Q-Uによる学級経営スーパーバイズ・ガイド(小学校編) の商品レビュー

河村茂雄(編者),藤村一夫(編者),粕谷貴志(編者),武蔵由佳(編者)

的確に治療するために

[ヒーリング学級]

今社会でも求められる、人とのコミュニケーションスキル。いつからそのようなスキル不足を謳われるようになったのでしょう。社会の中で大人たちがこれだけスキル不足問題視されているのだから、小中学生とっては学校という場所が初めての社会生活を学ぶべき場所です。ですが、いじめや学級崩壊などの問題が増加し続けているというまさにコミュニケーションスキル不足が小中学校のときから始まっていると言えます。
そのような問題を教師たちはどのように対処していくべきものか。
Q-Uのガイド本である本書は、Q-Uを利用した上での学級指導方法を生活や授業のシーンごとに裏付けされた方法を提案していきます。
Q-Uで学級状態を把握したうえでのその状態に必要な処方箋をピンポイントで的確に実施していくものです。
この現在の状態を数値にわかりやすくあらわした部分がQ-Uの秀逸なところです。
問題を浮き彫りにして治療していくのですから、教師にとっても無駄なく効果を上げていくことができるものです。Q-U指導を始めようと考えている方におススメです。

平行した一斉指導の重要性

[満足学級]

学級をかき回す子どもがいる中学年を担当している年、まだ経験不足であった私はその子の指導ばかりに気をとられ、授業の進行がままならず学級全体も崩れ始めてきておりました。
自分だけではなすすべが無くなってしまいこのQ-Uを知りました。
即座にQ-Uを実施し現状の学級状態を確認しました。
崩壊手前であった我がクラスに崩壊状態に対する臨時保護者会も開きました。
保護者の理解と協力、そして同僚の先生方に授業以外での協力を仰ぎました。
本書に則ってルールとリレーションを地道に実践していきました。
学級をかき回す子どもは特に辛抱強く指導にあたり、併せて一斉指導も気を抜かず継続していき数カ月たった頃、
学級をかき回す子が徐々に学級の一員である意識が芽生えだしたのか、
全体行動のときにみんなをまとめる動きを初めてしていました。
それからは自分とも他の子どもたちともコニュニケーションに変化が表れ始め、
学級全体がルールを守る明るく雰囲気に変わっていきました。
Q-Uの結果も満足できる学級へと図式が変わってきました。
授業づくりもそうですが、学級経営を改めたい時にQ-U導入は試すべき方法論の一つだと思います。