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カモイ・ヴァラエティ の商品レビュー

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2014/06/25

鴨居洋子という人を 今まで知らずに損してた気がした。 マルチアーティストなんていわれると とたんに胡散臭い気がしてしまうけれど、 下着デザイナーであり、画家であり 人形を作り、フラメンコを踊り という日々の間に書き残した エッセイたちは、どれもやけにホントくさい。 多分、...

鴨居洋子という人を 今まで知らずに損してた気がした。 マルチアーティストなんていわれると とたんに胡散臭い気がしてしまうけれど、 下着デザイナーであり、画家であり 人形を作り、フラメンコを踊り という日々の間に書き残した エッセイたちは、どれもやけにホントくさい。 多分、鴨居洋子という人のいた時代を ほんとうに大人っぽい世界への憧れと アンダーグラウンドなおどろおどろのヘビーさへの 辟易とが同居した目で、眺めているのだけれど 彼女の世界は不思議と地に足がついていて 現実の街角から、夢を見る女の子で女、の姿が見えてくる。 並ぶ言葉は、ぽっかり開いた穴に 優しく布地をあてがってくれる 世話焼きのお姉さんのような匂いがする。 今はもういない人なのに、こんなに体温まで 感じると錯覚しそうな文章を残してる。 人が去った後に こうして、残されたものを読んで 辿ってゆけることだってあるのだなぁと思えた。 すごく遅くても、鴨居洋子という人を知って この本を読めて、よかったと思う。

Posted byブクログ