テス(上) の商品レビュー
19世紀末イギリス、没落した名家の血を引きつつも、貧農の一家の柱として働く美少女テスの苛酷な運命を描く。 無垢で純粋、有能で働き者の美少女テス。しかし、貧乏な一家にいるのがつらいところで、金持ちのしょうもない男に見初められたことがきっかけで、大変な人生が始まってしまうというお話...
19世紀末イギリス、没落した名家の血を引きつつも、貧農の一家の柱として働く美少女テスの苛酷な運命を描く。 無垢で純粋、有能で働き者の美少女テス。しかし、貧乏な一家にいるのがつらいところで、金持ちのしょうもない男に見初められたことがきっかけで、大変な人生が始まってしまうというお話。振り切って再起を図り、新たないい感じの男前に出会って恋に落ちるものの、ろくでもない過去が障害となり苦悩する。うまく結婚にまで行き着くが、それから過去を明かすことになり……。 処女でない、ということがとてつもなく大きな障害になってしまっているところに時代性が出ており、現代人の感覚としては、テス自身に罪はないのだから、そこまで悩まんでええやん、とやきもきしてしまう。しかしこの時代である。相手のエンジェル・クレアが男らしい包容力をみせてくれればよいのだがはたして……。 主に恋愛観にまつわる物語だが、この時代の農家の労働についての詳しい描写が興味深く、テスの働きっぷりに感心してしまうところも読みどころであると思う。先が気になる展開で下巻へ進む。
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<登場人物> ●ダービフィールド家の人々 ジョン(ジャック)→行商で生計を立てる農夫。怠け者で酒癖と相まって一家は困窮。名門貴族ダーバヴィル家の末裔だと聞かされ、一層働かなくなる ジョウン→ジョンの妻。貧乏で子沢山な暮らしの中で、居酒屋で夫と酒を飲むのを無上の楽しみとするような、愚かだが善良な母親 テス→2人の長女。清純で感受性の鋭い美少女。家族に対する強い責任感を持ちながら、無意識でも男を魅了して しまうような美貌を持ってしまったが故に残酷な運命に弄ばれる。本編の主人公 ライザ=ルー→テスの妹。テスに似て無邪気で清らかな、美しく優しい姉思いの妹 ●ダーバヴィル家の人々 アレック→ハンサムだが粗野な女たらし。テスに強く惹かれ、執拗に言い寄り、テスの運命を狂わせる《宿命の男》。故サイモン・ストークは富裕な商人だったが、在郷紳士に成りすますためにダーバヴィル家を詐称。その一人息子がアレック ●クレア家の人々 クレア牧師→私心無き自己犠牲による献身的な生活を送る福音派の信徒 エンジェル→クレア牧師の三男。知的で理想主義に燃える美少年。聖職者への道を放棄し、農場経営を志す。見習就業先の酪農場でテスト出会を果たし、愛しあうが。。。 ●その他の人 トリンガム牧師→テスの父親に血筋を知らせ、一家の運命を狂わせてしまう
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19世紀の英国農村の貧しい農家に生まれた娘テスが、階級制度や宗教や伝統などの社会規範に翻弄されるお話。なまじ美人に生まれたばっかりに・・・。
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なぜ、お気に入り度がこんなに低いかというと・・・。 つまりは、もうわたしが興味を引く年齢じゃなくなったってことだと思う。 情景描写もすばらしいし、運命の不条理をすばらしく書き上げていると思う。でも、多分、これって男性が書いているからなんだろうけど、イマイチ女性の心理にぴんとく...
なぜ、お気に入り度がこんなに低いかというと・・・。 つまりは、もうわたしが興味を引く年齢じゃなくなったってことだと思う。 情景描写もすばらしいし、運命の不条理をすばらしく書き上げていると思う。でも、多分、これって男性が書いているからなんだろうけど、イマイチ女性の心理にぴんとくるものがなかった。 時代や文化の違いもあるかもしれないけれど、彼女の気持ちにも、彼女を取り巻く女性達の気持ちにも共感できるところが無かったのです。 昔は、イギリスやフランスのこういった小説が大好きだったのに、退屈に感じてしまうのは、要するに恋愛に興味を若干失ったからかもしれない。そう思うと少しさびしいです。
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違う方の訳のヤツを読んだのですが、どうやら絶版のようなので、こちらに。 前半はのめり込むように読みましたが、後半、若干疲れました。よく言えば丁寧、悪く言えばくどい。ちょっと長く感じました。でも全体としては面白かったです。いや、その言い方はおかしいか…。まさに悲劇。運命と言う逃れら...
違う方の訳のヤツを読んだのですが、どうやら絶版のようなので、こちらに。 前半はのめり込むように読みましたが、後半、若干疲れました。よく言えば丁寧、悪く言えばくどい。ちょっと長く感じました。でも全体としては面白かったです。いや、その言い方はおかしいか…。まさに悲劇。運命と言う逃れられない流れに翻弄される主人公、テスのまさに悲劇が描かれています。ラストのシーンが印象的でした。幸せって…なんなんですかねぇ…。
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