ヴァン・ティルの「十戒」 の商品レビュー
本書は十戒そのものの釈義的理解を示すものではなく、十の戒律各々の持つ含蓄の豊かさを現代に対して示そうとするものである。そしてその提示の仕方および内容は、まさにヴァン・ティル自身が専門領域とする改革派弁証学そのものである。難解な叙述を通してではあるが一つのパースペクティブを与えるも...
本書は十戒そのものの釈義的理解を示すものではなく、十の戒律各々の持つ含蓄の豊かさを現代に対して示そうとするものである。そしてその提示の仕方および内容は、まさにヴァン・ティル自身が専門領域とする改革派弁証学そのものである。難解な叙述を通してではあるが一つのパースペクティブを与えるものであるのは確かだ。神の像や宗教的反定立、一般恩恵や神の全領域主権など、ヴァン・ティル弁証学の世界が全面的に押し出されている。日本の福音派にとって一つの財産となる書であることは確かであるが、訳が難解かつ不正確な箇所が目立つのが惜しまれる。
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