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円生と志ん生 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2019/10/12

2019.10.5市立図書館 宮藤官九郎が大河ドラマを手がけるに当たってヒントになったという一冊。古今亭志ん生と三遊亭円生が満州に慰問に渡ったものの終戦の混乱で苦労してなんとか帰国したという逸話をもとにしたお芝居。主演の二人の他に女優4人が場面ごとに旅館の女将と相客となる現地妻、...

2019.10.5市立図書館 宮藤官九郎が大河ドラマを手がけるに当たってヒントになったという一冊。古今亭志ん生と三遊亭円生が満州に慰問に渡ったものの終戦の混乱で苦労してなんとか帰国したという逸話をもとにしたお芝居。主演の二人の他に女優4人が場面ごとに旅館の女将と相客となる現地妻、娼妓置屋の女性たち、開拓村から逃げてきた若い母親たちの亡霊(?)、大連高女の女学生と教師、修道女ら、落語家たちといきあわせる違う役で登場する。渡航した行きがかり上「文化戦犯」として追われ、着の身着のまま難民としてうろうろする二人がかなしくもおかしく、大河ドラマの孝蔵の物語に親しんできたおかげで「なにもかもカミサンにまかせて成り行きのまま」とか「なめくじ長屋」とかよくわかったし、森山未來&中村七之助で脳内再生できて楽しかった。 (ちなみに2005年のこまつ座の上演は角野卓造&辻萬長、和田誠の訃報に接したところで表紙のふたりの似顔絵と裏表紙の円生と志ん生の似顔絵にあらためてみいってしまう)

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2018/04/30

「円生と志ん生」は2005年に上演した井上ひさしさんの戯曲。 当然ながら上演はこまつ座で、確か初演を観た記憶があります。 あまりにも有名な(落語ファン、というより「落後史ファン」にとっては、ですが)、「古今亭志ん生と三遊亭円生が、戦後直後に満州から帰国できずに散々苦労をした」、...

「円生と志ん生」は2005年に上演した井上ひさしさんの戯曲。 当然ながら上演はこまつ座で、確か初演を観た記憶があります。 あまりにも有名な(落語ファン、というより「落後史ファン」にとっては、ですが)、「古今亭志ん生と三遊亭円生が、戦後直後に満州から帰国できずに散々苦労をした」、という実話の演劇化です。 ちょうどつい最近NHKのドラマで「どこにも無い国」という、まさにこの時期のお話がやっていて、なかなか映像にならない「戦後直後の新京や大連の無政府状態」が観られて、興味深かったです。 あらすじでいうと、本当に割と叙事的で。 ただ、苦労と放浪の中でも、とにかく落語を演じるという工夫や情熱に賭けるふたりの姿、というのがちょっと胸アツ。 ただ、実話としてのパンチ力も含めて、志ん生と円生、それぞれの自伝を活字で読んだ方が圧巻。 そういう意味では、終わりの淡々とした感じも含めて、井上戯曲としては、「大傑作」というグループには入らないと思いました。 (今回ちょっと縁があって活字で再読して、改めて思いました) ただ、実話の悲惨さに対してあるリスペクトと鎮魂の感覚で、このくらいに叙事的にしか語れない、という作者の距離感のなせる意図かもしれません。ひょっとしてまた年月を経て巡り合ったら、このくらいのほうが気持ちいい、ということもあり得るのが読書の醍醐味だったりもします。 ちなみに、井上ひさしさんの「文学作品」としても、実は戯曲がいちばんなのでは?と僕は思っているのですが、 (無論、それを上演された演劇を生で見る、というのがベストなのでしょうが) 個人的には「雨」「化粧」「きらめく星座」「闇に咲く花」「人間合格」「父と暮らせば」「紙屋町さくらホテル」あたりが大好きです。 また、未読、未見の戯曲演劇も多数あるので今後、読むなり再演を観るなり、というのが長く細くの楽しみであります。

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2016/07/02

20160702 演劇はあまり見た事が無い。台本だけでも面白いがやはり役者がどう演じるか?は観るしか無い。又やらないかな。

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2016/01/17

戦後の荒廃やらバタバタをユーモラスに描きつつ、井上ひさしの「笑い」についての考え方も垣間見える佳作。 表紙の絵がだれが見ても角野卓造(笑´∀`) 舞台でも観てみたい!

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2012/02/06

円生と志ん生の戦時中の満州での話。状況によっては大変悲惨なめにあっているのに、どこかしらユーモアがあり、また史実的に当時の満州へ渡った人達の苦労が分かる本。面白かった。

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2011/10/17

日に日に被害が過酷になる日本を抜け出し、満州にやってきたものの、敗戦のあおりを受けて、噺家二人、あちらこちらへ珍道中。そこで繰り広げられる戦争の悲哀と煩悶、涙と苦しみ、そして笑い――円生と志ん生、二人が日本へ戻れる日は来るのか? 圓生と志ん生が満州に渡っていたことは実は最近知っ...

日に日に被害が過酷になる日本を抜け出し、満州にやってきたものの、敗戦のあおりを受けて、噺家二人、あちらこちらへ珍道中。そこで繰り広げられる戦争の悲哀と煩悶、涙と苦しみ、そして笑い――円生と志ん生、二人が日本へ戻れる日は来るのか? 圓生と志ん生が満州に渡っていたことは実は最近知った。命からがら日本へ戻ってきたこともなんとなく知っていましたが、まあこの戯曲通りではないだろうけど、それはもう想像を絶するような体験だったのでしょうね… 途中に挟まれる劇中歌がちょっとおかしいだけに何とも悲しい。特に禁演落語を歌った歌と四人の若者の歌は。。。(´;ω;`)ウッ… 修道院が舞台で志ん生を衆生を救いに降臨したキリストと勘違いしてるラストが爆笑ものすぎるw 実際に声に出して笑ってしまいましたwそしてそこで語られてる噺家とは? っていうのにすごく感動してしまった……苦しいことしか無い災難ばかりの世の中。ならその災難をステキなものに変えて上げましょう、笑えるものにしましょう、笑いを生み出しましょう、それが噺家、落語家ですよ……喜劇ここに極まれり。感動です。 それから三代目小さんと漱石を語るところで今更ながら「日本の近代小説を作ったのは落語なんだナ」と気付き改めて感動。私が本を好きなこと、小説を書くことと、落語が好きなのは全然関係のないことじゃないんだな。むしろルーツがそこなんだなとあったかくなりました。

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