯誤をし、どのような偶然があったのかがわかるとても面白い本です。科学に興味があるなら一読の価値がある本です。
文庫OFF
原子を追ってマクロからミクロへと歩み寄り、原子の由来を追ってミクロからマクロへと展開する。謎が謎を呼ぶ展開に、まるで、長い旅路を過ぎこしたような感覚を、読了と共に感じた。ある程度知って読まないと、意味不明に感じるかもしれない。
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量子力学と天文学。物質というものがいかにして創造されたかについての壮絶なドラマ。人間はそのドラマの中で幸運に恵まれて産まれた。 「人間は好奇心を持った原子」 「宇宙は、なぜ原子が自分自身に興味を抱く能力を獲得するような構造になっているのか」はいまだに解明されない科学の大きな謎の一...
量子力学と天文学。物質というものがいかにして創造されたかについての壮絶なドラマ。人間はそのドラマの中で幸運に恵まれて産まれた。 「人間は好奇心を持った原子」 「宇宙は、なぜ原子が自分自身に興味を抱く能力を獲得するような構造になっているのか」はいまだに解明されない科学の大きな謎の一つ、というのが締めくくりの言葉。ドラマはこれからも続く。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ギリシアの哲学者と職人を対比しているところに個人的な状況を重ね合わせて考えてしまった。 デモクリトスをはじめとした思索家たちが壮大な原理について思索にふけることが得意な一方、その仮説の真偽を問うことに欠けていた。 また職人たちは万物に働き掛けて反応を調べることが得意でも、哲学的思考に欠けていたという記述(p.19)があるが、ここで、哲学者=研究者、職人=現場ではたらく人というふうに置き換えれば、現在自分の周りで起こっている状況に酷似している。 今、私の先生(研究者)と、先輩(もともと現場ではたらいていた人)が、なんとなく相入れていない状況がある。先生は理論を重視し、先輩は現場主義であるためであろうが、この本を見て、古代ギリシアでも私の目の前で起こっていたような状況があったんだな、と思うとおもしろかった。
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(推薦者コメント) 私たちの体は様々な物質からできている。では、その物質たち=原子たちはどこからやってきたのだろうか?宇宙の歴史をファンタスティックに物語ってくれる一冊。
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訳者が末尾に書いている通り。原子をめぐる優れた科学史であり、人間ドラマだ。著者の構想力に脱帽する。かなりの満腹感がある。概論書で、述べられているよりも、原子の誕生は複雑な過程を経ていたのだ。私はひとっ飛びに素粒子に興味を抱いていたが、本書で原子の魅力にも取り憑かれた。
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なかなか秀逸な一般向け科学啓蒙書。テーマが「我々の世界にある原子はどのようにして作れたか」という一点の絞ってあるのが良い。科学史を追い、研究者達の人間ドラマを追いながら、現在の認識に至るまでの謎解きサスペンスの様な形になっている。物理的な背景がある方が理解しやすいのは確かだが、数...
なかなか秀逸な一般向け科学啓蒙書。テーマが「我々の世界にある原子はどのようにして作れたか」という一点の絞ってあるのが良い。科学史を追い、研究者達の人間ドラマを追いながら、現在の認識に至るまでの謎解きサスペンスの様な形になっている。物理的な背景がある方が理解しやすいのは確かだが、数式はほとんど用いず多彩な比喩を用いて説明してあるので読みやすい。人間が物質中の原子を発見するようになった前半は物質科学を学ぶもにはとしも面白い。原子の構造の理解に至るところや核エネルギーや核爆弾との関係のところは、原発事故の起きた現在は特に興味深い。また、本書の大部分を占めるう天文・宇宙物理学の研究に関する箇所は、そのような分野でどのような研究がなされてきて、現在どこまで分かっているのか知ることが出来たのが良かった。
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「僕らは星のかけら」 マーカス・チャウン ちょうど超新星1987Aの観測について読んでたときに、CERNでニュートリノが光速を超えたニュースがあって、カミオカンデでのニュートリノ検出との矛盾等・・・とびっきりホットな話題!飛行機の空席待ちの間、急いで読了。 フレッド・ホイルによる...
「僕らは星のかけら」 マーカス・チャウン ちょうど超新星1987Aの観測について読んでたときに、CERNでニュートリノが光速を超えたニュースがあって、カミオカンデでのニュートリノ検出との矛盾等・・・とびっきりホットな話題!飛行機の空席待ちの間、急いで読了。 フレッド・ホイルによるトリプルアルファ反応における「人間原理」が興味深い。「生命は自然が3つの異なる原子核の特性を微調整してくれたおかげで存在していた。ベリリウム8は不安定な核にしては並外れて寿命が長い。炭素12は、炭素12の形成を促進するのにちょうどぴったりのエネルギー状態を保有している。そして、酸素16は炭素を犠牲にしてまで酸素16の形成を促進するようなエネルギー状態は保有していない。」これらの偶然によって「宇宙は生命の進化を可能するべく創られた」という。 太陽、赤色巨星の内部構成、元素合成について(ビッグバン原子核合成、恒星内原子核合成、超新星元素合成)と天文学、量子力学、理論物理と実験物理と横断的に解説。久しぶりにおすすめしたくなる自然科学の名著だった。 さて、光速を超えるニュートリノの件。下準備は完了!
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冒頭で著者が述べている通り、本書は、私たちの体を構成する原子がどうやって作られたのかを解明する科学推理小説。 科学者が面白半分で行った実験から謎を解いたり、時には全くの偶然から手掛かりを得たり、三歩進んで二歩下がるを繰り返しながらそれでもようやく謎を解明するまでの奮闘を描いた数百...
冒頭で著者が述べている通り、本書は、私たちの体を構成する原子がどうやって作られたのかを解明する科学推理小説。 科学者が面白半分で行った実験から謎を解いたり、時には全くの偶然から手掛かりを得たり、三歩進んで二歩下がるを繰り返しながらそれでもようやく謎を解明するまでの奮闘を描いた数百年にもわたる一大歴史小説でもある。 量がかなり多くて途中挫折しそうにもなりながら、それでも最後にすべての謎が一本の線となって繋がった瞬間に、このような果てしないテーマに挑戦してきた先人たちへの畏敬の念が込み上げてきた。 「僕らは星のかけら」というタイトルは秀逸。
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久々に読後の充実感を味わえた。題名は比喩ではない。古代ギリシャの原子仮説から、ビッグバンや超新星という現代宇宙論へまでの科学探求史概論ではあるが、話の展開がうまく、帯の通り科学推理小説と言っても過言ではない。この本を読むまで光スペクトルから恒星の構成原子を確認するという方法がある...
久々に読後の充実感を味わえた。題名は比喩ではない。古代ギリシャの原子仮説から、ビッグバンや超新星という現代宇宙論へまでの科学探求史概論ではあるが、話の展開がうまく、帯の通り科学推理小説と言っても過言ではない。この本を読むまで光スペクトルから恒星の構成原子を確認するという方法があるということを知らなかった。文系の人はエピソードから読むことをお勧めしたい。
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