黒き魔神の森 の商品レビュー
「まさか、まじない師と戦うかもしれないのに、わたしが、なんの用意もしてこないと思ったのかね?」 チャンダのにぎる棒には神聖文字(ブラフーミー)がきざまれていました。 「異国の若者よ」 バジュラカーラが、ヒデマルに、よびかけました。 「自分の教えがとおい国までつたわったと知...
「まさか、まじない師と戦うかもしれないのに、わたしが、なんの用意もしてこないと思ったのかね?」 チャンダのにぎる棒には神聖文字(ブラフーミー)がきざまれていました。 「異国の若者よ」 バジュラカーラが、ヒデマルに、よびかけました。 「自分の教えがとおい国までつたわったと知ったならば、バギャバティはよろこんだだろう。おまえがここにきたことは、けっしてむだではない。いや、真実を知ったことを、ぜったいにむだにするな。バギャバティは、いっていた。『人は絶望により無力となり、希望により神も超える』と」 「わかりました」 ヒデマルは大きくうなずきました。
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