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誰でもない男の裁判 の商品レビュー

4.2

6件のお客様レビュー

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2022/05/02

洒落た面白いミステリを書く作家だ。有名な表題作「誰でもない男の裁判」は無神論者の作家が講演中に「もし神がいるのなら、俺を殺してみろ!」と叫んだ途端に銃声がなり、彼は銃弾に倒れた。犯人は名前もわからぬ記憶喪失の男で「声」に命じられたと証言する。現場に居合わせたミラード神父は事件の調...

洒落た面白いミステリを書く作家だ。有名な表題作「誰でもない男の裁判」は無神論者の作家が講演中に「もし神がいるのなら、俺を殺してみろ!」と叫んだ途端に銃声がなり、彼は銃弾に倒れた。犯人は名前もわからぬ記憶喪失の男で「声」に命じられたと証言する。現場に居合わせたミラード神父は事件の調査委員長にまつりあげられるが、世論はこの事件を神の奇跡と結びつける。しかし神父はおかしなことに気づき…。事件も奇跡も最後のどんでん返しが素晴らしい。「猫探し」と「姓名判断殺人事件」はラストがロマンチックで好き。そんな中短編8篇収録。

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2018/06/30

多彩な読み味の作品集。中でも表題作は先が見えた瞬間に背筋が寒くなり、けれども手が止まりませんでした。 無神論者で有名な作家が後援会にて「神がいるなら今すぐ殺してみろ」と叫んだ直後、彼は崩れ落ちます。彼を撃ったジョンの裁判が始まり、目撃者でありミラード神父が証言に立ちます。 本作の...

多彩な読み味の作品集。中でも表題作は先が見えた瞬間に背筋が寒くなり、けれども手が止まりませんでした。 無神論者で有名な作家が後援会にて「神がいるなら今すぐ殺してみろ」と叫んだ直後、彼は崩れ落ちます。彼を撃ったジョンの裁判が始まり、目撃者でありミラード神父が証言に立ちます。 本作の主人公は神父であるミラードです。神の存在が中心になる裁判で、彼は自身の信仰や矜持と自身が見たもので葛藤が生まれます。彼のアイデンティティが揺れ動くさまは緊迫感があり、衝撃的な作品です。

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2016/06/21

最近何故か昔の推理小説を読む機会がちょこちょこあるような気がするけど、たまたまなのか、驚くほど時代を感じさせない。確かに今は使われなくなった機械とかあるんだけども、でも80年代の小説でも今は見ないな、みたいなものがあるわけで、後は小説として面白いかどうかとか、それって概ね人がどう...

最近何故か昔の推理小説を読む機会がちょこちょこあるような気がするけど、たまたまなのか、驚くほど時代を感じさせない。確かに今は使われなくなった機械とかあるんだけども、でも80年代の小説でも今は見ないな、みたいなものがあるわけで、後は小説として面白いかどうかとか、それって概ね人がどうやって描かれてるかとかによるわけで、そういう意味じゃあまり変わってないんだよな、きっと。といっても100年程度前の小説なので、そりゃ大して変わらんのだろうけど。まぁそんな前振りもなくても面白いわけで、でもって思うのは、昔の小説もちゃんと現代人に読みやすい口語調にしてほしいって事だったりするわけでした。翻訳も大事なんかな。

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2013/05/31

(レビューではないけど)そうかトルーマン大統領の補佐官だったこともあって、表題作とは別の短編中でちょっとした小物に原爆使ってるのか、な?

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2011/05/08

カーはカーでもJ.D.ならぬA.H.Z.カーの短篇集。シリアスなものやコミカルなもの、本格もの、心理サスペンス、リドルストーリーとバラエティに富んだ内容。 中でも表題作、神に導かれたと主張する殺人犯と神父の対決という特異な設定、シニカルな結末が素晴らしい。 娘の愛猫を踏み殺してし...

カーはカーでもJ.D.ならぬA.H.Z.カーの短篇集。シリアスなものやコミカルなもの、本格もの、心理サスペンス、リドルストーリーとバラエティに富んだ内容。 中でも表題作、神に導かれたと主張する殺人犯と神父の対決という特異な設定、シニカルな結末が素晴らしい。 娘の愛猫を踏み殺してしまった牧師の苦悩を描いた「黒い子猫」もお気に入り。

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2009/10/04

収録されているのはさまざまなタイプの短編。本格からサスペンス、心温まる話などなどカーの魅力が隅から隅まで詰まった作品集だと思う。どれもおもしろいのだけど、個人的な趣味を挙げるなら表題作の「誰でもない男の裁判」と「ジメルマンのソース」「姓名判断殺人事件」かな。特に「誰でもない男の裁...

収録されているのはさまざまなタイプの短編。本格からサスペンス、心温まる話などなどカーの魅力が隅から隅まで詰まった作品集だと思う。どれもおもしろいのだけど、個人的な趣味を挙げるなら表題作の「誰でもない男の裁判」と「ジメルマンのソース」「姓名判断殺人事件」かな。特に「誰でもない男の裁判」は最後まで全く気が抜けず、また最後のあのシーンが心に焼き付いている。

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