ノアの子 の商品レビュー
おそらくは戦時中にユダヤ人の子どもを匿って、諸国民の中の正義の人の称号を贈られたブルーノ神父をモデルにした小説。 訳者解説によると、信仰をテーマにしたシリーズの一冊らしい。
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ナチの嵐が吹き荒れるベルギー・ブリュッセル。父と母をナチに連れ去られたユダヤ少年達を寄宿舎でかくまうカソリックの神父。 ユダヤ人迫害を描いたものにしてはハッピーエンドといえるのかな。物語は現代のパレスチナ問題にまでつながっていて、戦争は終わっても戦いは続いているんだと考えさせら...
ナチの嵐が吹き荒れるベルギー・ブリュッセル。父と母をナチに連れ去られたユダヤ少年達を寄宿舎でかくまうカソリックの神父。 ユダヤ人迫害を描いたものにしてはハッピーエンドといえるのかな。物語は現代のパレスチナ問題にまでつながっていて、戦争は終わっても戦いは続いているんだと考えさせられた。
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ナチス政権によるユダヤ人迫害の真っただ中で、子供たちをかばったベルギーのカトリック神父の話。その手の小説はいろいろな人が書いているけれど、この本は単にユダヤ人迫害の悲惨さを強調するだけではなく、人間の宗教というものに対するあり方について考えさせてくれる。迫害されるものに手を差し伸...
ナチス政権によるユダヤ人迫害の真っただ中で、子供たちをかばったベルギーのカトリック神父の話。その手の小説はいろいろな人が書いているけれど、この本は単にユダヤ人迫害の悲惨さを強調するだけではなく、人間の宗教というものに対するあり方について考えさせてくれる。迫害されるものに手を差し伸べる、神父の型に嵌らない世界観。「私たちクリスチャンってのは、ひょっとしたらセンチメンタルなユダヤ教徒にすぎないのかもしれない・・・」それが神父として正しいかどうかではない。ただ、一人のクリスチャンとして、彼のようにありたいと心から思った。
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ユダヤ人の子ジョセフは両親とともにベルギーで暮らしていた。1942年、ナチスに追われ、ジョセフは親切な伯爵家に預けられ、両親は姿を潜め離ればなれになる。しかし、伯爵家にも追手がかかる。ジョセフはそこを逃れ、教会のポンス神父のもとに預けられ、他の子どもたちと共に匿われる。 多感...
ユダヤ人の子ジョセフは両親とともにベルギーで暮らしていた。1942年、ナチスに追われ、ジョセフは親切な伯爵家に預けられ、両親は姿を潜め離ればなれになる。しかし、伯爵家にも追手がかかる。ジョセフはそこを逃れ、教会のポンス神父のもとに預けられ、他の子どもたちと共に匿われる。 多感な少年期のジョセフは宗教とは? 愛とは? 正しさとは? 真実とは? 信じるとは?...そんな疑問をポンス神父にぶつける。神父は静かに応答していく。ポンス神父は言う。「ユダヤ教とキリスト教のどちらが本当か知りたがるけれど、答えはどちらでもないんだよ。宗教にはほんとうもうそもない。宗教というのは人間に生き方を提案してくれるものなんだ」と。そして、「『尊敬』の対象となるのはね、『証明されたもの』じゃなくて『提案されたもの』なんだよ」と。 もう一つこの物語の中でみることができるのは、神父のもとに同じく匿われた子たちのその後の生き方の違いである。ジョゼフと共に親しく過ごしたリュディは戦後イスラエルに移り、ジョセフはベルギーに残って全く違った行動をとる。なるほど、我が家の子どもらをみても実感する。同じように育てたつもりでもこうまで感覚や行動が違うものかと。 ポンス神父の「神は人間のすることに干渉しない。神は『自由な』人間を創造したのだから、人間は自分のすることに責任を持たねばならない」といった言葉が響いてくる。
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実話をもとにした小説。1人のユダヤ人少年と、ユダヤ人の子どもたちをかくまったキリスト教神父の対話から、宗教をこえた愛が心に響く一冊。原作はフランス。
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不正に潰されそうなものを守ろうとする神父とユダヤの子供の話。ナチスドイツ下のこと。「キリスト教もユダヤ教もないのだよ。正しいことは、いつも神から発されていて、宗教は、人に生き方を教えるものなんだ。」神父の言葉だ。大きい。
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